【労務】労働条件通知書の明示義務違反が増加。昔のひな形をそのまま使っていませんか?
2026年09月13日 07:24
令和8年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが改正されます。
今回の改正で会社がまず対応しなければならないのが、雇入れ時の労働条件の明示です。
厚生労働省はすでに令和8年10月1日以降に対応したモデル労働条件通知書を公表しており、現在のモデル様式についても「令和8年9月30日までは使用することができます」と案内しています。
つまり、「労働条件通知書は昔から作っているから大丈夫」ではありません。
パートタイマーや有期契約社員を雇用している会社は、10月1日までに現在使用している労働条件通知書・雇用契約書を
確認する必要があります。
令和8年10月1日から何を追加するのか
パートタイム・有期雇用労働法に基づき、現在も雇入れ時には、
昇給の有無
賞与の有無
退職手当の有無
相談窓口
などの明示が求められています。
令和8年10月1日からは、これらに加えて、
「通常の労働者との待遇の相違の内容・理由等について、事業主に説明を求めることができる旨」を明示する
必要があります。厚生労働省の新しいモデル労働条件通知書にも、この項目が追加されています。
なお、この明示義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となり得ます。
「一文追加すれば終わり」ではありません
ここが今回の改正で一番確認していただきたいところです。
労働条件通知書に、「正社員との待遇差について説明を求めることができます」と一文書けば、それで会社の対応が
終わるわけではありません。
従業員から実際に、「なぜ正社員には賞与があるのに、私はないのですか?」
「なぜ正社員にはこの手当があるのですか?」
「同じ仕事をしているように見えるのに、なぜ基本給が違うのですか?」と聞かれた場合、会社として説明できる状態になっているかが重要です。
令和8年10月1日からは、同一労働同一賃金ガイドラインも改正されます。賞与や退職手当などについても、待遇の性質・目的や、正社員とパート・有期雇用労働者との職務内容等の違いを踏まえた考え方がより明確になります。
つまり今回の改正は、「雇用契約書の書式だけ直してください」という話ではありません。
会社の賃金・手当・賞与・退職金その他の待遇そのものを確認する機会でもあります。
労働条件の明示違反は実際に多く発生しています
「書類の話だから、そこまで重要ではない」と思われるかもしれません。
しかし、労働基準監督署の監督でも、労働条件の明示は実際に多く指摘されています。
全国の労働基準監督署が令和6年に実施した定期監督等は142,477件。
そのうち、労働条件の明示について法違反が認められた事業場は**14,250件、約10%**でした。
さらに、令和5年の11,814件・8.5%から、令和6年には14,250件・10.0%へ増加しています。
単なる「書類上の細かいミス」と考えない方がよいでしょう。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
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令和6年4月改正にも対応できていますか?
ここでさらに注意していただきたいことがあります。
労働条件の明示については、令和6年4月にも改正がありました。
例えば、就業場所・業務の変更の範囲、有期契約の場合には、更新上限の有無と内容
無期転換申込権が発生する契約更新時には、無期転換申込機会、無期転換後の労働条件
などが明示事項として追加されています。
つまり、「令和8年10月改正だけ直せばいい」とも限りません。
今使っている労働条件通知書が令和6年4月改正にも対応していなければ、今回まとめて見直した方が効率的です。
何年も同じWord・Excelを使っていませんか?
昔、社労士に作ってもらったものをそのまま使っています。前任者から引き継いだWordです。
ネットで拾ったひな形に会社名だけ入れています。ということがあります。
しかし、法律は変わります。さらに会社側も、事業所が増えた。転勤が発生するようになった。
職種が増えた。固定残業代を導入した。パートタイマーが増えた。
契約社員を採用するようになった。と、数年前とは状況が変わっているかもしれません。
書式が古いだけでなく、会社の現在の働き方と契約内容が合っていないケースもあります。
特に確認していただきたい会社
今回の改正前に特に確認していただきたいのは、パートタイマーや契約社員を多数雇用している会社です。
例えば、介護・障害福祉事業所・医療機関・保育施設・飲食店・小売業。
複数店舗を運営する会社・シフト勤務の会社。
こうした会社では、採用や契約更新のたびに労働条件通知書を使用します。
10月1日になってから一人ずつ慌てて直すより、9月中にひな形そのものを確認しておく方がよいでしょう。
10月改正を機に「待遇差」まで確認してください
当事務所では、単に新しい文言を労働条件通知書へ追加するだけではなく、労働条件通知書・雇用契約書の
法改正対応、就業規則・賃金規程との整合性確認、正社員とパート・有期契約社員の待遇差の確認
賞与・各種手当・退職金等の取扱い確認、実際の勤務条件と契約書の内容が一致しているかの確認まで含めて
対応しています。
せっかく法改正対応をするのであれば、「新しい様式に差し替えて終わり」
ではなく、会社の労務管理そのものを一度点検する機会にしてはいかがでしょうか。
10月1日はもうすぐです
令和8年10月1日の施行まで、残された期間はわずかです。
パートタイマー・有期契約社員を雇用している会社は、現在使用している労働条件通知書を一度出して確認して
みてください。その書式、10月1日以降もそのまま使えますか?
労働条件の明示違反が増えている中、さらに新しい明示事項が追加されます。
監督署から指摘されてから直すのではなく、法改正前に直す。
秋山社会保険労務士事務所では、令和8年10月1日改正に対応した労働条件通知書・雇用契約書の見直しを承っています。
あわせて、就業規則・賃金規程や正社員とパート・有期契約社員との待遇差についても確認できます。
「昔から同じひな形を使っている」「10月改正に対応できているか分からない」という会社は、施行日前に一度ご相談
ください。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
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