【労務】勤怠を30分単位で丸めていませんか?
2026年10月19日 09:01
うちは残業30分単位です。30分未満の残業は付きません昔からそういうルールです。
もし御社でもこのような勤怠管理をしているのであれば、一度確認していただきたいことがあります。
例えば終業時刻が18時。
社員が18時29分まで仕事をして、18時29分に打刻した。
ところが給与計算上は、18時00分、29分はなかったことになる。
翌日は18時27分これも18時00分。その翌日は18時18分これも18時00分。
「30分に達していないから残業なし」もし毎日このような処理をしているのであれば、かなり気になります。
労働基準法の通達では1日ごとに一定時間に満たない労働時間を一律に切り捨て、その時間分の賃金を支払わない
取扱いは認められないとしています。毎日の時間外労働は原則として1分単位で正確に計上し、常に切り捨てること
で賃金が未払いになる処理は認められないとしています。
そもそも、その18時29分という打刻は何のためにあるのでしょうか
ここが非常に重要です。タイムカードや勤怠システムは、「社員が何時に会社の建物へ入ったか」
を記録するだけのものではありません。
労働時間を管理するために、実際に仕事を始めた時刻と、仕事を終えた時刻を把握するためのものです。
タイムカードで始業・終業時刻を記録する場合について、会社への入退場時刻が必ずしも
始業・終業時刻とは限らないため、実際に仕事を始める時、仕事を終えた時に打刻するとしています。
では、社員が仕事を終えて18時29分に打刻した。
会社もその記録を持っているにもかかわらず、「30分未満だから18時にしておこう」
と会社側で機械的に29分削る。そもそも、なぜでしょうか。
もちろん18時29分に打刻したからといって、18時29分まで必ず働いていたとは限りません。
ここはきちんと区別する必要があります。
例えば18時に仕事が終わったあと、社員同士でずっと談笑していた。喫煙所でタバコを吸っていた。
私用の電話をしていた。個人的な用事で会社に残っていた。
このような具体的な事実が確認できるのであれば、その時間が労働時間なのかを実態に基づいて判断すればいいのです。
つまり、18時29分打刻。しかし実際には18時05分に仕事を終え、それ以降は社員同士で談笑していた。
それなら、「何時まで働いていたのか」を事実に基づいて確認する。
それは分かります。ところが、何をしていたのか一切確認していない。
18時20分まで顧客対応していた社員も、18時25分まで上司と打ち合わせしていた社員も、18時29分まで片付けし
ていた社員も、全部、「30分未満だから18時」これは実態確認ではありません。
単に給与計算しやすいように時間を削っているだけではないでしょうか。
30分丸めなら、毎日最大29分が消えます「でも数分、数十分の話でしょう」と思われるかもしれません。
では計算してみます。
仮に毎日29分。月20日勤務なら、29分×20日=580分。つまり、1か月で9時間40分です。
年間なら、116時間。一人でこれです。
仮に時間単価1,500円で、この116時間がすべて法定時間外労働に当たり25%の割増賃金が必要だったと仮定すると、
1年間で約21万7,500円。10人なら、年間約217万5,000円。
現在、賃金請求権は法律上5年とされつつ、当分の間は3年とされています。時間外・休日労働等の割増賃金もその
対象です。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン
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単純に同じ状態が3年間続いたと仮定すれば、10人で、約652万5,000円。
もちろん実際の未払い額は、社員ごとの打刻、実労働時間、時間単価、法定労働時間、割増率などによって変わります。
しかし、「30分未満くらい大したことない」と簡単に言える数字でしょうか。
しかも怖いのは、今いる社員ではなく退職した社員から指摘されることです
在職中は何も言わない。会社と揉めたくない。昔からそうだから仕方ない。
みんな同じだから。そう思って働いている社員もいます。しかし退職した後は状況が変わります。
「そういえば、うちの会社は30分未満の残業を全部切っていましたよね」「過去の給与を確認してください」
「毎日18時20分、18時25分まで働いていました」と言われる。
そこから、3年前の勤怠データを探す。給与台帳を出す。社員ごとの時間単価を調べる。実際の残業時間を再集計する。
給与を再計算する。会社側で説明資料を作る。
こうなれば、未払い賃金そのものだけではありません。社長、総務担当者、給与担当者の時間まで持っていかれます。
さらに問題なのは、一人だけ30分丸めをしていたわけではないことです。同じ勤怠設定を全社員へ適用していたのであれば、当然、「では、他の社員も同じではありませんか?」という話になります。
退職者一人の指摘をきっかけに、現職社員を含む会社全体の勤怠・給与計算を確認することになる可能性があります。
「うちは勤怠システムが自動計算しているから大丈夫」ではありません
むしろ私は、ここを一番確認していただきたいと思います。システムは設定された通りに計算します。
例えば昔の担当者が、「退勤時刻は30分単位で切り下げ」と設定した。
その設定を誰も見直していない。社員が18時29分に打刻する。システムが自動的に18時00分へ変更する。
設定された通り、毎月正確に間違え続けることもあります。
だから給与計算では、「ソフトが計算した数字が合っているか」だけではなく、その数字がどうやって作られたのか
まで確認する必要があります。なお、「30分」という数字が全部ダメという話ではありません。
ここも誤解しないでください。
1か月間の時間外労働、休日労働、深夜労働について、それぞれ合計した時間数に1時間未満の端数が生じた場合、
30分未満を切り捨て、30分以上を1時間へ切り上げる、という処理は、事務簡便を目的とするものとして認められ
ています。
これは、毎日29分をゼロにするという話とは全く違います。
月曜日29分→ゼロ。火曜日25分→ゼロ。水曜日18分→ゼロ。木曜日27分→ゼロ。金曜日22分→ゼロ。
こうやって日々の労働時間を消していく話ではありません。
毎日の実際の労働時間を適正に把握したうえで、月単位で集計した最終的な端数処理として認められているものです。
社長。一度、御社の退勤打刻を見てみてください難しいことではありません。
今日の勤怠を開いて、18時17分。18時22分。18時28分。18時29分。という打刻がある社員を見てください。
そして給与計算上、その時間がどう処理されているか確認してください。
もし全部、18時00分。になっていたら、次に確認するのは、「18時以降、その社員は何をしていたのか」です。
本当に仕事をしていなかった。その事実が確認できる。それなら実態に応じて判断すればいい。
しかし、誰も確認していない。勤怠システムが勝手に30分単位で丸めている。給与担当者もその設定理由を知らない。
前任者から引き継いだだけという状態なら、今、一度確認した方がいいと思います。
そして30分丸めが見つかったら、私はそこだけでは終わらせません
なぜなら、勤怠設定が昔のままになっている会社では、他の給与計算設定も気になるからです。
残業単価は合っているか。昇給後に単価変更されているか。各種手当は割増賃金の基礎へ適切に反映されているか。
欠勤控除の計算方法は規程と一致しているか。社会保険料の変更時期は合っているか。
雇用契約書の給与条件と給与マスターは一致しているか。就業規則・賃金規程と実際の給与計算は一致しているか。
つまり、30分丸めは、会社の給与計算全体を確認する入口です。
一つ間違いが見つかった。
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そこで、「30分丸めだけ直しました」で終わらせるのではなく、他にも同じような“昔からの設定”が残っていないか、
一度まとめて確認する。私はその方が会社にとって安心だと考えています。
退職者から「過去3年分計算してください」と言われてからではなく、会社側から先に見つけませんか
秋山社会保険労務士事務所では、勤怠データだけ、賃金台帳だけ、就業規則だけを見るのではありません。
実際の打刻データ、賃貸台帳、雇用契約書、賃金規程、給与計算方法などを横断的に確認し「実際に働いた時間が、
正しく給与へ反映されているか」というところまで確認します。
給与計算を自社で続けていただいても構いません。現在の給与計算が正しいか、一度だけセカンドオピニオンとして
確認することも可能です。30分丸めが気になる。残業単価が合っているか不安。
このような会社様は、一度ご相談ください。18時29分まで働いた社員を、18時00分までしか働いていないことに
していませんか?その29分。一人なら小さく見えるかもしれません。
しかし、毎日、毎月、毎年、そして全社員と積み上げたとき、金額は大きくなります。
退職者から指摘されて、過去3年分の勤怠をひっくり返す前に。労働基準監督署から確認される前に。
御社の勤怠と給与計算、一度まとめて点検してみませんか。
兵庫・大阪を中心に、オンラインで全国対応しております。
勤怠管理、給与計算セカンドオピニオン、労務監査、就業規則・賃金規程の見直し等については、秋山社会保険労務士事務所までご相談ください。
対応地域:全国対応
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