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就業規則はあるけど、誰も内容を知らない会社

2026年07月25日 09:16

「就業規則なら、ちゃんとあります」

会社の労務管理について確認すると、社長からこのように言われることがあります。

しかし、さらに話を聞いてみると、

  • 社長自身も詳しい内容を覚えていない

  • 管理職が就業規則を読んだことがない

  • 従業員がどこで閲覧できるか知らない

  • 何年も内容を見直していない

  • 実際の運用と規定の内容が違っている

というケースは珍しくありません。

就業規則は、作成して労働基準監督署へ届け出れば終わりではありません。

会社の中で実際に使われていなければ、せっかく作った就業規則も十分な役割を果たせないのです。

就業規則が「棚の飾り」になっていませんか

就業規則を作成したものの、事務所の棚やパソコンの中に保管したままになっている会社があります。

従業員が就業規則の存在を知らなかったり、閲覧方法が分からなかったりする状態では、会社のルールを

周知しているとは言いにくいでしょう。

例えば、会社が従業員に懲戒処分を行おうとしても、根拠となる規定が適切に定められ、従業員へ周知されて

いなければ、処分の有効性を争われる可能性があります。

また、休職、欠勤、遅刻、早退、退職、服務規律などについて、会社と従業員の認識が違っていれば、

トラブルの原因になります。「就業規則には書いてある」会社はそう思っていても、従業員から、

「そんなルールは知らない」と言われてしまえば、話は簡単ではありません。

就業規則は、存在するだけではなく、従業員が確認できる状態にしておくことが重要です。

管理職がルールを知らない会社は危ない

就業規則を最も理解しておくべきなのは、社長だけではありません。

現場で従業員を指導する管理職にも、基本的なルールを共有しておく必要があります。

管理職が就業規則を知らないと、次のような対応が起こりやすくなります。

  • 遅刻や欠勤への対応が上司によって違う

  • 有給休暇の申請を勝手に拒否する

  • 残業を口頭で指示して記録を残さない

  • 問題行動のある社員を感情的に叱る

  • 退職希望者に不適切な引き留めをする

  • 会社のルールではなく、上司個人の判断で処理する

同じ会社なのに、上司によって対応が違えば、従業員は不公平感を持ちます。

「あの人は注意されないのに、自分だけ注意された」

「部署によって有給休暇の取りやすさが違う」

このような不満が積み重なると、職場への不信感や退職につながります。

就業規則は、従業員を縛るためだけのものではありません。

管理職の判断を統一し、会社として一貫した対応を行うための基準でもあるのです。

実際の運用と違う就業規則は、かえって危険

何年も前に作成した就業規則を、そのまま使用している会社も注意が必要です。

例えば、就業規則には、

  • 始業時刻は午前9時

  • 休日は土曜日と日曜日

  • 賞与は年2回支給

  • 休職期間は6か月

  • 定年は60歳

と書かれているにもかかわらず、実際には違う運用をしていることがあります。

また、インターネット上のひな型をそのまま使用した結果、会社では採用していない制度まで記載

されているケースもあります。

実態と合っていない就業規則は、会社を守るどころか、従業員との争いの原因になりかねません。

特に、賞与、退職金、休職、懲戒、固定残業代、配置転換などは、書き方によって会社の義務や

対応範囲が大きく変わることがあります。

「とりあえず書いてあるから安心」ではありません。

書かれている内容どおりに会社が運用できるのかを確認する必要があります。

問題社員が現れてから就業規則を読む会社

普段は就業規則をまったく確認していなかった会社が、問題社員への対応が必要になってから、

慌てて就業規則を読み始めることがあります。

しかし、その段階で、

  • 該当する服務規律がない

  • 懲戒事由が曖昧

  • 指導や処分の手順が決まっていない

  • 欠勤や休職の扱いが不明確

  • 就業規則が従業員へ周知されていない

と判明しても、すぐに厳しい処分ができるとは限りません。

就業規則は、問題が起きてから急いで用意するものではありません。

問題が起きる前からルールを整備し、そのルールに沿って注意、指導、記録を積み重ねておくことが大切です。

会社が日頃からルールを守っていなければ、従業員にだけルールを守らせることは難しくなります。

就業規則を一度点検してみませんか

次の項目に一つでも当てはまる会社は、就業規則の見直しが必要かもしれません。

  • 就業規則を何年も見直していない

  • 従業員が閲覧場所を知らない

  • 管理職が内容を理解していない

  • 実際の勤務時間や休日と規定が違う

  • 問題社員への対応方法が決まっていない

  • インターネットのひな型をそのまま使っている

  • 法改正に対応できているか分からない

就業規則は、あるだけでは会社を守ってくれません。

会社の実態に合った内容に整え、従業員へ周知し、日々の労務管理で正しく運用してこそ

意味があります。

秋山社会保険労務士事務所では、就業規則の内容だけでなく、雇用契約書、勤怠管理、残業代、有給休暇、

問題社員への対応など、実際の運用状況も含めて確認しています。

就業規則はある。でも誰も中身を知らない。

そのような状態になっている会社は、トラブルが起きる前に、一度、就業規則の確認や労務監査をしてみませんか。


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