ブログ

【労務】タイムカードは18時。でもカフェで仕事中?「持ち帰り残業」の怖さ

2026年09月01日 08:34

先日風邪をひいてしまい19時ごろ、調剤薬局の順番待ちで時間をつぶすため、近くのカフェに入りました。

すると、私の隣の席で会社員らしき人がノートパソコンを開いて、カチカチと作業をしていました。

もちろん、その人が会社の仕事をしていたのかは分かりません。

私用のパソコンだったかもしれませんし、資格の勉強をしていたのかもしれません。

ただ、社労士という仕事をしていると、こういう光景を見るとどうしても考えてしまいます。

「もし会社の仕事なら、この人の残業代はどうなっているんだろう?」

タイムカードを18時に打刻したから、18時で仕事終了とは限りません

たとえば終業時刻が18時の会社。18時にタイムカードを打刻して退社しました。

ところが仕事が終わっていない。会社では残業しにくいので、ノートパソコンを持ち帰り、カフェや

自宅で資料を作る。19時からメールを返す。20時まで翌日の資料を作る。

タイムカード上は18時退勤です。しかし実際には、その後も会社の仕事をしている。

この場合、「タイムカードが18時だから、18時以降は労働時間ではありません」と単純に考えることは

できません。労働時間に当たるかどうかは、打刻時刻だけではなく、実際に会社の指揮命令下で業務を

していたかどうかなどから判断されます。

「残業は禁止しています」で終わらせていませんか

「うちは残業禁止です」という会社もあります。残業を減らすこと自体は悪いことではありません。

問題は、残業を禁止しただけで、仕事量は何も変わっていない場合です。

18時までには到底終わらない。でも18時にはタイムカードを押さなければならない。

では、残った仕事はどうするのでしょうか。家に持ち帰る、カフェで続きをする、休日にメールを返す。

これでは残業がなくなったのではなく、会社から見えない場所へ移動しただけかもしれません。

怖いのは「会社が実際の労働時間を知らない」こと

給与計算上は、18時退勤。残業なし。毎月きれいに給与計算されている。

ところが後になって社員から、「毎日、自宅で1時間から2時間仕事をしていました」と言われる。

会社としては、「そんな残業は指示していない」と言いたくなるでしょう。

しかし、現在は仕事をした形跡が残りやすくなっています。メールの送信時刻、社内チャット、ファイルの

更新履歴、クラウドサービスへのアクセス記録、パソコンのログなどです。タイムカードでは18時退勤なのに、

毎晩20時、21時に業務上のやり取りが残っている。

そうなれば、「本当に18時で仕事は終わっていましたか?」という話になってきます。

給与計算が正しくても、勤怠そのものが間違っていれば意味がありません

これは給与計算でも重要です。残業時間を1分単位で計算している。割増率も正しい。

社会保険料も正しい。給与計算そのものには間違いがない。

それでも、元になる勤怠記録が実際の労働時間と違っていたら、正しい給与にはなりません。

タイムカードには18時退勤。その後、自宅で2時間仕事。ならば、18時までの勤怠をどれだけ正確に給与計算

しても、実態とのズレは残ります。

給与計算を見る前に、「そもそも会社は労働時間を正しく把握できているのか」を確認する必要があります。

今はスマホやパソコンから打刻できる勤怠管理サービスがあります

ここで、「外出先で仕事をする社員まで、どうやって勤怠を管理したらいいの?」と思う社長もいるかも

しれません。今は、昔ながらの会社に置いてあるタイムカードだけではありません。

スマートフォンやパソコンから出勤・退勤を打刻できるクラウド型の勤怠管理サービスがあります。

営業先から直帰する社員。テレワークをする社員。出張中の社員。会社を出た後にやむを得ず業務を行った社員。

こうした働き方でも、会社に戻ってタイムカードを押さなくても、実際の勤務場所から打刻できる仕組みを作る

ことができます。サービスによっては、打刻場所の確認、残業申請、勤務実績の集計などができるものもあります。

つまり、「会社の外で働くから労働時間を把握できません」では済みにくい時代になっています。

ただし、クラウド勤怠を入れれば全部解決するわけではありません

ここも大事です。高価な勤怠システムを導入しても、18時にスマホで退勤打刻。

そのあと21時まで自宅で仕事。これでは意味がありません。

システムより先に、時間外労働をするときの申請方法・持ち帰り仕事を認めるのか・退勤打刻後の業務を

禁止するのか・上司が時間外に仕事を依頼するときのルール・テレワーク時の始業・終業の管理・実際の仕事量が

所定労働時間内で処理できるのか・こうした会社の運用ルールそのものを決める必要があります。

勤怠システムは、労務管理を代わりにやってくれる魔法の道具ではありません。

会社のルールがおかしければ、デジタル化してもおかしいままです。

社員が会社のパソコンを持ち帰っているなら、一度確認してみてください

特に、「会社のノートパソコンを社員に持たせている」「営業社員が直行直帰する」

「テレワークがある」「退勤後にも普通にチャットやLINEが飛んでいる」

「タイムカード上はなぜか毎日ほぼ同じ時間に退勤している」という会社は、一度勤務実態を確認してみた方が

いいでしょう。社長が知らないところで仕事をしている可能性があります。

また、カフェなど社外で会社のパソコンを開いているのであれば、未払い残業代だけではありません。

画面を他人に見られる、資料を置き忘れる、フリーWi-Fiを利用するなど、情報管理の問題も出てきます。

未払い残業代を請求されてから勤怠を調べるのでは遅い

社員から未払い残業代を請求されてから、「タイムカードを見せてください」「メールの履歴は残っていますか」

「このパソコン、何時まで使っていたんですか」と調べ始める。これでは後手に回ります。

問題になる前に、タイムカードと実際の働き方が一致しているか。持ち帰り残業が発生していないか。

残業禁止という言葉だけで終わっていないか。今の勤怠管理方法が、現在の働き方に合っているか。

を確認しておく方がいいでしょう。

「紙のタイムカードを給与計算して終わり」になっていませんか

秋山社会保険労務士事務所では、給与計算だけを見るのではなく、その給与計算の元になっている勤怠管理に

問題がないかというところから確認しています。勤怠管理、残業時間、雇用契約書、就業規則、給与計算。

これらは別々の問題ではありません。

たとえば、「紙のタイムカードしか使っていない」「社員が会社のパソコンを持ち帰っている」

「残業は原則禁止だが、本当に仕事が終わっているかまでは確認していない」

「給与計算は勤怠表に書いてある数字をそのまま使っている」一つでも心当たりがあるなら、未払い残業代を

請求される前に、一度労務管理を点検してみませんか。


秋山社会保険労務士事務所では、労務健康診断による勤怠・賃金管理の点検、就業規則や雇用契約書の整備、

給与計算の受託まで対応しています。

クラウド勤怠を導入する場合も、単にシステムを入れるだけではなく、「残業をどう申請するのか」

「社外勤務をどう管理するのか」「打刻後の仕事をどう防ぐのか」など、先に会社のルールを整理することが

重要です。未払い残業代を請求されてから直すのか。請求される前に直すのか。

会社にとって安く済むのは、どちらでしょうか。「うちの勤怠管理、本当にこれで大丈夫かな」

そう思った社長は、問題が起きる前に秋山社会保険労務士事務所までご相談ください。


対応地域:全国対応

主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府

対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問

秋山社会保険労務士事務所

https://akiyamasr55.com

秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン

https://akiyamasr55.com/kyuuyokeisan

秋山社会保険労務士事務所の労務健康診断

https://akiyamasr55.com/roumukansa