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【労務】立派な人事評価制度が、従業員の不満を増やしていませんか

2026年07月29日 08:15

人事評価で大切なのは、評価後のフィードバックです

人事評価制度を導入している会社は少なくありません。

評価項目を細かく設定し、評価シートを作成し、等級や役職ごとの基準まで整備している

会社もあります。

しかし、どれだけ立派な人事評価制度を作っても、それだけで従業員が納得するとは限りません。

むしろ、評価後のフィードバックがいい加減であれば、せっかくの人事評価制度が従業員の不満や

会社への不信感を増やしてしまうことがあります。

評価結果だけ伝えて終わっていませんか

人事評価を実施した後、従業員に評価結果だけを伝えて終わっている会社があります。

「今回の評価はBです」

「ここが不足していたので昇給はありません」

このように、結果だけを一方的に通知されても、従業員は簡単には納得できません。

従業員が知りたいのは、単なる点数や評価ランクではありません。

なぜその評価になったのか。

どの点が評価されたのか。

何が不足していたのか。

今後、何を改善すれば評価が上がるのか。

こうした内容まで具体的に伝えなければ、人事評価は従業員の成長につながりません。

フィードバックが雑だと「好き嫌いで評価された」と感じる

評価内容について十分な説明がないと、従業員は評価結果を自分なりに解釈します。

その結果、

「上司に嫌われているから評価が低かった」

「結局、会社は自分の仕事を見ていない」

「頑張っても評価されない」

と感じてしまうことがあります。

実際には一定の評価基準に基づいて判断していたとしても、その理由が伝わっていなければ、

従業員にとっては不透明な評価です。

人事評価制度では、評価の公平性だけでなく、従業員が公平だと感じられるかどうかも重要です。

制度上は公平でも、説明が不十分であれば、従業員の納得感は得られません。

改善点ばかり伝える面談にも注意が必要です

評価面談で、従業員の不足している点や改善すべき点ばかり伝えていないでしょうか。

もちろん、課題を伝えることは必要です。

しかし、改善点だけを並べられると、従業員は評価面談を「会社から叱られる時間」だと

感じるようになります。

そうなると、面談のたびに従業員の意欲は低下し、上司との関係も悪化します。

フィードバックでは、まず良かった点や評価できる点を具体的に伝え、そのうえで今後の課題や

期待する行動を説明することが大切です。

本人が自分の強みを理解できれば、その強みをさらに伸ばすことができます。

また、課題についても、抽象的な表現ではなく、具体的な行動に落とし込んで伝える必要があります。

「もっと主体性を持ってください」「もう少し頑張ってください」

このような曖昧な言葉だけでは、従業員は何をすればよいのか分かりません。

「会議では月に一度は改善案を提案してほしい」

「期限の前日に進捗を報告してほしい」

「粗利率〇%以上確保して営業してほしい」

「商品セミナー開催月〇回以上行うように」

このように、具体的な行動を伝えることが重要です。

上司によって説明内容が違うと制度への信頼を失う

人事評価制度そのものは統一されていても、評価を行う上司によってフィードバックの方法が

大きく異なる会社もあります。

ある上司は時間をかけて丁寧に説明する。

別の上司は数分で面談を終わらせる。

ある上司は良い点も伝える。

別の上司は悪い点しか言わない。

このような状態では、同じ評価制度を運用していても、従業員の受け止め方には大きな差が生まれます。

人事評価制度を適切に運用するためには、評価者に対する教育も必要です。

評価基準の読み方だけでなく、面談の進め方、伝え方、質問への対応方法まで共有しておく必要があります。

評価者本人が制度を十分に理解していなければ、従業員に納得できる説明はできません。

人事評価は点数をつけるための制度ではありません

人事評価制度の目的は、従業員に点数をつけて順位を決めることではありません。

従業員の成果や行動を振り返り、強みや課題を共有し、今後の成長につなげることが本来の目的です。

また、会社が従業員に何を期待しているのかを伝える機会でもあります。

評価結果と昇給額だけを通知して終わるのであれば、人事評価制度を十分に活用できているとはいえません。

制度を作ることよりも、その制度をどのように運用するかが重要です。

立派な制度より、納得できる説明を

人事評価制度は、複雑であればよいというものではありません。

評価項目が多く、精密な仕組みが整っていても、従業員への説明が不十分であれば、制度は機能しません。

反対に、比較的シンプルな評価制度でも、上司が従業員と丁寧に向き合い、具体的なフィードバックを

行っていれば、従業員の納得感や成長につながります。

人事評価制度を見直す際は、評価シートや評価項目だけでなく、次の点も確認してみてください。

評価結果の理由を説明できているか。

良かった点と改善点の両方を伝えているか。

今後求める行動を具体的に示しているか。

上司によって面談の質に差が出ていないか。

従業員が質問や意見を伝えられる場になっているか。

人事評価制度は、作って終わりではありません。

評価者への教育やフィードバック面談の方法まで含めて設計してこそ、会社と従業員の双方にとって

意味のある制度になります。

立派な人事評価制度があるにもかかわらず、従業員の不満が減らない場合は、制度そのものではなく、

評価後のフィードバックに問題があるかもしれません。

人事評価制度の導入や見直し、評価者への教育、評価面談の運用にお悩みの場合は、

秋山社会保険労務士事務所へご相談ください。



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