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【労務】経営が苦しいときに助成金を探すのではなく、労務管理を見直すべき。

2026年09月26日 07:12

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社労士をやっていますと、経営が苦しいので、「何か使える助成金はないですか?」

という相談を受けることがあります。気持ちはよく分かります。

返済不要のお金が入るのであれば、会社としては使いたいでしょう。

ただ、会社の資金繰りが苦しくなったとき、本当に最初に見るべきところは助成金でしょうか。

私は、そうは思いません。助成金を探す前に、まず一度見てほしいのが、「今の労務管理に無駄がないか」

という部分です。助成金は、条件に該当したときに受給できるものです。

一方で、残業代や給与、勤怠管理は、毎月会社からお金が出ていく部分です。

ここを見直した方が、場合によっては経営改善に直結します。

毎月30万円の残業代が出ている会社なら

例えば、毎月30万円の残業代が発生している会社があるとします。

年間で考えれば360万円です。もちろん、必要な残業まで無理に削るべきではありません。

しかし、その残業の中に、業務の割り振りが偏っている・一部の従業員だけ残業が集中している
・会議や報告作業に時間がかかりすぎている・上司の確認待ちで帰れない・昔から残業するのが当たり前に

なっている・勤怠を集計しているだけで、残業時間を分析していない。

といったものが混ざっているのであれば、話は別です。

仮に残業代を月5万円減らすことができれば、年間60万円です。月10万円なら年間120万円です。

これは一度だけ入るお金ではありません。翌年以降も効果が続く可能性があります。

だから私は、経営が苦しい会社ほど、「助成金はいくらもらえるか」だけではなく、

「毎月いくら無駄な人件費が出ているか」を見る必要があると思っています。

残業削減は、単なる経費削減ではありません

残業削減というと、「従業員を早く帰らせて残業代を減らす話」と思われがちです。

しかし、本来はそういう話ではありません。

長時間労働が発生している理由を確認し、仕事のやり方そのものを見直す。

そこまでやって初めて意味があります。業務量そのものが多すぎるのか。

一部の従業員に仕事が集中しているのか。無駄な作業が多いのか。

管理職が部下の労働時間を把握していないのか。

そこを整理することで、結果として残業時間が減る、そして残業代も下がる。

さらに、従業員が早く帰れるようになれば、職場環境の改善にもつながります。

慢性的な長時間労働が減れば、従業員の健康管理という面でもプラスです。

つまり、残業削減は、人件費削減だけの話ではなく、労務管理そのものを改善する話です。

給与計算を見直したら「払い過ぎ」が見つかることもあります

もう一つ、意外と見落とされているのが給与計算です。

給与計算というと、「間違えて少なく払っていないか」という視点で確認されることが多いですが、

逆もあります。

・手当の支給条件が曖昧
・既に要件を満たしていない手当がそのまま支給されている
・欠勤控除の計算方法が実態と合っていない
・固定残業代と実際の残業代の計算関係が整理されていない
・給与システムの設定が昔のまま残っている
・雇用契約書や賃金規程と実際の支給内容が一致していない

といったケースがあります。

こうした状態を放置すると、本来支給する必要のない金額を毎月払い続けていることがあります。

月1万円の過払いでも、10人いれば月10万円。年間120万円です。

会社からすれば決して小さな金額ではありません。

もちろん、会社が勝手に給与を減らしてよいという話ではありません。

賃金の変更については、雇用契約や就業規則、不利益変更などの問題もあります。

だからこそ、「給与を下げる」のではなく、まず現在の給与計算が正しいのか確認する。

この順番が重要です。


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経営が苦しいときほど「毎月出ていくお金」を見る

会社の経営が苦しくなると、どうしても新しい売上や助成金に目が向きます。

それ自体は悪いことではありません。ただ、売上を10万円増やすことと、

毎月10万円出ている無駄なコストを減らすこと。資金繰りという意味では、どちらも10万円です。

しかも労務管理の改善は、毎月の固定的な支出に関係します。

残業時間を見直す・給与計算を見直す・手当を見直す・勤怠管理を見直す。

雇用契約書や就業規則と実際の運用が合っているか確認する。

こうした地味な作業の方が、経営改善につながることがあります。

助成金より先に、一度会社の中を見てみませんか

弊所では、単に給与計算を代行するだけではなく、この計算方法で本当に合っているか・残業代が

不自然に増えていないか・給与規程と実際の支給内容が一致しているか・勤怠管理に問題がないか

といった点も確認しています。

既に社内で給与計算をしている会社であれば、給与計算セカンドオピニオンとして、現在の計算方法や

運用を第三者の立場から確認することもできます。もう少し広く会社全体を確認したい場合には、労務監査

として、勤怠管理・残業時間・給与計算・雇用契約書・就業規則・各種手当・社会保険の手続きなどを横断的に

確認することもできます。また、一度見直して終わりではなく、毎月残業時間を確認したい。

給与計算や手当の運用を継続的に確認してほしい、労務トラブルになる前に相談できる体制を作りたい。

という会社には、月次顧問という形もあります。

経営が苦しくなったとき、助成金を探すことも一つの方法です。

ただ、その前に一度、会社の中で毎月どこにお金が出ているのか。

そこを確認してみてください。残業代・給与・手当・勤怠・社内の仕事の流れ。

見直してみると、会社の外からお金を持ってくるより先に、改善できる部分が見つかるかもしれません。


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