【労務】また担当者が退職ですか?取引先にそう思われる前に、離職原因の見直しを
2026年09月20日 07:20
取引先の担当者から、「このたび退職することになりました」という挨拶を受けることがあります。
もちろん、退職すること自体は珍しいことではありません。
家庭の事情もあれば、転職や独立など、理由は人それぞれです。
しかし、「また担当者が変わるのか」「前の担当者もそんなに長くなかったような……」
「この会社、担当者がなかなか定着しないな」と感じるほど担当変更が続けば、取引先から見ても
気になるものです。担当者の退職は社内だけの問題ではありません。
離職が続けば、会社の外からも見えてきます。
では、なぜ担当者が続かないのでしょうか。
給与や休日だけではなく、日頃の仕事の任せ方にも原因がないか、一度確認してみてください。
クレーム対応を担当者一人に任せていませんか?
取引先との間でトラブルが発生した。担当者が事情を聞く。担当者が謝罪する。
社内に持ち帰って確認する。もう一度取引先へ説明する。
ここまでは、担当者として通常の仕事の範囲でしょう。
しかし、問題が大きくなっても担当者一人に任せていないでしょうか。取引先が納得しない。
何度説明しても同じ要求が続く。強い口調で責められる。担当者では判断できない条件を要求される。
それでも、「君の担当先なんだから最後まで対応して」となっていれば、担当者の負担はかなり大きくなります。
重大なトラブルになったときには、上司や管理職が前に出る。担当者では判断できない問題は会社として対応する。
そうした仕組みがあるでしょうか。
クレームには出てこない。でも値上げや新商品の話は担当者に求める
一方で、「来月から値上げするので説明してください」「今月はこの新商品をもっと提案してください」
「売上目標が足りないので、もう少し頑張ってください」という指示はしっかり出す。
会社として売上を上げるために営業活動を求めることは当然です。
しかし、売りたいときには担当者に前へ出てもらうのに、担当者が困っているときには会社が前へ出ない。
この状態になっていないでしょうか。担当者からすれば、値上げ交渉も自分。新商品の売り込みも自分。
クレーム対応も自分。取引先から強く責められても自分。困って上司へ相談しても、
「もう少し自分で対応してみて」となれば、「何かあっても会社は助けてくれない」と感じるようになるかも
しれません。こうしたことの積み重ねが、退職につながることも考えられます。
その対応、担当者個人の問題にしていませんか?
クレーム対応について、「営業なんだからクレーム対応くらいできないと」「お客様対応も仕事のうち」
と考えること自体が間違っているわけではありません。
顧客や取引先からの正当な苦情には、当然きちんと対応する必要があります。
しかし、すべてを担当者個人の対応能力に任せてよいわけでもありません。
例えば、どの段階で上司へ報告するのか、担当者では判断できない要求を受けた場合は誰が対応するのか
長時間にわたって対応を求められた場合はどうするのか、暴言や威圧的な言動があった場合はどうするのか
担当者一人では対応させないケースは何か、こうしたルールを会社として決めておく必要があります。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
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取引先からの言動でもカスタマーハラスメントになる場合があります
カスタマーハラスメントというと、店舗のお客様から従業員への暴言などをイメージされるかもしれません。
しかし、対象は一般消費者だけではありません。
厚生労働省の指針では、「顧客等」には取引の相手方も含まれます。取引先担当者などからの言動であっても、
業務の性質などに照らして社会通念上許容される範囲を超え、それによって労働者の就業環境が害されれば、
カスタマーハラスメントに該当する可能性があります。
もちろん、「商品に不具合があったので説明してほしい」「納期が遅れて困っている」
といった正当な苦情までカスタマーハラスメントになるわけではありません。
大切なのは、正当なクレームには誠実に対応しながら、社会通念上許容される範囲を超えた言動については、
担当者一人に我慢させないことです。
2026年10月1日からカスハラ対策が義務化されます
2026年10月1日から、事業主にはカスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講じることが義務
付けられます。
厚生労働省の指針では、会社として労働者を保護する方針を明確にすることや、対応方法をあらかじめ定めること、
相談窓口を設けることなどが示されています。
さらに、現場で問題が起きた場合について、可能な限り労働者を一人で対応させないことや、必要に応じて管理監督
者が労働者に代わって対応することなども対応例として示されています。
つまり、「クレームは各担当者で対応してください」だけでは、これからのカスハラ対策として十分とはいえません。
カスハラ対策は、離職防止対策でもあります
カスタマーハラスメント対策というと、「法律が変わるから規程を作らなければならない」という話だけになりがちです。しかし、会社にとってもっと身近なメリットがあります。
それは、従業員が安心して働ける環境を作ることです。困ったときには上司へ相談できる。
自分では判断できない問題は上司が引き取ってくれる。暴言や過度な要求を受けても、一人で対応し続けなくてよい。
担当者にとって、「困ったときには会社が対応してくれる」という安心感は大きいものです。
反対に、「何があっても担当者が最後まで対応する」という会社では、真面目な従業員ほど問題を抱え込んでしまう
ことがあります。カスハラ対策は、単なるクレーム対策ではありません。
従業員の定着という面からも考える必要があります。
担当者が変わり続けると、取引先にも負担がかかります
担当者が辞めるたびに困るのは、会社だけではありません。
取引先も、「これは前の担当者に説明したんですが」「その条件は以前から決まっています」
「また最初から説明するんですか?」となります。
担当者との信頼関係も一から作り直しです。引継ぎが不十分であれば、取引上のミスにつながることもあります。
離職率の高さは、採用コストが増える。教育に時間がかかる。という社内の問題だけではありません。
取引先との信頼関係や会社の評価にも影響します。
「また担当者が退職ですか?」と思われる前に
担当者の退職が続いているのであれば、「最近は人がなかなか定着しない」だけで終わらせず、一度その原因を
確認してみてください。給与はどうか。休日は取れているか。仕事量は偏っていないか。
そして、困ったときに上司や会社がきちんと前に出ているか。
クレームやカスタマーハラスメントへの対応を、担当者一人に任せていないでしょうか。
2026年10月1日からのカスタマーハラスメント対策義務化を機に、相談窓口、対応ルール、上司への報告基準などを
見直すことは、離職防止という意味でも重要です。
秋山社会保険労務士事務所では、カスタマーハラスメント対策、就業規則・ハラスメント規程の見直し、相談体制の
整備などについてご相談を承っています。新しい人を採用することだけが人手不足対策ではありません。
今いる従業員が安心して働き続けられる職場になっているか。
まずは、そこから見直してみませんか。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
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