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【労務】昇給したのに残業単価が変わっていない社員はいませんか?

2026年09月29日 07:59

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社員を昇給させた。基本給はきちんと上がっている。給与明細にも新しい金額が反映されている。

そこまで確認して、「昇給処理は終わった」と思っていませんか?

もう一つ、見てほしい数字があります。残業単価です。

昇給した社員について、基本給は確認していても、残業代を計算するときの1時間当たりの賃金額まで

確認している会社は、どれくらいあるでしょうか。

ここは一度、賃金台帳を開いて確認してほしいところです。

昇給すれば、残業代の計算にも影響します

月給制の場合、時間外労働の割増賃金は、1時間当たりの賃金額を基礎に計算します。

月の所定賃金額 ÷ 1か月の平均所定労働時間数たとえば、基本給250,000円から基本給270,000円に

昇給した社員がいたとします。

この基本給が割増賃金の算定基礎に含まれる以上、昇給後は1時間当たりの賃金額も変わります。

つまり、基本給を上げたのに、残業代だけ昇給前と同じ基準で計算していないかという確認が必要になります。

最近昇給した社員を1人だけ確認してみてください

やることは難しくありません。最近昇給した社員を1人選びます。そして、昇給前の給与明細・昇給後の給与明細

を並べてみてください。

確認するのは、基本給が変わっているかだけではありません。その社員の残業代について、昇給後の賃金を基礎に

計算されているかまで確認します。もし、「そこまでは確認していなかった」のであれば、他の昇給者も含めて

一度見直しておいた方がいいでしょう。

手当が変わったときも同じです

残業単価に影響するのは、基本給の昇給だけではありません。

たとえば、役職手当が付いた・職務手当が増えた・資格手当を新設した・賃金体系を変更したといった場合です。

割増賃金の基礎となるのは、基本給だけではありません。

労働基準法第37条第5項では、割増賃金の基礎から除外できる賃金を定めています。

さらに労働基準法施行規則第21条により、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当
臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金が除外対象とされています。

厚生労働省も、この7種類は例示ではなく限定列挙であり、これらに該当しない賃金は割増賃金の基礎に算入する

必要があると説明しています。

つまり、「基本給だけ見ておけばいい」という話ではありません。

賃金を変更したときは、その変更が残業単価に影響しないかまで確認する必要があります。


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「住宅手当だから除外」で終わらせるのも危険です

もう一つ注意したいのが、手当の名称です。

たとえば「住宅手当」という名前が付いていれば、必ず残業単価の基礎から外せるわけではありません。

厚生労働省も、除外できるかどうかは名称だけではなく、その手当の実質で判断するとしています。

給与計算で重要なのは、「この手当は何という名前か」ではなく、どういう条件で、何に対して支給している賃金

なのかです。

ここを見ないまま給与計算だけ続けていると、賃金規程と実際の計算がズレていることがあります。

残業単価は、いつ最後に確認しましたか?

ここで一度、自社の給与計算を振り返ってみてください。

社員が昇給したとき・役職が変わったとき・新しい手当を付けたとき・賃金規程を変更したとき。

その都度、残業単価まで確認していますか?給与計算は毎月行います。

だからこそ、一度計算方法にズレが生じると、同じ状態がその後も続く可能性があります。

問題なのは、「今月数百円違った」ということだけではありません。

それが複数人、複数月にわたって続けば、金額は積み上がっていきます。

月100円の差でも、積み重なると変わります

仮に、本来の残業単価との差が1時間100円だったとします。

月20時間残業する社員なら、100円 × 20時間 = 月2,000円・年間では24,000円です。

これが10人なら、年間240,000円。しかも、1年で気付くとは限りません。

給与計算の確認で怖いのは、1回の大きな間違いより、小さなズレが毎月繰り返されることです。

だから昇給や賃金変更があったときは、「基本給が変わったか」だけではなく、その変更が給与計算全体に

正しく反映されているかまで確認した方がいいのです。

給与明細だけ見ても分からないことがあります

残業単価が正しいかどうかは、給与明細だけ見ても判断できないことがあります。

確認したいのは、雇用契約書・就業規則・賃金規程・給与台帳・勤怠記録・実際の給与計算です。

たとえば、賃金規程では役職手当を支給すると定めている。

実際に役職手当も支払っている。では、その役職手当は残業単価の計算上、どのように扱われているのか。

こうしたところまで見て初めて、規程と給与計算が一致しているかが分かります。

給与計算は、単純に勤怠を集計して数字を出す仕事ではありません。

会社の賃金制度を、毎月の給与として正しく反映する仕事です。

だからこそ、賃金制度を変更したら給与計算側も確認する必要があります。

昇給した会社は、一度確認してみてください

今年、社員の給与を上げた会社。最低賃金への対応で賃金を変更した会社。

人材確保のために賃金テーブルを見直した会社。役職手当や資格手当を新しく付けた会社。

こうした会社は、一度だけでも確認してみてください。最近昇給した社員の給与明細を開いて、

昇給後の残業代が、現在の賃金を基礎に計算されているか。ここまで確認しておけば、「基本給だけ変更して

終わっていた」という状態を防ぐことができます。

給与計算セカンドオピニオンという確認方法

弊所では、「給与計算を全部外注したい」という相談だけではなく、現在の給与計算が正しいか一度確認したい

という給与計算セカンドオピニオンにも対応しています。

確認するのは、残業単価・割増賃金の算定基礎・手当の扱い・所定労働時間・勤怠データ・雇用契約書
就業規則・賃金規程などです。

単純に、「計算結果が合っているか」を見るだけではありません。なぜその金額になるのか、その計算根拠まで

確認します。

特に、「長年同じ方法で給与計算している」「昇給や手当変更が多い」「給与計算担当者が何度か変わっている」

「賃金規程を最近改定した」という会社は、一度確認しておく意味があります。

問題が給与計算だけとは限りません

確認していく中で、残業単価だけではなく、勤怠管理・雇用契約・労働時間管理・賃金規程・就業規則にも確認事項が

見つかることがあります。その場合は、給与計算だけではなく、労務管理全体を見る労務監査という方法もあります。

逆に、「毎月こうした確認を社内で続けるのが負担」という会社であれば、月次給与計算と労務顧問をまとめて任せる

という方法もあります。

給与計算を外部へ任せる意味は、単に計算作業を減らすことだけではありません。

賃金や労働条件が変わったときに、給与計算まで含めて継続的に確認する体制を作ることにもあります。

昇給した社員の給与明細を、1人だけ見てみませんか?

まずは一人で構いません。最近昇給した社員の、昇給前と昇給後の給与明細を並べてみてください。

基本給は変わっている。

では、残業代の基礎となる1時間当たりの賃金額も変わっていますか?

もし、「そこまで確認したことがない」「どう計算されているか説明できない」「賃金規程と給与計算が合っているか

分からない」のであれば、一度給与計算の中身を確認してみるのも一つです。

秋山社会保険労務士事務所では、給与計算セカンドオピニオン・労務監査・月次給与計算・労務顧問に対応しています。

給与計算を変える前に、まず、今の計算が合っているか確認したい。

そんな相談でも対応しています。

昇給した社員がいる会社は、基本給だけではなく、残業単価まで。一度確認してみてください。



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