【労務】「明日から20日間、年次有給休暇を取ります」前日に申請されたら会社はどうする?
2026年10月10日 08:11
「明日から20日間連続で、年次有給休暇を取ります」従業員から前日にこう言われたら、御社では
どう対応しますか?
20日も休まれたら仕事にならない、前日に言われても困る、そんな取り方は認められない!
経営者として、そう言いたくなる気持ちは分かります。
しかし、ここで感情だけで処理してしまうのは危険です。
年次有給休暇は、原則として労働者が取得する時季を指定する制度です。
一方で、その取得によって事業の正常な運営を妨げる場合には、会社には時季変更権があります。
つまり、「20日申請されたら全部認めなければならない」でもなければ、「前日申請だから全部拒否できる」
でもありません。必要なのは、その会社の状況に応じた判断です。
まず、その従業員に20日の年休は残っていますか?
ここで一つ質問です。その従業員に、本当に20日分の年次有給休暇が残っているのか、すぐ確認できますか。
入社日はいつか。今年の付与日はいつか。何日付与したのか。前年から何日繰り越しているのか。
今年すでに何日取得したのか。半日年休や時間単位年休を取得していないか。
たぶん20日くらい残っていると思う・・・では、年休管理ができているとは言いにくいでしょう。
会社には、年次有給休暇管理簿を作成し、必要事項を管理する義務があります。
しかし実際には、管理簿を作ったまま更新していない。勤怠システムと管理簿の残日数が違う。
付与日が従業員ごとにバラバラで管理できていない。退職予定者の残日数を把握できていない。
こうしたケースがあります。20日間の年休申請は、御社の年休管理そのものが機能しているか確認するきっかけ
でもあります。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
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年5日の取得義務まで管理できていますか?
年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、会社には年5日を取得させる義務があります。
では御社では、誰が何日取得済みで、誰があと何日取得しなければならないかすぐ確認できますか。
年末や年度末になって、「この人、まだ2日しか取っていない」「こちらの人も3日しか取っていない」
と慌てて取得させていないでしょうか。年休管理は、「休みたいと言われたときに残日数を見る」だけでは
ありません。
付与・取得・残日数・繰越。年5日の取得義務。
これらを継続的に管理して初めて、会社として年休を管理できていると言えます。
20日休まれたら業務が止まる会社になっていませんか?
そして、私はもう一つ確認します。
社長が、その人に20日も休まれたら仕事が回らない。と言うのであれば、
なぜその人が20日いないだけで仕事が回らないのでしょうか。
その人しか給与計算ができない。その人しか取引先とのやり取りを知らない。
その人しか機械を操作できない。その人しか重要な資料の保存場所を知らない。
その人しか業務の進め方を理解していない。これでは、今回の問題は年休だけではありません。
業務の属人化という経営上のリスクが隠れています。
今回は事前に年休申請がありました。しかし、病気、ケガ、介護、突然の退職なら、明日から出勤できなくなる
こともあります。そのときも、「その人がいないから仕事が止まる」では困ります。
年次有給休暇の申請一つからでも、会社の人員配置や業務分担の弱点が見えることがあります。
就業規則には何と書いてありますか?
次に確認したいのが就業規則です。年次有給休暇について、「○日前までに申請すること」
と定めている会社は多いでしょう。しかし、就業規則では3日前、実際には前日でも認めている。
部署によって申請方法が違う、上司によって認めたり認めなかったりする。
口頭申請でも処理している。このように、就業規則と実際の運用がズレている会社もあります。
こうした状態でトラブルが起きたとき、「就業規則にはこう書いてあります」
と言っても、実際の運用と違えば話は簡単ではありません。就業規則は、作っただけでは意味がありません。
実際の会社運営と一致していることが重要です。
「忙しいから無理」で時季変更できるとは限りません
では、「20日休まれたら忙しくなるから時季変更する」でよいのでしょうか。これも慎重な判断が必要です。
確認すべきなのは、その従業員がどの業務を担当しているのか。20日不在になることで具体的に何が止まるのか。
他の従業員で代替できるのか。応援要員を確保できないのか。同じ時期に他の年休申請が出ていないか。
繁忙期なのか。一部の日程だけ変更すれば対応できないか。こうした事情です。
「会社が困るから」だけで判断するのではなく、実際の業務状況を確認して判断する必要があります。
そして、この判断を誤れば、年休の問題だけでは終わらない可能性があります。
欠勤扱いにした。賃金を控除した。始末書を書かせた。人事評価を下げた。懲戒処分をした。
最初の判断を誤ると、その後の処理まで連鎖して問題になることがあります。
たった一つの年次有給休暇の申請で、会社の労務管理が見えてきます
「明日から20日間休みます」
一見すると、単なる年次有給休暇相談です。
しかし実際には、残日数を把握できているか。年次有給休暇管理簿を整備できているか。
年5日の取得義務を管理できているか。就業規則と実際の運用が一致しているか。
申請ルールが統一されているか。勤怠管理は適正か。
年次有給休暇中の給与計算と年次有給休暇処理が一致しているか。
業務が特定の社員に属人化していないか。人員配置に無理がないか。様々な問題につながっています。
だから、「年次有給休暇の質問に答えて終わり」ではもったいないのです。
一つ問題が出たときこそ、他にも似たような問題がないか確認するタイミングです。
社長、一度この3つを確認してください
御社の担当者に聞いてみてください。「社員全員の有給残日数、すぐ分かる?」
「年5日の取得義務、全員管理できてる?」そして、「明日から20日休みたいと言われたら、会社としてどう
対応する?」この3つに、迷わず答えられるでしょうか。
もし答えが曖昧なら、問題は20日間の年次有給休暇だけではないかもしれません。
会社の労務管理全体を、一度確認した方がよいサインです。
問題が起きてから、一つずつ直しますか?
年次有給休暇で問題が起きたから、年次有給休暇だけ直す。残業で問題が起きたから、残業だけ直す。
給与計算でミスが出たから、給与だけ直す。それを繰り返していると、別の場所からまた問題が出てきます。
だからこそ私は、一つ問題が見つかったときに、その周辺まで確認することが重要
だと考えています。
秋山社会保険労務士事務所では、年次有給休暇管理簿の作成。就業規則・各種規程の作成、改訂。
勤怠管理の確認。給与計算の確認。年休や労働時間の運用確認。そして、会社の労務管理全体を確認する労務監査。
会社の状況に応じて、必要な部分から確認しています。「うちは今のやり方で大丈夫なのか」
それを確認するために社労士を使ってください。トラブルが起きてから、
「先生、どうしたらいいですか」と相談することもできます。しかし、経営者として本当に楽なのは、
トラブルになる前に、危ない部分を見つけて直しておくことではないでしょうか。
「明日から20日間、有給休暇を取ります」この一言で慌てる会社ではなく、
何を確認して、どう判断するか決まっている会社にしておく。
年次有給休暇管理簿、就業規則、勤怠管理、給与計算、労務管理。
どこから確認したらよいか分からない場合は、秋山社会保険労務士事務所までご相談ください。
一つの問題だけを見るのではなく、御社の労務管理全体を見て、今どこにリスクがあるのかを確認します。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
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