【労務】「辞められたら困る」で問題社員を放置していませんか?小さな問題の放置が重大トラブルにつながることもあります
2026年09月16日 06:43
人手不足だから、強く注意できない。辞められたら現場が回らない。
経営者の方から相談を受けることがあります。
人手不足の会社では、このような判断をすることがあります。
確かに、社員一人が辞めるだけでも現場には大きな影響があります。
しかし、「辞められたら困るから」という理由で問題行動を放置することには、大きな
リスクがあります。
その一つが、真面目な社員に負担が集中して退職につながること。
そしてもう一つが、最初は些細だった問題行動が、徐々に大きな問題へ発展する可能性があることです。
最初は「5分の遅刻」だったかもしれません
例えば、5分、10分程度の遅刻、報告漏れ、日報を提出しない、会社の備品を雑に扱う、指示された手順を
守らない、勤怠の申告を適当に行うといった行動。
一つ一つを見れば、「まあ今回はいいか」「忙しいから注意するほどでもない」と考えることもあるでしょう。
しかし、毎回会社が何も言わなければ、本人にはどのように伝わるでしょうか。
「このくらいなら問題にならない」と思われる可能性があります。さらに問題行動を繰り返しても何も
言われなければ、「この会社は自分に強く言えない」と受け取られることもあります。
「大目に見る」と「放置する」は違います
人を管理する以上、多少のミスまで一つ一つ厳しく処分する必要はありません。
誰にでもミスはあります。事情を聞き、注意や指導で改善すれば、それで終わることも多いでしょう。
問題なのは、会社が問題を認識しているのに、辞められることを恐れて何も言わない状態が続くことです。
遅刻しても何も言われない。報告しなくても何も言われない。
ルールを破っても何も言われない。会社のお金や備品の扱いが雑でも誰も確認しない。
こうした状態が続けば、会社のルールそのものが軽く見られるようになる危険があります。
小さなルール違反の先に、重大な不正が起きる可能性もあります
もちろん、遅刻をする社員が将来必ず横領する。という話ではありません。
そこを短絡的に結び付けることはできません。しかし、会社が小さなルール違反を何度も黙認し、
チェック機能まで弱くなっていけば、「少しくらいならバレない」「会社は確認していない」
「何をしても強く注意されない」という環境を生んでしまう可能性があります。
例えば、最初は備品の私的利用。次は経費の不適切な申請。売上金の管理が曖昧。
会社のお金を一時的に使う。そして場合によっては、横領や不正行為などの重大な問題へ発展する。
そうしたリスクまで考える必要があります。
重要なのは、「その社員が悪人かどうか」だけではありません。会社として、不正を起こしにくい
管理体制になっているかを見ることです。
「あの人を信用しているから」は内部統制ではありません
小さな会社では、「あの人は昔からいるから」「信用している社員だから」と、一人の社員へお金や重要な
業務の管理を任せきりにしているケースがあります。
しかし、人を信用することと、チェックをしないことは別です。
例えば、
現金管理と帳簿管理を同じ人だけに任せる
経費精算を誰も確認しない
勤怠修正を本人だけで行える
振込データを一人で作成・承認できる
在庫管理を特定社員だけが把握している
といった状態では、不正が起きても発見が遅れる可能性があります。
社員を疑うためにチェックするのではありません。社員を守り、会社を守るためにも、
「一人で何でもできる状態をつくらない」ことが大切です。
問題行動を放置すると、真面目な社員にも影響します
一方で、問題社員を放置した影響を最も強く受けるのは、周囲の真面目な社員かもしれません。
遅刻した社員の代わりに仕事をする。報告漏れをフォローする。
ルールを守らない社員の後始末をする。その社員が仕事をしない分、自分の仕事が増える。
それでも会社は何も言わない。これが続けば、「真面目に働いている自分が損をしている」
という不満が生まれます。そして最後には、問題行動をしている社員ではなく、会社を支えてきた
真面目な社員が辞めてしまうことがあります。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
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人手不足だから放置する。その結果、さらに人手不足になる
こうして、
人手不足
↓
辞められたら困るので問題行動を見逃す
↓
本人が会社のルールを軽く見る
↓
問題行動がエスカレートする
↓
真面目な社員に負担が集中する
↓
職場の公平感がなくなる
↓
真面目な社員が辞める
↓
さらに人手不足になる
という悪循環が生まれます。
これでは、人手不足を理由に行った対応が、結果として人手不足をさらに深刻にしてしまいます。
小さな問題ほど、最初の対応が大切です
遅刻が一度あった。報告漏れが一度あった。仕事上のルールを一度守らなかった。
それだけで懲戒処分をするという話ではありません。まず本人に事情を確認する。
会社として問題だと考えていることを伝える。今後どう改善してほしいのかを具体的に伝える。
必要に応じて記録を残す。そして改善状況を見る。この積み重ねが重要です。
「何も言わない」ことと「寛容な会社」であることは違います。
きちんと指導することも、社員を大切にすることの一つです。
いざ重大問題が起きてから「前から問題社員だった」は通用しにくい
実際に重大な問題が起きると、「この社員は前から問題が多かった」という話になることがあります。
しかし、いつ・どのような問題があり・会社としてどのような指導を行い・本人がどう対応したのか
という記録が何もない。これでは、その後の処分を検討する際にも困ります。
特に懲戒処分や解雇など重大な対応を検討する場合には、就業規則の内容やこれまでの指導経過、
行為の程度などを踏まえ、慎重に判断する必要があります。
だからこそ、重大問題が起きてから証拠を集めるのではなく、小さな問題の段階から適切に対応しておく
ことが大切なのです。
問題社員を放置しないことは、会社と真面目な社員を守ることです
人手不足だからこそ、社員一人一人を大切にする必要があります。
しかし、「辞められたら困るから何も言わない」ことが社員を大切にすることではありません。
問題行動があれば、事実を確認する。本人の事情を聞く。必要な指導を行う。改善の機会を与える。
記録を残す。重大な不正が起こりにくいよう、会社のチェック体制も整える。
こうした日々の労務管理が、真面目に働いている社員を守り、重大なトラブルを予防することにつながります。
秋山社会保険労務士事務所では、就業規則の整備や問題社員への対応、職場環境の見直しなど、問題が大きく
なる前の労務管理をサポートしています。
小さな問題を「これくらいなら」と放置していませんか?
問題が小さいうちだからこそ、できる対応があります。
人手不足だから問題社員を野放しにするのではなく、人手不足だからこそ、ルールを守って真面目に働く社員が
報われる職場をつくる。それが、会社を守るための労務管理ではないでしょうか。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
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