【労務】会社が崩壊する前兆。売上不振→小言・パワハラ→従業員退職→未払い賃金請求
2026年08月25日 13:12
会社の売上が落ちてくる。資金繰りが苦しくなり、経営者にも余裕がなくなる。
すると、従業員への言葉がきつくなる。ちょっとしたミスにも小言が増える。
「なんでこんなこともできないんだ」「何回言わせるんだ」「会社が大変なときに何を考えているんだ」
そんな言葉が日常的になり、やがて威圧的な叱責やパワーハラスメントと受け取られかねない言動まで出てくる。
そのうち、従業員を一人の人間としてではなく、「代わりはいくらでもいる人員」のように扱い始める。
勤怠管理も雑になる。給与計算も雑になる。残業代の確認も甘くなる。そして未払い賃金が発生する。
従業員が退職。退職後、未払い残業代などをまとめて請求される。
ただでさえ売上が苦しい会社から、さらにまとまったお金が出ていく。
このパターンを、私はこれまで何度見てきたことでしょうか。
売上が苦しくなると、小言まで増えていませんか?
もちろん、売上が落ちたからといって、すべての経営者が従業員に八つ当たりするわけではありません。
しかし、経営者に精神的・金銭的な余裕がなくなってくると、職場の空気まで変わる会社があります。
以前なら笑って済ませていたミスに腹を立てる。毎日のように細かい小言を言う。
他の従業員の前で叱責する。長時間問い詰める。人格まで否定するような言葉を使う。
こうした言動が積み重なれば、単なる「指導」の範囲を超え、パワーハラスメントの問題に発展する可能性が
あります。経営者本人は、「指導しているだけ」と思っているかもしれません。
しかし、問題は何を言ったかだけではなく、言い方・頻度・場所・必要性・相手に与える負担も含めて考える
必要があります。
小言の多い職場では、従業員は会社への信頼を失っていきます
毎日細かい小言を言われる。何をしても否定される。人前で怒鳴られる。相談しても「そんなこと自分で考えろ」と
言われる。そんな状態が続けば、従業員はどうなるでしょうか。仕事への意欲が低下する。
報告や相談をしなくなる。ミスを隠すようになる。会社への愛着がなくなる。
そして、「もうこの会社のために我慢する必要はない」と考えるようになります。これが怖いところです。
従業員が会社に信頼を持っている間は、多少の給与計算ミスがあっても、「確認してもらえませんか」
と穏やかに話してくれるかもしれません。
しかし、日頃から小言や高圧的な言動で雑に扱われていれば、退職した瞬間に関係は変わります。
これまで我慢していた不満が一気に表に出ることがあります。
「今まで何も言わなかった」は通用しません
退職後、従業員が給与明細や勤怠記録を見直し、「残業代が正しく払われていないのではないか」
と気付くことがあります。
会社側は、「今まで何も言わなかったじゃないか」と思うかもしれません。しかし、従業員が今まで
請求してこなかったことと、会社が正しく賃金を支払う必要があることは別問題です。
むしろ、在職中は会社との関係を考えて言えなかっただけ、ということもあります。
そして退職後であれば、会社に遠慮する必要はありません。
パワハラと未払い賃金が同時に問題になることもあります
労務トラブルは、必ずしも一つだけ発生するとは限りません。
たとえば、
上司や経営者から日常的に小言を言われていた
人前で強く叱責されていた
長時間の説教を受けていた
勤怠管理がずさんだった
残業代が正しく支払われていなかった
という状況で退職すれば、パワーハラスメントの問題と未払い賃金の問題が同時に表面化する
ことも考えられます。会社としては、一つの退職が単なる人員減少では終わらなくなります。
労務トラブルへの対応。未払い賃金への対応。新しい人材の採用。
新人教育。残った従業員への負担増。会社の信用低下。問題が連鎖していきます。
売上不振から「労務倒産」の悪循環へ
最初は、単なる売上不振だったかもしれません。
しかし、
売上減少
↓
経営者に余裕がなくなる
↓
小言・高圧的な言動が増える
↓
従業員を雑に扱う
↓
職場の雰囲気が悪化する
↓
退職者が出る
↓
勤怠・給与管理まで雑になる
↓
未払い賃金が発生する
↓
退職者から未払い賃金を請求される
↓
採用費・教育費まで増える
↓
さらに資金繰りが悪化する
という悪循環に入ることがあります。これでは、売上を立て直すどころではありません。
人が辞める。残った人に仕事が集中する。サービス品質が低下する。さらに退職者が出る。
採用しても定着しない。そして会社そのものが弱っていく。
こうした状態を放置すれば、最悪の場合、労務管理の崩壊が会社経営そのものを追い込む「労務倒産」に
つながる可能性もあります。
人件費を抑えることと、払うべき賃金を払わないことは違います
会社経営において、人件費管理は重要です。残業を減らす。業務を効率化する。
人員配置を見直す。不要な業務を削減する。こうした取り組みは必要です。
しかし、本来支払うべき残業代を支払わないことは、人件費削減ではありません。
単に将来の支払義務を積み上げているだけです。しかも、従業員との関係が悪化していれば、その問題が退職時に
一気に表面化する可能性があります。
小言を減らすだけでも、職場は変わることがあります
経営者や管理職は、従業員のミスを指摘しなければならない場面があります。
何でも褒めればいい、という話ではありません。必要な指導は必要です。
ただし、毎日の小言と必要な指導は違います。感情的に言う。何度も蒸し返す。人前で叱る。
人格まで否定する。こうした行為は、問題解決よりも人間関係を壊す方向に働くことがあります。
会社が苦しいときほど、「従業員が悪い」で終わらせるのではなく、
仕事の仕組み、指示の出し方、人員配置、教育方法、勤怠管理、給与計算まで冷静に見直す必要があります。
会社が苦しいときほど、労務管理を雑にしないでください
売上が落ちている。退職者が増えている。社内で小言や叱責が増えている。従業員との関係が悪くなっている。
給与計算にも自信がない。もし複数当てはまるのであれば、問題が大きくなる前に一度労務管理を確認して
みてください。
秋山社会保険労務士事務所では、給与計算の方法に誤りがないか確認する「給与計算セカンドオピニオン」や、
会社の労務管理全体を確認する「労務健康診断」を行っています。
未払い賃金を請求されてから対応するよりも、請求される前に問題を発見し、修正する方が会社の負担は小さく
なります。
パワーハラスメントについても、問題が起きてから対応するのではなく、日頃の指導方法や職場環境を見直しておくことが大切です。
会社が苦しいときほど、従業員に小言をぶつけない。人を雑に扱わない。労務管理を雑にしない。
それが、会社をさらに苦しくする悪循環を止める第一歩ではないでしょうか。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所