【労務】社長!企業防衛しましょう!未払い賃金、全国で2万2,605件。「うちは残業代を払っている」だけでは安心できません。
2026年09月08日 08:27
うちは残業代、給料をきちんと払っています。
経営者や給与担当者から、お話を聞くことがあります。
しかし、本当に確認しなければならないのは、残業代という名目のお金を支払っているかではなく、
正しい労働時間を把握し、正しい単価・割増率で計算した残業代を支払っているかです。
厚生労働省が公表した「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年)」によると、令和7年に
全国の労働基準監督署で取り扱った賃金不払事案は22,605件、対象労働者は173,016人、不払賃金額は128億
5,782万円に上ります。「未払い賃金なんて、一部の悪質な会社の話でしょう」そうとも限りません。
会社はきちんと給与計算をしているつもりでも、勤怠管理や割増賃金単価、固定残業代などの設定を間違えていたため、結果として未払い賃金が発生しているケースがあります。
残業代を払っていても、未払いになることがあります
例えば、次のようなケースです。15分単位、30分単位で労働時間を切り捨てている。
厚生労働省が公表した是正事例には、ICカードで勤怠管理をしていたものの、始業直前・終業直後の時間を一律に切り捨てていたケースがあります。
その時間帯に実際に業務をしていたことが確認されれば、単に勤怠システム上で切り捨てていたという理由だけで、労働時間ではなくなるわけではありません。
問題なのは、「勤怠システムを導入しているか」ではなく、「実際の労働時間を正しく把握しているか」です。
固定残業代を払っているから安心、でもありません
例えば「20時間分の固定残業代」を支払っていたとしても、実際の時間外労働が20時間を超えれば、その超過分に
ついて追加の割増賃金が必要になります。
深夜労働や休日労働が発生すれば、それぞれの割増についても確認が必要です。
固定残業代は、「これだけ払えば、あとは何時間働かせてもよい制度」ではありません。
固定残業代の金額と対象時間数が適切か。通常の賃金部分と明確に区分されているか。
実際の時間外労働時間を毎月確認しているか。超過分を支払っているか。
ここまで確認して初めて、適切に運用しているといえます。
残業時間が合っていても「単価」が間違っていることがあります
労働時間を1分単位で正確に集計していても、残業単価そのものが間違っていれば未払い賃金は発生します。
例えば、基本給以外の手当を割増賃金の算定基礎から誤って除外している。
月平均所定労働時間の設定が実態と合っていない。昇給したのに給与計算ソフトの残業単価を変更していない。
賃金規程を変更したのに給与計算側へ反映されていない。こうしたケースです。
特に、「うちの会社は昔から160時間で割っています」という会社は、一度根拠を確認した方がよいでしょう。
年間休日、1日の所定労働時間、就業規則などから計算した月平均所定労働時間と合っていなければ、割増賃金単価
そのものに影響します。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン
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始業前、終業後の作業も要注意です
例えば始業時刻が9時でも、8時45分から朝礼をしている。
パソコンを立ち上げている。機械の点検をしている。開店準備をしている。制服へ着替えている。
終業時刻後に清掃や引継ぎをしている。こうした時間が使用者の指揮命令下にあると判断されれば、労働時間に該当
する可能性があります。つまり、営業時間=労働時間ではありません。
未払い賃金は「不足分を払えば終わり」とは限りません
ここは経営者の方に特に知っておいていただきたいところです。
未払いの割増賃金について裁判になった場合、労働基準法第114条により、裁判所は労働者の請求に基づき、未払金とは別に、その未払金と同額までの「付加金」の支払いを命じることができます。
つまり、例えば未払いの割増賃金が100万円あった場合、未払い割増賃金100万円+付加金最大100万円となる可能性があります。
「100万円足りなかったから100万円払えば済む」とは限らないということです。
付加金は自動的に発生するものではなく、労働者から請求があり、裁判所が支払いを命じた場合に問題となりますが、
労働基準法上、割増賃金の未払いなどに対する一種の制裁として設けられている制度です。
なお、現在、付加金の請求期間は本則では5年とされていますが、経過措置により当分の間は3年とされています。
本当に怖いのは「お金」だけではありません
未払い賃金の問題が発生すると、会社が失うものはお金だけではありません。
従業員から請求が来れば、経営者や担当者は、過去のタイムカードを探す・賃金台帳を確認する・就業規則や
雇用契約書を確認する・給与計算データを再計算する・労働基準監督署へ説明する。
弁護士や社労士と打合せをする・従業員との交渉に対応する。
場合によっては労働審判や裁判にも対応する。こうした作業に時間を取られることになります。
従業員が数人ならまだしも、同じ給与計算方法を10人、50人、100人に適用していた場合、一人の指摘から
全従業員分の確認が必要になることもあります。
経営者が本来使うべき時間は、営業すること。採用すること。取引先と打合せをすること。
会社の将来を考えることです。
ところが給与計算の設定ミスを数年間放置していたために、何日も何週間も過去資料をひっくり返し、労基署対応や
紛争対応に追われる。これは会社にとって、金銭以上に大きな損失になる場合があります。
一人の請求から全社員へ広がることがあります
さらに怖いのがここです。ある一人の従業員から、
「残業代の計算がおかしいのではないですか」と言われて確認したところ、その人だけの問題ではなく、会社全体の
給与計算ルールそのものが間違っていたということがあります。例えば毎月一人あたり3,000円の不足でも、従業員
50人なら月15万円。年間180万円。それが複数年続けば、決して小さな金額ではありません。
しかも問題になれば、過去分の再計算、従業員への説明、追加支給、場合によっては労基署対応や裁判対応まで発生
します。だからこそ、給与計算は、「今まで何も言われていないから大丈夫」ではなく、「今の計算方法が本当に正し
いか」を確認しておくことが重要です。
問題になる前に、給与計算を一度確認しませんか
秋山社会保険労務士事務所では、毎月の給与計算業務の受託だけでなく、現在行われている給与計算について第三者の
立場から確認する給与計算セカンドオピニオンにも対応しています。
例えば、労働時間の集計方法・残業単価・固定残業代・月平均所定労働時間・最低賃金・就業規則・賃金規程との整合性・社会保険料の控除などを確認します。
未払い賃金問題は給与計算がすべてつながっています。
給与明細だけ見ていても分からない問題があります。問題が起こってから対応すると、追加支給だけでなく、付加金の
リスク、過去資料の確認、労基署対応、従業員との交渉、労働審判・裁判対応など、経営者の時間まで奪っていきます。
だからこそ、「問題が起きたら対応する」のではなく、「問題が起きる前に確認する」。
給与計算のチェックは、単なる事務作業ではありません。
企業防衛の一つです。
秋山社会保険労務士事務所
給与計算・給与計算セカンドオピニオン・就業規則・労務健康診断に対応しています。
※参考:厚生労働省「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和7年)」、労働基準法第114条ほか。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
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