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【労務】月30時間残業が続く社員を放置する経営リスク

2026年10月06日 09:01

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月30時間くらいなら、そこまで多くないですよね・・・。

残業時間について相談を受けていると、こういう話になることがあります。

確かに、時間外労働の上限規制は原則として月45時間・年360時間です。

したがって、月30時間という数字だけを見て、直ちに「違法な長時間労働だ」と判断することはできません。

ただし、毎月同じ社員が30時間残業している。この状態を、45時間を超えていないから大丈夫で終わらせて

いる会社は、一度勤怠の中身を見た方がいいかもしれません。

問題は、30時間という数字だけではないからです。

月30時間なら、年間360時間になる

毎月30時間の時間外労働が続けば、単純計算で年間360時間です。

これは、時間外労働の原則的な年間上限と同じ数字です。

もちろん、実際には月によって変動するでしょう。

繁忙期だけ30時間の社員と、1月も30時間・2月も30時間・3月も30時間・半年経っても30時間前後。

という社員では、意味が違います。後者の場合、経営者が見るべきなのは、30時間なら法律上問題ないか

だけではありません。

なぜ、その社員だけ毎月30時間必要なのか。こちらです。

残業30時間が「その人の能力の問題」とは限らない

残業が多い社員を見ると、仕事が遅いんじゃないかという話になりやすい。

でも実際には、それだけではありません。

仕事がその社員に集中している、その社員しか処理方法を知らない。

他の社員から質問が全部集まっている、管理職の確認作業まで肩代わりしている、担当顧客が偏っている。

紙やExcelによる二重入力がある。勤怠や給与計算など、毎月同じ手作業を繰り返している。

こうした事情でも残業は増えます。

つまり、残業時間は、社員個人の働き方だけではなく、会社の業務設計が数字になって出ていることがあります。

ここを見ないまま、残業減らしてくださいだけ伝えても、ほとんど意味がありません。

仕事量が変わっていないからです。

残業代だけ計算して終わっていませんか

仮に時間単価が1,500円の社員が、毎月30時間の法定時間外労働をしているとします。

単純化して25%の割増だけで考えても、1,500円 × 1.25 × 30時間で、月56,250円。

年間では675,000円です。

もちろん、実際の割増賃金計算では賃金構成や休日・深夜労働などによって金額は変わります。

ここで経営者に考えてほしいのは、「年間67万円も残業代がかかっている」という話だけではありません。

その30時間は、本当に必要な30時間でしょうか、10時間は削減できないのか。

他の社員へ移せないのか、手作業をなくせないのか。

そもそも、何に30時間使っているのか把握できているのか。

ここまで見なければ、給与計算上は正しく残業代を払っていても、経営上は問題を放置している可能性があります。

一番怖いのは「その人がいるから回っている会社」

残業が多い社員ほど、仕事をよく分かっている社員であるケースがあります。

周囲が分からない仕事を処理する、トラブルが起きれば呼ばれる。

新人が入れば教える、担当者が休めば代わりにやる。

結果として残業が増える。経営者からすると、「頑張ってくれている」で終わりがちです。

ところが、その社員が突然退職したらどうなるでしょうか。

休職したら。育児や介護で残業できなくなったら。

そこで初めて、この仕事、誰も分からないとなります。

残業時間の多い社員を確認することは、単なる残業削減ではありません。

会社の属人化を見つける作業でもあります。


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30時間が毎月続くなら、給与明細より勤怠表を見る

給与計算をしていると、残業時間そのものは毎月出てきます。

ところが、残業代を計算して支給するだけで処理が終わっている会社は珍しくありません。

30時間、翌月32時間、その翌月29時間、さらに翌月31時間。

毎月きちんと残業代を払っている。

給与計算としては、それで終わるかもしれません。

でも労務管理としては、ここからがスタートです。

誰の残業が多いのか、何曜日に集中しているのか、月末なのか、締日前なのか。

特定業務なのか、特定部署なのか、特定顧客なのか。

それとも、そもそも所定労働時間や勤怠集計の方法に問題があるのか。

残業時間だけでは、原因は分かりません。

「45時間以内だから大丈夫」は管理ではない

労働基準法上、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間です。臨時的な特別事情がある場合にも

別途上限があります。また、長時間労働については、安全衛生面からも健康障害防止対策が求められており、

厚生労働省も時間外・休日労働の削減や健康管理体制の整備を求めています。

ただ、経営では、45時間を超えたら考える。80時間を超えたら考えるでは遅いことがあります。

数字が大きくなる前に、「なぜ、この社員は毎月残業しているのか」を確認する方がはるかに重要です。

残業削減を始める前に、やってはいけないこと

残業30時間の社員に、来月から10時間以内にしてくださいと言えばいいのでしょうか。

それも危険です。仕事量がそのままなら、持ち帰り仕事が発生するかもしれません。

打刻してから仕事をするかもしれません。サービス残業になるかもしれません。

業務品質が落ちるかもしれません。

つまり、残業時間だけ削っても、仕事そのものは消えません。

本来確認すべきなのは、残業時間ではなく、その30時間の中身です。

自社の「30時間」を説明できますか

毎月残業30時間の社員がいる会社は、一度こう確認してみてください。

なぜ30時間発生しているのか。

その社員でなければできない仕事は何か、他の社員に移せる仕事は何か。

毎月繰り返している手作業は何か、管理職は残業理由を把握しているか。

残業時間と給与計算は正しく連動しているか、36協定の内容と実際の働き方は一致しているか。

ここまで即答できる会社は、実はそれほど多くありません。

逆に、給与ソフトには毎月30時間と出ているけど、何をしているかまでは分からない。

なら、確認する価値があります。

秋山社会保険労務士事務所では「残業時間」だけを見ません

残業が多いからといって、すぐに「残業削減しましょう」とは考えません。

勤怠データ・給与計算・雇用契約書・就業規則・36協定・社員ごとの業務配分・実際の運用。

これらがどうつながっているかを確認します。

なぜなら、残業の原因が勤怠管理にある会社もあれば、業務の属人化にある会社もあり、

給与計算の集計方法を確認した方がいい会社もあるからです。

表面上は同じ「月30時間残業」でも、会社によって見るべき場所は違います。

毎月同じ社員の残業が続いている。

残業代は払っているが、なぜ残業しているのか分からない。

特定社員に仕事が集中している。

勤怠データを経営管理に活用できていない。

給与計算は合っていると思うが、一度第三者に確認してほしい。

そんな会社は、残業を減らす前に、一度現在の勤怠と給与計算を確認してみてください。

30時間を20時間にする方法より先に、なぜ30時間になっているのかを見つける必要があります。

秋山社会保険労務士事務所では、給与計算セカンドオピニオン、労務健康診断、月次顧問を通じて、勤怠から

給与計算、労務管理まで一体で確認しています。数字だけでは見えない問題がないか。

まずは、今ある勤怠データから確認します。



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