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【障害年金】障害年金も在職老齢年金のように、働いたら支給停止になりますか?

2026年08月25日 08:20

障害年金を受給しながら働いたら、在職老齢年金みたいに支給停止になるのでしょうか?

このような疑問を持つ方は少なくありません。老齢年金には、働きながら老齢厚生年金を受給する場合、

給与や賞与と年金額によって老齢厚生年金の一部または全部が支給停止される在職老齢年金という制度があります。

では、障害年金も同じなのでしょうか。

結論からいうと、障害年金には、在職老齢年金のように「給与が〇万円を超えたから年金を減らす」という仕組みは

原則としてありません。つまり、働いて給与を受け取っているという理由だけで、障害年金が自動的に減額・支給停止になるわけではありません。

ただし、だからといって、「障害年金には支給停止が一切ない」というわけでもありません。

ここを分けて考える必要があります。

働いている=障害年金停止、ではありません

例えば、「障害年金を受給しているのに正社員として働いて大丈夫ですか?」

「給与が月30万円になったら障害年金は止まりますか?」「賞与をもらったら年金事務所に分かって支給停止に

なりますか?」と心配される方がいます。

しかし、一般的な障害基礎年金・障害厚生年金には、在職老齢年金のような、給与+年金=一定額を超えたら支給停止

という計算制度はありません。

給与が増えたことだけを理由として、機械的に障害年金が停止される制度ではないということです。

ただし「働けるようになった状態」は審査に関係することがあります

ここは非常に重要です。「収入があるから停止」ではありませんが、「障害状態が軽くなった」と判断されれば

支給停止になることはあります。

障害年金は、一定以上の障害状態にあることを理由に支給される年金です。

そのため、障害状態確認届(診断書)などによる更新時の審査で、障害の程度が軽くなり、障害等級に該当しなく

なった場合には、減額改定や支給停止となることがあります。日本年金機構も、障害状態確認届の審査で障害の程度が

軽くなった場合には、減額改定または支給停止となることがあると案内しています。

つまり、「働いたから止まる」のではなく、「現在の障害状態が障害等級に該当するか」が問題になるということです。

特に精神障害では「働いているか」だけで判断されません

うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害など精神の障害による障害年金では、就労状況も審査上の一つの要素になります。

しかし、「会社で働いている=日常生活能力がある=障害年金は不支給」という単純な判断でもありません。

厚生労働省の「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」でも、労働に従事しているという事実だけで直ちに日常生活

能力が向上したものとは捉えず、

  • どのような仕事をしているのか

  • どの程度勤務しているのか

  • 職場でどのような援助や配慮を受けているのか

  • 欠勤・遅刻・早退はどの程度あるのか

  • 他の従業員との意思疎通はどうか

  • 安定して就労できているのか

など、実際の就労状況を確認したうえで総合的に判断することとされています。

例えば、週5日働いていても、障害者雇用で仕事内容や勤務時間について大きな配慮を受けている。

頻繁に欠勤・早退している。職場の上司や同僚から継続的な援助を受けなければ仕事を続けられない。

仕事をした日は帰宅後ほとんど何もできない。こうした事情があれば、単に「働いている」という事実だけでは判断できません。

例外として注意したい「20歳前傷病の障害基礎年金」

ここで大きな例外があります。20歳前に初診日がある傷病による障害基礎年金です。

20歳前傷病による障害基礎年金には、本人の所得による支給制限があります。

2026年度現在、前年の本人所得が、3,761,000円を超える場合は年金額の2分の1が支給停止

4,794,000円を超える場合は全額支給停止となります。

扶養親族がいる場合には、所得制限額に一定額が加算されます。

ここで注意したいのは、「給与収入」ではなく「所得」で判定するということです。

給与として年間376万円受け取ったら即半額停止、という意味ではありません。

所得額を確認する必要があります。

なぜ20歳前傷病だけ所得制限があるのでしょうか?

20歳前傷病による障害基礎年金は、原則として国民年金保険料を納める前の傷病を原因として支給されます。

そのため、保険料納付を要件としていないことから、所得による支給制限など特別な調整が設けられています。

日本年金機構も、20歳前傷病による障害基礎年金については、年金加入を要件としていないことを理由に複数

の支給制限・調整があると説明しています。

ですから、「障害年金は働いても収入制限がない」と一括りに覚えてしまうのも危険です。

20歳前傷病かどうかによって扱いが変わります。

20歳前傷病には所得以外の支給制限もあります

20歳前傷病による障害基礎年金については、所得制限だけではありません。

例えば、

  • 一定の恩給や労災保険の年金などを受給している場合の調整

  • 海外に居住している場合

  • 刑務所等の矯正施設に入所している場合

などにも支給制限があります。そのため、「働いているかどうか」だけで障害年金の支給停止を判断することは

できません。

更新の診断書を出さなければ、一時的に支払いが止まることもあります

有期認定となっている障害年金では、一定期間ごとに障害状態確認届(診断書)の提出を求められることがあります。

この診断書を期限までに提出しない場合には、障害状態を確認できないため、年金の支払いが一時的に止まることが

あります。「最近働き始めたから年金が止まった」と思っていたら、実は更新用診断書を提出していなかった、という

ことも考えられます。支給が止まった場合には、まずなぜ止まったのかを確認することが重要です。

「働いたら障害年金を返さないといけない」は原則として違います

障害年金を受給している方の中には、「働き始めたことを年金事務所に知られたら、今までもらった年金を返還させ

られるのでは?」と不安に思う方もいます。しかし、働き始めたという事実だけで、それまで適法に受給していた

障害年金を返還するという仕組みではありません。

ただし、障害状態が変化した場合や、届出が必要な事項が生じた場合には、必要な手続きを行う必要があります。

大切なのは、「働いていることを隠す」ことではなく、現在の病状・日常生活・就労状況を正確に伝えることです。

在職老齢年金と障害年金は全く同じ仕組みではありません

整理すると、在職老齢年金給与や賞与と老齢厚生年金額との関係で、一定額を超えると老齢厚生年金が支給停止され

る制度。

一方、障害年金

原則として、給与額が一定額を超えたからという理由だけで支給停止になる制度ではありません。

ただし、

  • 障害状態が軽くなり等級に該当しなくなった場合

  • 20歳前傷病の障害基礎年金で所得制限に該当した場合

  • 一定の他制度との調整がある場合

  • 必要な障害状態確認届を提出していない場合

などには、支給停止や一時的な支払停止が生じることがあります。

「働いているから障害年金は無理」と自己判断しないでください

障害年金について、「働いているから申請できない」「正社員だから障害年金はもらえない」

「給与があるから支給停止になる」と思い込んでいる方は少なくありません。

しかし、障害年金は勤務先の有無や給与額だけで決まる制度ではありません。

特に精神障害の場合には、就労していても、どのような配慮を受けているのか。

どの程度安定して働けているのか。仕事以外の日常生活はどうなのか。といった実態まで含めて判断されます。

「働いている=障害年金は受けられない」ではありません。一方で、「働いていても絶対に年金は止まらない」

でもありません。

自分の場合はどの障害年金なのか、どのような理由で支給停止になる可能性があるのかを正しく確認することが大切です。

秋山社会保険労務士事務所では、障害年金の新規請求だけでなく、更新、支給停止、再支給など障害年金に関する

ご相談を承っています。

「働きながら障害年金を申請できるのか?」「就職したら現在受給している障害年金はどうなるのか?」

「更新の診断書をどう考えればよいのか?」と不安を感じている方は、社会保険労務士へご相談ください。

※本記事は2026年8月現在の制度をもとに作成しています。


秋山社会保険労務士事務所
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