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【労務】労務トラブルの多い会社には特徴があります。採用・助成金・就業規則まで崩れていませんか?

2026年09月10日 07:47

労務トラブルが多い会社というと、「就業規則がない」「労働法を知らない」「勤怠管理ができていない」

そんな会社を想像するかもしれません。もちろん、それらも原因になります。

しかし、実際の会社を見ていると、もっと根本的なところに共通点があります。

それは、経営陣が労働者をどう扱っているか。そして、労務管理を「会社を安定させる仕組み」と考えているか、

それとも「できるだけ会社の負担を逃れるためのもの」と考えているか。という部分です。

労務管理が崩れると、問題は残業代や有給休暇だけでは終わりません。

社員が辞める⇒採用コストが増える⇒求人条件を上げる⇒賃金体系が崩れる⇒助成金に頼る

⇒採用基準が崩れる⇒就業規則まで実態と合わなくなる⇒そして、さらに労務トラブルが増える。

そんな悪循環に入る会社があります。

1.法律を「どう守るか」より「どう逃れるか」ばかり考える

労務相談をしていると、「適正な運用にするにはどうしたらいいですか?」ではなく、

「何とか払わなくて済む方法はありませんか?」という発想になっている会社があります。

例えば、「残業代を払わなくて済む方法は?」「この手当なら割増賃金の計算から外せる?」

「社会保険に入れなくて済む働かせ方は?」「有給を取らせなくて済む方法は?」

「会社都合ではなく自己都合退職にできない?」もちろん、法律の範囲内で制度を設計し、

会社の負担を適正化すること自体は問題ではありません。

しかし、「法律を守りながらどう経営するか」ではなく、「どこまでなら義務を逃れられるか」が

出発点になっている会社は注意が必要です。

勤怠でも抜け道を探す・給与でも抜け道を探す・社会保険でも抜け道を探す・退職時にも抜け道を探す。

こうした小さな無理を積み重ねた結果、後から未払い賃金や退職トラブルなど、大きな問題として

返ってくることがあります。

2.「辞めたらまた採ればいい」と人を粗末に扱う

もう一つの特徴が、労働者を簡単に交換できる存在のように扱うことです。

社員が辞める⇒「また募集したらいい」、有給休暇を申し出る⇒「権利ばっかり言うな」

残業代について質問する⇒「細かい社員やな」、体調を崩す⇒「使えない」

上司の言動について相談する⇒「それくらい我慢しろ」こんな対応を続けていれば、人が定着しにくくなります。

ところが会社側は、「最近の若い人は続かない」「いい人が来ない」「採用してもすぐ辞める」と、原因を

労働者側だけに求めてしまう。しかし、本当にそうでしょうか。

3.人を粗末に扱う会社ほど、採用にお金を使い続ける

一人辞める。求人を出す。面接する。採用する。仕事を教える。ようやく仕事を覚えた頃に辞める。

また求人を出す。これを繰り返す。

採用コストは求人広告費だけではありません。

応募者との連絡、面接時間、入社手続き、制服や備品、新人教育、教育担当者の時間。

新人が一人前になるまでの生産性低下、退職者の穴を埋める既存社員の残業。

こうした費用まで発生します。

つまり、社員を安く使っているつもりが、採用と教育にお金を使い続ける会社になっていることがあります。


対応地域:全国対応

主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府

対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問

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4.人が来ないので、同業他社より給与総額を上げて募集する

退職者が多ければ、求人を出す回数も増えます。しかし応募が来ない。

すると、「給与が低いからでは?」となります。同業他社が月給25万円なら27万円。それでも来なければ30万円。

このように募集条件を引き上げていく。適正な賃金設定は必要です。

しかし、なぜ人が辞めるのかを直さずに、給与総額の高さだけで人を集めようとするのであれば本質的な解決には

なりません。給与だけ高くする。でも職場環境は同じ、上司の対応も同じ、残業管理も同じ、休日の連絡も同じ

人を粗末に扱う風土も同じ、

その結果、高い給与で採用した人まで辞める⇒また募集する⇒さらに条件を上げる。

こうして、定着率の悪さを高い募集給与で埋め続ける会社になってしまいます。

5.新しく採用する人の給与を上げると、既存社員とのバランスが崩れる

採用難だから、新しく入る人だけ給与を高くする。すると既存社員は当然思います。

「何年も働いている自分より、新人の方が給料高いやん」そこで、調整手当・職務手当・特別手当。

などを付けて既存社員の給与も調整する。これを繰り返していくと、誰がなぜこの給与なのか分からない。

同じ仕事でも人によって手当が違う。入社時期によって給与が違う。そんな給与体系になります。

最初は「人が辞める」という問題だったのに、最後には賃金制度まで壊れていくのです。

6.採用コストと人件費が増えると「何か助成金ありませんか?」になる

求人にお金がかかる、募集給与も上がった。人件費の負担も増えた。そこで、「何か使える助成金

ありませんか?」という話になります。もちろん、助成金の活用自体が悪いわけではありません。

会社が本来必要としている人材を採用し、その雇用や育成を後押しするために制度を利用する。

これは有効な使い方です。問題なのは、順番が逆になることです。

本来は、「この人を採用したい。使える助成金はありますか?」であるべきです。

それが、「この人を採用すれば助成金が出る。だから雇おう」になっていないでしょうか。

7.助成金ありきになると、採用基準まで崩れる

本来の採用では、この仕事を任せられるか、必要な能力があるか、教育すれば戦力になるか。

会社や職場に合うか、本当に必要な人材か、こうしたことを見ます。

ところが、「この人なら助成金が出る」という理由が強くなりすぎると、本来なら採用を見送っていた人まで

採用してしまうことがあります。

もちろん、人材を育成することは会社の役割でもあります。しかし、会社が求める業務と本人の能力や適性が

大きく合っていないのに、助成金を理由に採用すれば、その負担は現場に回ります。

8.人を一人増やしたのに、既存社員の仕事が増える

新しい人へ仕事を教える。チェックする。ミスを修正する。やり直す。

できない仕事を代わりに処理する。さらに通常業務も行う。

人を一人増やしたはずなのに、「前より忙しくなった」という状態になります。

そして、「なんで自分ばかりフォローしないといけないのか」と既存社員に不満がたまる。

残業も増える、疲労も増える。最後には、それまで会社を支えていた戦力のある社員まで辞めてしまうことがあります。

また人が足りなくなる。そしてまた採用する。

9.また採用、また助成金――気がつけば自転車操業

戦力だった社員が辞める。人が足りない。求人を出す。採用費がかかる。

そこで、「次に使える助成金はありませんか?」となる。

また助成金対象になる人を採用する。

現場の負担が増える。また退職者が出る。また採用する。また助成金を探す。

気がつけば、会社に必要な人を採用するのではなく、助成金を使える人を採用する会社になっている。

これでは、採用と助成金の自転車操業です。

助成金は一時的な収入でも、人を雇えば給与や社会保険料などの負担は続きます。

だから採用前に、「助成金が一円もなくても、この人を採用しますか?」

と考える必要があります。

10.助成金のためだけに作った「はりぼて就業規則」

助成金中心の経営になると、今度は就業規則まで影響を受けることがあります。

「この助成金には、この制度が必要です」と言われ、就業規則へ制度を追加する。

さらに別の助成金を申請するときに、また規程を追加する。さらに次の制度も追加する。

もちろん、会社が本当にその制度を導入し、運用するのであれば問題ありません。

しかし、助成金申請のためだけに規定を追加し、実際には誰もその制度を理解していない。

そんな「はりぼて就業規則」になっていないでしょうか。

11.就業規則には書いてある。でも会社は運用していない

例えば、

正社員転換制度・研修制度・賃金制度・休暇制度・評価制度。助成金の申請時には制度を作った。

しかし数年後、「この制度って実際どう運用するんですか?」と聞いても誰も答えられない。

社員から、「就業規則にこう書いてありますよね?」と言われて初めて、「そんな制度あったっけ?」となる。

会社側としては、「助成金申請のときに書いただけ」という感覚かもしれません。

しかし、従業員から見れば会社の就業規則です。「助成金用だから社員には関係ありません」では済みません。

12.就業規則、給与規程、雇用契約書、現場が全部違う

助成金のたびに制度を継ぎ足すと、規程全体の整合性も崩れてきます。

就業規則ではA。給与規程ではB。労働条件通知書ではC。現場ではD。そんな状態です。

就業規則には昇給制度がある。しかし実際の昇給基準は別。給与規程には手当の支給条件がある。

しかし給与計算では違う方法。正社員転換制度はある。しかし誰がどうなれば転換できるか分からない。

休暇制度を書いた。しかし管理職がその制度自体を知らない。

こうして、書類上の会社と、実際の会社が別物になります。

本来、労務トラブルを防ぐための就業規則が、逆にトラブルの材料になります。

13.助成金のために会社を変えるのではなく、会社に合う助成金を使う

助成金は会社経営を助ける制度です。

しかし、

助成金を取るために人を採用する。

助成金を取るために制度を作る。

助成金を取るために就業規則を書き換える。

これを繰り返していると、

会社に助成金を合わせるのではなく、会社そのものを助成金に合わせるようになります。

①採用基準が崩れる。②賃金制度が崩れる。③就業規則が崩れる。④現場運用との整合性も取れない。

⑤社員との認識もズレる。その結果、さらに労務トラブルが増える。これでは本末転倒です。

14.全部の原因は一本につながっています

整理すると、こういう会社があります。

労働者を粗末に扱う
↓
社員が定着しない
↓
求人を繰り返す
↓
採用コストが増える
↓
応募が来ないので給与総額を上げる
↓
既存社員との賃金バランスが崩れる
↓
人件費が増える
↓
助成金で補おうとする
↓
助成金ありきの採用になる
↓
採用基準が崩れる
↓
既存社員の負担が増える
↓
戦力だった社員まで辞める
↓
また採用する
↓
また助成金を探す
↓
助成金のために制度を作る
↓
就業規則を継ぎ足す
↓
給与規程・雇用契約書・現場との整合性が崩れる
↓
さらに労務トラブルが増える

これでは、何のための労務管理なのか分かりません。

最初は会社の負担を少しでも減らそうとしていたはずです。しかし最後には、採用費も高い。募集給与も高い。

残業も増える。教育コストも高い。制度も複雑。それでも人は定着しない。そんな会社になってしまいます。

労務管理は「どこまで社員に我慢させられるか」を考える仕事ではありません

社員にも守ってもらうべき会社のルールがあります。仕事について厳しく指導しなければならない場面もあります。

しかし、その一方で会社もルールを守らなければなりません。働いた分の賃金を払う。休ませるべきときは休ませる。

労働条件を説明する。社員から質問されたら説明できる状態にする。退職者が続けば、社員側だけでなく会社側にも

原因がないか確認する。人を採用するときは、「どの助成金が使えるか」ではなく、「会社に必要な人材か」から

考える。

就業規則を作るときは、「助成金申請で必要だから」ではなく、「会社が本当にこの制度を運用するのか」から考える。

労務管理を整えることは単なる法律対策ではありません。

社員の定着。採用コスト。人件費。生産性。組織運営。これらすべてに関わる経営管理です。

労務トラブルが多い会社ほど、実は「人」に余計なお金を使い、さらに自分たちで会社の仕組みを複雑にしている

のかもしれません。

一度、就業規則だけではなく、採用・給与・勤怠・助成金。そして実際の職場運用まで、

会社全体をつなげて確認してみてはいかがでしょうか。

秋山社会保険労務士事務所では、就業規則の作成・見直しだけでなく、勤怠管理、給与計算、採用・定着、賃金制度、

助成金活用など、実際の職場運用を踏まえた労務管理のご相談を承っております。


対応地域:全国対応

主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府

対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問

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