ブログ

【障害年金】公務員から民間企業へ転職しました。障害年金はどうなりますか?

2026年08月30日 07:53

以前は公務員として働いていましたが、その後、民間企業へ転職しました。

障害年金を検討している方の中には、このような職歴をお持ちの方もいらっしゃいます。

その場合、「公務員時代の年金加入期間はどうなるの?」「今は民間企業で働いているけれど、障害年金は

年金事務所に請求するの?」「公務員時代と会社員時代の加入期間は別々に計算されるの?」と疑問に思う

こともあるでしょう。

結論からいうと、

公務員から民間企業へ転職したからといって、公務員時代の加入期間がなくなるわけではありません。

そして障害厚生年金を考えるうえでは、

①初診日がいつだったのか
②その初診日に、どの実施機関の厚生年金に加入していたのか
③これまでどのような厚生年金の加入期間があるのか

を整理することが大切です。

現在は公務員も厚生年金に加入しています

「公務員は共済年金、会社員は厚生年金」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし、平成27年10月に被用者年金制度が一元化され、現在は公務員も厚生年金に加入しています。

そのため現在は、

  • 民間企業に勤務する人

  • 国家公務員

  • 地方公務員

  • 私立学校教職員

なども、厚生年金制度の中で取り扱われています。ただし、年金の事務を行う「実施機関」は同じではありません。

日本年金機構のほか、国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済など、それぞれの実施機関が

あります。

初診日は「どこが障害厚生年金を取り扱うか」を考えるうえで重要です

例えば、

地方公務員として勤務

民間企業へ転職

現在も会社員

という方がいるとします。この方が現在民間企業で働いていたとしても、障害年金について単純に

「今は会社員だから全部年金事務所」とは限りません。

障害年金では、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた

「初診日」が非常に重要です。

例えば、公務員として勤務していた時期にうつ病などで初めて医療機関を受診し、その後民間企業へ

転職したのであれば、初診日は公務員として勤務していた期間中ということになります。

被用者年金制度一元化後の障害厚生年金では、二つ以上の実施機関の厚生年金加入期間がある場合、

原則として初診日に加入していた実施機関が取りまとめて障害厚生年金を決定・支給します。

そのため、初診日が共済組合の加入期間中にある場合には、原則として該当する共済組合へ障害厚生年金を

請求することになります。

では、公務員時代と民間企業時代の年金は別々に計算されるのでしょうか?

ここが大切なところです。

例えば、

公務員として10年間勤務

民間企業へ転職して5年間勤務

という方がいたとします。初診日が公務員時代だったからといって、「公務員として働いていた10年間だけで

障害厚生年金を計算する」というわけではありません。

二つ以上の種別の厚生年金被保険者期間がある場合、障害厚生年金はそれぞれの加入期間について計算した額を

合算して年金額を算定する仕組みになっています。

つまり、初診日は、障害厚生年金を取りまとめて決定・支給する実施機関を判断するうえで重要。

一方で、年金額については、初診日に加入していた実施機関の期間だけを見るわけではない。

ここは分けて考える必要があります。

民間企業へ転職してから初診日がある場合は?

反対に、

公務員

民間企業へ転職

民間企業勤務中に初めて医療機関を受診

という場合もあります。

この場合は、初診日は民間企業勤務中です。

したがって、日本年金機構が取り扱う厚生年金加入期間中に初診日があるのであれば、原則として日本年金機構が

障害厚生年金を取りまとめて決定・支給することになります。

しかし、この場合も、「昔の公務員期間は関係ありません」という意味ではありません。

公務員として加入していた厚生年金期間についても、障害厚生年金の年金額を計算する際には関係してきます。

300月みなしも「一つの実施機関だけ」で考えるわけではありません

障害厚生年金には、報酬比例部分の計算において、被保険者期間が300月に満たない場合には300月とみなして

計算する仕組みがあります。

二つ以上の種別の厚生年金被保険者期間がある場合には、それぞれの加入期間を合算した期間を基に300月みなしを

行います。

例えば、

公務員期間120月

民間企業勤務期間60月

合計180月

という場合、

「初診日が公務員時代だから120月だけを見る」という考え方ではありません。

複数の厚生年金加入期間をまとめて考える必要があります。

「初診日だけ見ればいい」わけでもありません

障害年金では初診日が非常に重要です。

しかし、初診日にどこへ加入していたかだけ確認すれば終わりというわけでもありません。

実際には、

  • 初診日はいつか

  • 初診日に厚生年金へ加入していたか

  • どの実施機関の加入期間だったか

  • 公務員として勤務した期間はどのくらいか

  • 民間企業で厚生年金に加入した期間はどのくらいか

  • 保険料納付要件を満たしているか

  • 障害認定日はいつか

  • 障害の程度は何級に該当する可能性があるか

などを総合的に確認します。

「初診日は大切。でも初診日の加入先だけで障害厚生年金のすべてが決まるわけではない」ということです。

平成27年10月より前から公務員だった方は、さらに確認が必要です

公務員として長く勤務していた方の場合、平成27年10月の被用者年金制度一元化前の共済組合員期間を

お持ちの方も多いでしょう。

現在は公務員も厚生年金制度に統一されていますが、一元化前に受給権が発生していた場合などは旧制度に

よる取扱いが関係することがあります。

また、一元化前の共済組合員期間について経過措置が関係するケースもあります。

そのため、「昔、公務員だったけど、今は会社員だから普通の厚生年金だけ考えればいいだろう」

と自己判断するのはおすすめできません。

転職歴が複雑でも、障害年金を諦める必要はありません

障害年金の相談をしていると、「公務員をしていました」「その後、会社員になりました」

「さらに別の会社へ転職しました」など、複数の勤務歴をお持ちの方もいらっしゃいます。

しかし、転職回数が多いことや、公務員と民間企業の両方で勤務した経験があること自体が、障害年金を

受けられない理由になるわけではありません。

大切なのは、職歴だけを見るのではなく、初診日と厚生年金の加入記録を一つずつ整理することです。

公務員から民間企業へ転職した方の障害年金もご相談ください

「昔は公務員だった」「現在は民間企業で働いている」

「初診日は公務員時代だったと思う」「どこへ障害年金を請求すればいいのか分からない」

「公務員時代の加入期間が年金額に反映されるのか知りたい」このような場合も、一人で判断する必要はありません。

秋山社会保険労務士事務所では、障害年金のご相談・請求手続きのサポートを行っています。

公務員から民間企業へ転職している方についても、まずは初診日とこれまでの年金加入記録を整理することから

始めます。公務員から民間企業へ転職しても、公務員時代の加入期間が消えるわけではありません。

初診日、加入していた実施機関、これまでの厚生年金加入期間を確認しながら、障害年金の手続きを進めていく

ことが大切です。


秋山社会保険労務士事務所
https://akiyamasr55.com/syougainenkin.amagasaki