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【労務】2026年10月改正 その待遇差、説明できますか? 同一労働同一賃金

2026年08月28日 08:27

2026年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります。

今回の改正を、「労働条件通知書に一文追加すれば終わり」と思っていませんか?

それだけではありません。

この機会に、経営者の皆様にぜひ確認していただきたいことがあります。

正社員とパート・有期社員との待遇差について、その理由を説明できますか?

たとえば、「正社員には家族手当を払っているのに、パートにはありません。なぜですか?」

「正社員には夏季休暇がありますが、契約社員にはありません。なぜですか?」

「正社員には賞与がありますが、有期社員にはありません。何が違うのですか?」

こう聞かれたとき、「正社員だからです」で終わっていないでしょうか。

2026年10月改正をきっかけに、一度会社の待遇全体を点検してみることをおすすめします。

10月から「待遇差について説明を求めることができる」ことも明示が必要に

2026年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れる際の明示事項に、

通常の労働者との待遇の相違の内容・理由などについて、説明を求めることができる旨が追加されます。

つまり、新しく入ってくるパート・有期社員にも、「正社員との待遇差について、会社に説明を求める

ことができます」と知らせることになります。

この明示義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となり得ます。

ただ、会社にとって本当に重要なのは、「説明を求められることを明示した後、実際に聞かれたら何と

答えるのか」ではないでしょうか。

「正社員だから」は待遇差の説明になりません

正社員とパート・有期社員との間に待遇差があるからといって、それだけで直ちに問題になるわけでは

ありません。

職務内容・責任の程度・配置転換や転勤などの範囲・能力、経験、成果、こうした違いに応じて待遇差が

生じることはあります。

しかし、その場合でも、「なぜこの手当について差を設けているのか」を説明できることが重要です。

厚生労働省も、待遇差の理由について、職務内容、職務・配置変更の範囲、その他の事情などのうち、

個々の待遇の性質・目的に照らして適切な事情に基づいて説明することを示しています。

だから、「正社員だから家族手当あり」「パートだから賞与なし」「契約社員だから夏季休暇なし」

という雇用区分だけではなく、その待遇は何のために設けているのか。

そこから考えなければなりません。

家族手当、住宅手当、夏季冬季休暇……説明できますか?

2026年10月から適用される改正同一労働同一賃金ガイドラインでは、これまでの裁判例などを踏まえて内容が

充実されます。

たとえば家族手当については、労働契約の更新を繰り返しているなど、相応に継続勤務が見込まれるパート・

有期社員には、通常の労働者と同一の家族手当を支給すべきとの考え方が示されています。

住宅手当についても、転居を伴う配置変更の有無など、その手当の目的に応じて判断する考え方が明確になります。

さらに夏季・冬季休暇、病気休職・休暇、無事故手当、賞与、退職手当などについても考え方が整理・充実されて

います。ここで重要なのは、「パートにも全部同じ待遇を与えなければならない」という単純な話ではありません。

大切なのは、なぜ差をつけているのかを、その待遇の目的から説明できるかということです。

「昔からこうだから」が一番危ない

会社の賃金規程を確認すると、正社員だけ住宅手当あり。正社員だけ家族手当あり。

正社員だけ賞与あり。正社員だけ特別休暇あり。ということがあります。

そこで理由を聞いてみると、「昔からそうなっています」「前任者が作った規程なので分かりません」

「正社員とパートは違うからです」という答えが返ってくることがあります。

しかし、2026年10月を迎えるにあたり、それで本当に大丈夫でしょうか。

社員から質問されてから、就業規則を開く。賃金規程を確認する。昔の資料を探す。

社長と総務担当者で、「この手当、何のために払ってるんやったっけ?」と相談する。

それでは遅い場合があります。

待遇差は、一項目ずつ棚卸ししてください

今のうちに、正社員・パート社員・有期契約社員の待遇を横に並べてみてください。

基本給はどう違うのか。賞与はどうか。退職金はどうか。家族手当はどうか。

住宅手当はどうか。皆勤・精勤手当はどうか。通勤手当はどうか。

慶弔休暇はどうか。夏季・冬季休暇はどうか。病気休暇はどうか。

福利厚生はどうか。そして差があるものについて、「なぜ違うのか?」を一つずつ確認します。

理由を説明できるのであれば、それを整理しておけばよいでしょう。

しかし、「理由が分からない」「雇用区分以外に説明できない」

という待遇が見つかったのであれば、今のうちに見直しを検討する必要があります。

労働条件通知書だけ直して安心していませんか?

今回の改正を受けて、「パート用の労働条件通知書を新しい様式に変更しました」

それだけで対応完了と思ってしまう会社もあるかもしれません。

しかし、その通知書を渡したパート社員から、「正社員との待遇差について説明してください」

と言われたらどうでしょうか。

説明するためには、就業規則・賃金規程・雇用契約書・給与体系・各種手当・休暇制度。

正社員と非正規社員それぞれの仕事内容や責任・配置転換の範囲。

こうしたものが整理されていなければなりません。

通知書の一文だけ直しても、会社の中身まで整うわけではありません。

10月になってからではなく、今のうちに確認しませんか?

法改正への対応は、施行日直前になって慌てて書類を直すことではありません。

むしろ今のうちに、「うちの会社の待遇差は、社員に説明できる状態なのか?」を点検する機会に

していただきたいと思います。

秋山社会保険労務士事務所では、会社の労務管理を確認する「労務健康診断」を行っています。

今回の2026年10月改正への対応についても、

  • 正社員・パート・有期社員の待遇差の確認

  • 各種手当の支給目的の確認

  • 賃金規程・就業規則の確認

  • 雇用契約書・労働条件通知書の確認

  • 実際の運用とのズレの確認

  • 説明を求められた際に理由を説明できる状態かの確認

などを通じて、「法改正の日を迎えてから問題に気付く」のではなく、「問題になる前に見つける」

ことが重要だと考えています。

「その待遇差、説明できますか?」

2026年10月1日はもうすぐです。

正社員にはある。パートにはない。有期社員にはない。その理由、本当に説明できますか?

「正社員だから」「昔からそうだから」「うちではそう決めているから」

で終わっている待遇が一つでもあるのであれば、一度確認しておいた方がよいでしょう。

社員から説明を求められてから慌てて理由を考えるのではなく、

今のうちに待遇差を棚卸しし、就業規則・賃金規程・雇用契約書・実際の運用まで確認する。

問題が見つかれば、問題になる前に直す。

これが労務管理の予防です。

秋山社会保険労務士事務所の「労務健康診断」では、現在の労務管理を第三者の視点から確認しています。

2026年10月改正を機に、「うちの会社は大丈夫だろうか?」と思われた経営者様は、施行直前まで待たず、

一度ご相談ください。

問題が起きてから社労士を探すのではなく、問題が起きる前に予防線を張る。

そのための労務健康診断です。



対応地域:全国対応

主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府

対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問

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