【労務】給与計算。休んでいるはずの社員が「社食のお弁当」を注文しています。
2026年10月20日 11:35
給与計算をしていると、ときどき「これはどう処理したらいいのだろう」と手が止まる勤怠があります。
たとえば、こんなケースです。
ある社員さんについて、その日は年次有給休暇の申請がされ、上司も承認済み。
ところが勤怠を確認すると、なぜか出勤時刻と退勤時刻の打刻がある。
さらに確認すると、その日は社員向けに会社が取りまとめている社食のお弁当まで注文している。
この社員さん、本当に休んでいたのでしょうか。
「有休承認済み」なのに、出退勤打刻があります
年次有給休暇の申請が承認されている以上、給与計算上は年休として処理したくなります。
しかし、
年休申請は承認済み
出勤打刻がある
退勤打刻もある
社食のお弁当も注文している
となれば、そのまま処理するわけにはいきません。
打刻が間違っているのか。年休申請が間違っているのか。実際には出勤していたのか。
まず事実確認が必要です。
さらに困るのが「お弁当代」です
会社によっては、社員が注文した社食のお弁当代の一部または全部を会社が負担し、本人負担分を給与から
控除していることがあります。そうなると、単に「有休日なのに弁当を注文している。変ですね」では済みません。
まず、この日の弁当代を給与から控除してよいのか。という問題が出てきます。
本人が実際に注文して食べたのであれば控除対象なのか。
そもそも休みだったのであれば注文記録が誤っているのか。
給与計算担当者としては確認しなければ、控除額を確定できません。
お弁当の「個数」も軽く見られません
さらに、社食やお弁当を会社が一定額負担している場合には、食事の提供が社会保険上の現物給与として
報酬に関係する場合があります。そのため、「弁当を何個注文したのか」「本人はいくら負担しているのか」
「会社はいくら負担しているのか」といった情報も、場合によっては給与計算や社会保険の確認資料になります。
つまり、社食のお弁当は単なる福利厚生の話とは限りません。
弁当の注文数そのものが、給与計算に影響する可能性があるのです。
だからこそ、「年休の日なのに弁当が1個入っていますね。まあいいでしょう」と簡単に流すわけにはいきません。
勤務実態が違うのか。弁当の注文数が違うのか。給与控除額が違うのか。
現物給与として取り扱う基礎となる情報まで違ってくるのか。
一つの疑義が、複数の給与計算項目に波及する可能性があります。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン
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給与から控除しているなら、控除ルールも確認が必要です
社食代や弁当代を給与から控除している会社では、そもそもその控除方法が適切なのかも
確認する必要があります。
給与は原則として全額を支払う必要があり、税金や社会保険料など法令に基づくもの以外を給与から
控除する場合には、労使協定など必要な手続きを確認しなければなりません。
「昔から弁当代を給与から引いているから」だけでは十分ではありません。
給与計算では、金額が合っているかだけでなく、その控除をしてよい根拠があるかまで見る必要があります。
上司の「承認」は何を確認しているのでしょうか
さらに気になるのは、年休申請が上司によって承認済みであることです。
出退勤打刻が存在するにもかかわらず、なぜ年休申請が承認されているのでしょうか。
申請が上がってきたら、とりあえず承認ボタンを押す。そんな運用になっていないでしょうか。
承認制度を設けていても、内容を確認していなければ意味がありません。本人が正しく申請する。
上司が勤務実態と照らして確認する。必要があれば修正する。会社として勤怠を確定する。
その確定した情報を給与計算担当者へ渡す。本来は、この流れが必要です。
給与計算担当者が「探偵」になっていませんか
給与計算担当者の仕事は、本来、確定した勤怠や会社から提供された情報をもとに給与を計算することです。
ところが実際には、「この日は出勤ですか、有休ですか?」「この打刻は何ですか?」
「なぜ二重打刻になっていますか?」「この手当の金額は合っていますか?」
「年休なのに社食のお弁当を注文していますが、この弁当代は控除してよいですか?」
「そもそも弁当の個数は合っていますか?」と、一つひとつ確認しなければ給与が確定できない会社があります。
これでは給与計算というより、毎月の社内調査です。
毎月「疑義」が出るなら、給与計算ではなく仕組みを見直す
もちろん、入力ミスはどの会社でも起こります。しかし、毎月のように大量の疑義が発生するのであれば、
「担当者がもっと注意すればよい」だけでは解決しません。
確認すべきなのは、
勤怠の申請ルール
年休の承認方法
打刻修正のルール
勤怠締切
管理者の確認責任
社食・弁当の集計方法
給与控除のルール
現物給与の取扱い
給与担当者への情報伝達方法
といった、給与計算より前の工程です。
給与計算の数字がおかしいとき、その数字だけ直せばその月は終わります。
しかし、原因を直さなければ翌月も同じ疑義が発生します。
「休んでいるはずなのに社食のお弁当を注文している」
一見すると、少し笑ってしまいそうな話かもしれません。
しかし給与計算の現場では、こうした小さな違和感を軽く見ることはできません。
年休の処理。出勤日数。給与控除。そして場合によっては、食事の提供に関する現物給与の取扱い。
たった1個のお弁当から、給与計算のさまざまな問題が見えてくることがあります。
秋山社会保険労務士事務所では、給与計算の結果だけではなく、勤怠管理、賃金規程、給与計算方法、
各種控除の運用などを確認する給与計算セカンドオピニオンや労務健康診断にも対応しています。
毎月給与計算のたびに大量の確認事項が発生している。
給与担当者が勤怠の事実確認に追われている。
給与ソフトから出てきた数字の根拠を誰も説明できない。
そんな状態であれば、一度、給与計算の「前工程」から見直してみてはいかがでしょうか。
休んでいるはずの社員が、なぜ社食のお弁当を注文しているのか。
その1個のお弁当を軽く見ないことが、正確な給与計算と適切な労務管理につながります。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
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