【労務】月給30万円なら残業単価はいくら?会社ごとに違う理由
2026年10月03日 07:18
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン
https://akiyamasr55.com/kyuuyokeisan
秋山社会保険労務士事務所の労務健康診断
https://akiyamasr55.com/roumukansa
月給30万円の社員なら、残業1時間はいくらですか?
給与計算の相談をしていると、こういう質問はよくあります。
ところが、実はこの質問。
月給30万円という情報だけでは、残業単価は確定できません。
同じ月給30万円でも、A社では残業単価が約2,100円。B社では約2,300円。
そんなことは普通に起こります。なぜなら、残業単価は「月給がいくらか」だけでは決まらないからです。
ここを理解せずに給与ソフトへ単価を登録していると、毎月の残業代を継続的に間違えている可能性があります。
残業単価は「30万円÷適当な時間数」ではない
月給制の場合、時間外労働の割増賃金を計算するには、まず1時間当たりの賃金額を算出します。
月によって所定労働時間数が異なる場合は、原則として1年間における1か月平均所定労働時間数を使います。
月によって定められた賃金については、その金額を月の所定労働時間数で割る。月によって異なる場合は1年間における1月平均所定労働時間数を使うという計算方法です。
つまり、同じ30万円でも、年間休日が何日あるか、1日の所定労働時間が何時間か、会社カレンダーがどうなっているか
によって、分母になる時間数が変わります。分母が変われば、当然1時間当たりの賃金も変わります。
年間休日が違えば、残業単価も変わる
たとえば、どちらも月給30万円、1日8時間勤務だとします。
しかし、A社は年間休日125日。B社は年間休日105日。
この2社では、1年間の所定労働時間が違います。
したがって、月給30万円という条件が同じでも、残業単価まで同じになるとは限りません。
厚生労働省系の資料でも、
年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12
によって1か月平均所定労働時間数を算出する例が示されています。
ここで問題になるのが、「うちは昔から173時間で計算しています」という会社です。
その173時間。今の会社カレンダーから計算した数字ですか?
年間休日を増やした。土曜日出勤を減らした。所定労働時間を変更した。
就業規則を改定した。それなのに残業単価の設定だけ昔のまま。
給与計算を確認すると、こういうズレが見つかることがあります。
基本給30万円だけ見ればいいとも限らない
もう一つ注意したいのが「何を30万円として見るか」です。
たとえば、基本給 25万円・役職手当 3万円・職務手当 2万円:合計30万円。
この場合、
「基本給25万円だけで残業単価を計算している」
という処理が必ず正しいとは限りません。
割増賃金の算定基礎から除外できる賃金は、何でも会社が自由に決められるわけではありません。
労働基準法第37条及び労働基準法施行規則第21条では、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、
住宅手当など一定の賃金が除外対象として定められています。
逆にいえば、「○○手当だから残業単価には入れない」という会社独自の判断は危険です。
役職手当、職務手当、資格手当、調整手当、皆勤手当。
会社によっていろいろな名称があります。
名称だけ見て算入・除外を判断することはできません。
「住宅手当だから除外」も危ない
さらに厄介なのが住宅手当です。
労働基準法施行規則上、住宅手当は除外対象として挙げられています。
ただし、「住宅手当」という名前なら全部除外できるわけではありません。
たとえば全社員に一律1万円を支給しているような場合には、住宅に要する費用に応じて算定されているとはいえず、
除外できない可能性があります。手当の名称ではなく実質で判断すると明示しています。
給与規程に「住宅手当」と書いてある。給与ソフトでも「住宅手当」という項目になっている。
だから残業単価から外す。それだけでは判断できません。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン
https://akiyamasr55.com/kyuuyokeisan
秋山社会保険労務士事務所の労務健康診断
https://akiyamasr55.com/roumukansa
怖いのは「1人だけ間違う」ことではない
残業単価の設定ミスで怖いのは、単発の計算間違いではありません。
給与ソフトに一度間違った設定を入れると、毎月・全社員・何年間も同じ計算が続く可能性があります。
たとえば本来より1時間当たり100円低かったとしても、月20時間残業する社員が10人いれば、
100円 × 20時間 × 10人です。
これが毎月続きます。しかも実際には割増率や対象人数、残業時間によって金額はさらに変わります。
1円、10円の話ではありません。
就業規則・給与規程・会社カレンダー・給与ソフトは全部つながっている
残業単価を確認するとき、給与明細だけ見ても十分ではありません。
確認したいのは、就業規則の所定労働時間・年間休日・会社カレンダー・賃金規程・各手当の支給条件
・給与ソフトの残業単価設定です。ここが一致しているか。
ここまで見ないと、本当に残業単価が正しいかは分かりません。
「給与ソフトが計算しているから大丈夫」ではありません。
給与ソフトは、設定された条件で計算しているだけです。
元の設定が違えば、毎月きれいに間違った給与計算を出してくれます。
月給30万円の社員。御社では残業1時間いくらですか?
すぐ答えられる会社は、意外と多くありません。
さらに、「その単価の根拠は?」「分母は何時間ですか?」「その時間数は何年の会社カレンダーから計算しましたか?」
「職務手当は含めていますか?」「住宅手当を外している理由は?」ここまで聞くと、止まってしまう会社があります。
給与計算で重要なのは、
数字が出ていることではなく、その数字に根拠があることです。
秋山社会保険労務士事務所では、単に給与計算を代行するだけではなく、
現在行っている給与計算そのものが正しいかを確認する「給与計算セカンドオピニオン」
にも対応しています。
毎月給与計算は終わっている。
大きなトラブルも起きていない。
でも、残業単価の設定まで確認したことはない・昔から同じ単価を使っている・手当をどこまで含めるのか分からない
・給与担当者に任せきりになっているという会社ほど、一度確認しておく価値があります。
給与計算の間違いは、間違えた月だけの問題ではありません。設定を直さない限り、翌月も、その翌月も続きます。
月給30万円の社員の残業単価がいくらになるのか。
その答えは会社によって違います。
そして大事なのは、ネット上の計算例に当てはめることではなく、
御社の就業規則、賃金規程、会社カレンダー、給与データを使って計算したときにどうなるかです。
「うちの残業単価、ほんまに合ってるんかな」そう思った時点で、一度確認してみてください。
秋山社会保険労務士事務所では、給与計算セカンドオピニオン、労務監査、月次の給与計算・労務顧問に対応しています。
間違いが起きてから修正するより、間違いが積み上がる前に確認する。
給与計算を毎月している会社だからこそ、一度計算結果ではなく計算の土台を確認してみませんか。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン
https://akiyamasr55.com/kyuuyokeisan
秋山社会保険労務士事務所の労務健康診断