ブログ

【労務】ヒト・モノ・カネ。モノとカネは大事にするのに、なぜヒトだけ粗末に扱うのでしょうか

2026年08月30日 19:14

会社経営では、よく「ヒト・モノ・カネ」が大切だと言われます。

機械を買えば、壊れないように点検する。社用車なら、車検に出して、オイルやタイヤも交換する。

会社のお金については、売上や経費、預金残高、資金繰りを毎月確認する。

ところが、「ヒト」になると急に扱いが雑になる会社があります。

「多少残業が多くても仕方ない」「年次有給休暇を取られると仕事が回らない」

「上司が少しくらいきつくても、仕事なんだから我慢してもらわないと」

「辞めたらまた採用すればいい」本当にそれでいいのでしょうか。

モノとカネは壊れたり減ったりしないように管理するのに、なぜヒトだけ、辞めたり壊れたりするまで

放置するのでしょうか。私は、労務管理は単なる法律対応ではなく、経営そのものだと考えています。

3000万円の機械なら異音がした時点で点検するはずです

たとえば3000万円で購入した機械から、いつもと違う音がする。動きも少しおかしい。

それでも、「まだ動いているから大丈夫」と何年間も放置するでしょうか。

普通は点検すると思います。完全に故障して生産が止まれば、会社が困るからです。

ところが社員の場合、最近残業が増えている。有給休暇をほとんど取っていない。

職場で上司の小言や叱責が増えている。体調不良で休む人が増えている。同じ部署から退職者が続いている。

そんな兆候が出ていても、「本人から何も言ってこないから大丈夫」で済ませてしまう会社があります。

そして退職届を出されて初めて、「なんで辞めるんや?」となる。

機械なら異音がした時点で点検するのに、ヒトは退職届が出るまで点検しない。少し不思議だと思いませんか。

「ヒトを大切にする」は、給料を上げるだけではありません

社員を大切にするというと、「給料を上げればいいんですか?」という話になりがちです。

もちろん賃金は大切です。しかし、それだけではありません。長時間労働を減らす.年次有給休暇を取得しやすくする。

ハラスメントのない職場環境を作る・安全衛生を整える・適切に人を育てる。仕事を特定の人だけに抱え込ませない。

安心して働けるルールを整える。こうしたことも全部、「ヒト」という経営資源を大切にすることです。

長時間労働を放置して、人手不足を嘆いていませんか

「人が足りないから残業してもらうしかない」短期的にはそういう場面もあるでしょう。

しかし、その状態が何年も続けばどうでしょうか。毎日遅くまで残業。休日出勤も多い。家に帰ってからメール。

社員が疲れる。生産性が落ちる。ミスが増える。そして社員が辞める。人が減ったので、残った社員の残業がさらに

増える。また辞める。人手不足だから長時間労働なのか、長時間労働だからさらに人手不足になっているのか分から

ない状態になります。労働時間を短縮することは、単に法律を守るためだけではありません。

業務の無駄を見直す。仕事を標準化する。特定の社員への集中を防ぐ。クラウド勤怠などを使って実際の労働時間を

把握する。こうした取組みは、生産性向上にもつながります。

年次有給休暇を取られたら困る会社の方に問題はないでしょうか

「年次有給休暇を取られると困る」という話もあります。しかし、一人が一日休んだだけで会社の仕事が止まるので

あれば、有給休暇の問題というより、仕事の属人化の問題かもしれません。その人しか分からない。

その人しかできない。だから休ませられない。これでは、その社員が退職したときにはもっと困ります。

年次有給休暇の取得率を上げるためには、業務を共有する。複数の社員が対応できるようにする。

繁忙期を把握する。休暇を取得しやすい体制を作る。こうした会社側の工夫が必要です。

有給休暇の取得促進は、単なる福利厚生ではありません。会社の業務体制そのものを強くするきっかけにもなります。

ハラスメントを放置しておいて「社員が定着しない」はおかしい

上司が毎日のように小言を言う。人前で怒鳴る。昔のミスを何度も蒸し返す。「こんなこともできないのか」と

人格まで否定する。上司本人は、「教育しているだけ」と思っているかもしれません。しかし、部下が萎縮して

相談しなくなる。ミスを隠す。意見を言わなくなる。そして辞める。こうなれば、会社にとっても損失です。

ハラスメント対策は、従業員を甘やかすためのものではありません。普通に働いている社員が安心して仕事をできる

環境を守るためのものです。問題のある管理職を放置した結果、真面目に働いている社員から辞めていく。

そんな状態で「最近はいい人材が来ない」と嘆いても、順番が逆ではないでしょうか。

安全衛生も「ヒト」という経営資源を守る仕事です

工場なら機械への巻き込まれ。建設現場なら転落。介護現場なら腰痛。事務職でも、長時間労働やメンタル不調が

あります。事故が起きてから、「そんな危険な作業をしていたとは知らなかった」では遅いのです。

設備に危険はないか。保護具は適切か。安全教育は行われているか。健康診断は適切に実施されているか。

長時間労働になっている社員はいないか。職場の衛生状態に問題はないか。安全衛生管理も、単なる法律上の義務では

ありません。労災事故が起きれば、社員がケガをするだけではありません。業務が止まる。他の社員に負担がかかる。

取引先への納期に影響する。場合によっては会社の信用にも影響します。安全衛生も企業防衛です。

「ヒトを大切にする」と「社員を甘やかす」はまったく違います

ここは勘違いしてはいけません。

人を大切にするというのは、

社員の言うことを何でも聞くという意味ではありません。

遅刻を繰り返す。指示に従わない。仕事をしない。他の社員に迷惑をかける。そうした問題がある社員には、会社

として適切に指導する必要があります。場合によっては、就業規則に基づいた対応も必要でしょう。

問題社員を放置して、真面目に働いている社員に負担を押し付ける。それこそ、ヒトを粗末に扱っていることに

なります。休ませるべきときには休ませる。働くべきときには働いてもらう。問題があればきちんと指導する。

これが労務管理です。

定着率を上げることは、採用にもつながります

「求人を出しても応募がない」最近、本当によく聞く話です。そこで求人媒体を変える。求人広告にお金をかける。

給与を上げる。それも一つの方法です。しかし、その前に考えてほしいことがあります。今いる社員は定着してい

ますか。残業が多い。有給休暇を取れない。ハラスメントがある。人を育てない。安全面にも不安がある。

社員が次々辞めている。そんな会社が、求人票だけきれいに作っても限界があります。

今は求職者も会社を調べます。ホームページを見る。求人内容を見る。口コミを見る。知人に聞く。

「この会社に入って長く働けそうか」を考えます。だからこそ、社員が定着する会社を作ること自体が、採用対策に

なります。定着率が上がる。会社の評判が良くなる。応募者が増える。採用しやすくなる。

この流れを作る方が、求人広告を何度も出し続けるより強い会社になります。

いい人財が育つ環境には、いい人材が集う

私は、人材確保を考えるうえで、ここは非常に重要だと思っています。

会社が人を育てる。仕事を教える。失敗したときには適切に指導する。経験を積ませる。安心して休める。

頑張ったことをきちんと評価する。ハラスメントを放置しない。安全に働ける環境を作る。

そういう会社では、社員が成長しやすくなります。そして、「あの会社なら仕事を覚えられる」

「あの会社は社員を育ててくれる」「あそこは長く働ける」という評価が広がれば、今度は良い人材が集まりやすく

なります。

反対に、「どうせすぐ辞めるから教育しない」という会社では、教育しない。人が育たない。仕事ができる人に負担が

集中する。できる人から辞める。さらに人手不足になる。という悪循環になります。いい人財が育つ環境には、いい人材が集う。人手不足の時代だからこそ、ここを経営者には考えてほしいと思います。

労務管理は売上と無関係ではありません

「労働時間や有給休暇の話と、売上は関係ないだろう」と思われるかもしれません。本当にそうでしょうか。

社員が次々辞める会社。毎年担当者が変わる会社。新人ばかりの会社。社員が疲れ切っている会社。

職場の雰囲気が悪い会社。そういう会社で、仕事の品質を維持するのは簡単ではありません。

ミスが増える。納期が遅れる。接客が雑になる。取引先への説明が十分にできない。

ノウハウが会社に残らない。逆に、社員が定着すれば経験が蓄積されます。仕事の精度が上がる。

新人を育てられる人も増える。顧客対応も安定する。生産性も上がる。結果として、会社の社会的評価が上がり、

取引先からの信頼が高まり、売上向上につながる可能性があります。労務管理は、会社の裏方の話ではありません。

経営そのものです。

人を粗末にした損失は、決算書に「人を粗末にした損」とは出てきません

ここが、ヒトが軽く扱われやすい理由の一つかもしれません。機械が壊れたら修理代が出ます。

売掛金を回収できなければ損失が出ます。数字で分かります。しかし社員が一人辞めても、「人を粗末に扱った損失 100万円」という科目は決算書にはありません。

実際には、求人広告費。採用担当者の時間。面接時間。入社手続き。新人教育。仕事を覚えるまでの生産性低下。

残った社員への負担。さらにその社員まで辞める。こうした損失がバラバラに発生します。だから見えにくい。

しかし、会社から確実にお金と時間は失われています。

求人広告にお金をかける前に、穴の開いたバケツを塞ぎませんか

人が辞める。求人を出す。採用する。また辞める。また求人を出す。これを繰り返している会社があります。

私はよく、穴の開いたバケツに水を入れ続けているようなものではないかと思います。

水を増やす前に、穴を塞ぐ。採用を増やす前に、なぜ辞めているのかを見る。

長時間労働なのか。有給休暇なのか。ハラスメントなのか。給与なのか。評価なのか。管理職なのか。

安全衛生なのか。労務管理そのものなのか。原因を一つずつ確認する。その方が、長い目で見れば会社は強くなります。

ヒトも経営資源なら、モノやカネと同じように点検しませんか

モノには点検があります。カネには決算や試算表があります。では、ヒトについてはどうでしょう。

労働時間は適切か。残業時間は減っているか。年次有給休暇は取得できているか。ハラスメントは起きていないか。

安全衛生管理はできているか。社員は定着しているか。人材育成はできているか。給与計算に間違いはないか。

雇用契約書と実態は一致しているか。就業規則は現在の会社に合っているか。

会社のヒトに関する状態も、定期的に点検する必要があります。


秋山社会保険労務士事務所では、勤怠管理、給与計算、年次有給休暇、雇用契約書、就業規則、ハラスメント、

安全衛生など、実際の労務管理を確認する「労務健康診断」を行っています。

目的は、単に法律違反を探すことではありません。

問題が起きる前に会社の弱点を見つけ、社員が定着し、人が育ち、採用にもつながる職場環境を作ること。

それは結果として、生産性や会社の社会的評価、売上の向上にもつながっていきます。

ヒト・モノ・カネ。モノを大切にする。カネを大切にする。それなら、ヒトも大切にする。

それは綺麗事ではありません。会社を守り、会社を強くするための経営戦略です。

「最近、社員が定着しない」「求人を出しても応募が少ない」「残業がなかなか減らない」

「有給休暇の取得率が低い」「管理職の指導方法が気になる」「安全衛生まで十分に手が回っていない」

「昔から同じ労務管理を続けている」一つでも心当たりがある社長は、社員が辞めてから、トラブルが起きてから、

採用に何十万円も使ってからではなく、今のうちに会社の労務管理を点検してみませんか。

秋山社会保険労務士事務所までご相談ください。




対応地域:全国対応

主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府

対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問

秋山社会保険労務士事務所

https://akiyamasr55.com

秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン

https://akiyamasr55.com/kyuuyokeisan

秋山社会保険労務士事務所の労務健康診断

https://akiyamasr55.com/roumukansa