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【労務】問題社員を放置するリスク

2026年07月26日 11:27

問題社員を放置していませんか。遅刻や欠勤を繰り返す。指示に従わない。周囲にきつく当たる。

仕事を選り好みする。ミスを人のせいにする。注意すると逆上する。

このような社員がいても、

「人手不足だから辞められたら困る」「揉めるのが面倒だから様子を見よう」と対応を先送りしている

会社は少なくありません。

しかし、問題社員を放置しても、問題は自然には消えません。

むしろその間に、真面目な社員へ負担が集中し、職場の不満が積み上がり、会社への信用が失われていきます。

そして最後に辞めるのは、問題社員ではなく、これまで会社を支えてきた社員です。

問題社員一人を残した結果、三人辞めることがあります

会社が問題社員への対応を避ける理由として多いのが、人手不足です。

「この人まで辞めたら現場が回らない」その判断が、逆の結果を招くことがあります。

問題社員が仕事をしなければ、その分の仕事は真面目な社員に回ります。

ミスを繰り返せば、誰かが修正します。遅刻や欠勤があれば、誰かが穴を埋めます。

周囲にきつく当たれば、その被害を受ける社員がいます。会社が何も対応しなければ、

真面目な社員はこう感じます。「きちんと働く人間が損をする会社だ」

「あの人には何も言えないのに、こちらには仕事を押し付ける」

「会社は自分たちを守る気がない」

問題社員一人を辞めさせたくないために、まともな社員が二人、三人と辞めてしまえば、会社にとって

大きな損失です。

採用費、教育費、引継ぎの負担、残った社員の残業増加。

問題社員を放置するコストは、その人一人分の給与だけではありません。

社員が見ているのは、問題行動より会社の態度です

問題のある社員がいること自体は、どの会社でも起こり得ます。

社員が会社を見限るのは、問題社員がいるからではありません。

会社が問題を知りながら、何も対応しないからです。

相談しても動かない。上司が注意を避ける。被害を受けている社員に我慢を求める。

問題社員だけ特別扱いされる。

こうした状態が続くと、会社全体に強い不公平感が広がります。

職場で一番危険なのは、社員が不満を言わなくなることです。

何も言わなくなったから、問題が解決したわけではありません。

すでに会社に期待することをやめ、転職活動を始めている可能性があります。

退職届が出てから、

「そんなに悩んでいるとは思わなかった」「もっと早く言ってくれれば対応した」と言っても、

遅いことがあります。社員はすでに何度も会社の対応を見ています。

放置した問題が、ハラスメント申告や労災請求に発展することもあります

問題社員による暴言、威圧的な態度、無視、嫌がらせなどを会社が把握していながら放置した場合、

単なる人間関係の問題では済まないことがあります。

被害を受けた社員が体調を崩し、休職や退職に至ることもあります。さらに、会社の対応が不十分だったとして、

  • ハラスメントの申告

  • 損害賠償請求

  • 労災申請

  • 労働局への相談

  • 労働基準監督署への申告

  • 退職後の会社への請求

などに発展する可能性もあります。

会社が直接暴言を吐いたわけではなくても、

「問題を知っていたのに対応しなかった」と問われることがあります。

問題社員の行動だけでなく、会社がどのように対応したかも確認されます。

「本人同士で解決してほしい」「どちらにも言い分がある」「昔からあのような性格だから」

では、会社として十分に対応したとはいえません。

問題社員を放置すると、会社のルールは崩れます

就業規則にどれだけ立派な服務規律を書いていても、違反した社員に何も言わなければ、ルールは機能しません。

遅刻しても注意されない。指示を無視しても処分されない。仕事をしなくても給与は同じ。

周囲に迷惑をかけても会社は動かない。

このような状態を社員が見れば、「真面目にルールを守る意味がない」と考えるようになります。

最初は一人だけだった問題行動が、職場全体に広がることもあります。

これまで協力的だった社員が仕事を断るようになる。

残業を引き受けなくなる。上司の指示に従わなくなる。部署間で責任を押し付け合うようになる。

問題社員を放置することは、一人の社員を見逃すことではありません。

会社全体の基準を引き下げることです。

「そのうち辞めるだろう」は、最も危険な対応です

経営者や管理職の中には、「本人も居づらくなって、そのうち辞めるだろう」と考える方もいます。

しかし、問題社員ほど自分から辞めないことがあります。

周囲が仕事を補い、会社も強く注意せず、給与も毎月支払われるのであれば、本人にとって居心地の

悪い職場とは限りません。その一方で、仕事のできる社員は他社でも働けます。

会社の対応に見切りをつければ、静かに辞めていきます。

つまり、会社が何もしなければ、問題社員は残り、優秀な社員が去るという最悪の入れ替わりが起こる

可能性があります。

ただし、感情的に解雇するのも危険です

問題社員を放置してはいけません。

だからといって、社長や上司が感情的に怒鳴ったり、突然辞めるよう迫ったり、すぐに解雇したりするのも危険です。

会社側の対応に問題があれば、

  • 不当解雇

  • 退職強要

  • パワーハラスメント

  • 懲戒処分の無効

  • 賃金請求

  • 慰謝料請求

など、新たなトラブルにつながることがあります。問題社員対応で重要なのは、感情ではなく事実と手順です。

何が問題だったのか。いつ起きたのか。誰が確認したのか。本人にどう説明したのか。

どのような改善を求めたのか。

改善の機会を与えたのか。

その後も同じ行動が続いたのか。

これらを記録し、段階的に対応する必要があります。

注意指導の記録がなければ、会社は説明できません

現場では、上司が何度も口頭で注意していることがあります。

しかし、記録が残っていなければ、後から本人に、「注意されたことはない」「急に処分された」

「自分だけ狙われた」と主張される可能性があります。

会社側が、

「前から何度も言っていた」と説明しても、それを裏付ける資料がなければ、対応の正当性を

説明しにくくなります。

問題行動があった場合は、少なくとも次の内容を記録しておく必要があります。

  • 発生日時

  • 問題行動の内容

  • 関係者

  • 会社が確認した事実

  • 本人の説明

  • 注意・指導した内容

  • 改善期限

  • 改善状況

問題社員対応は、問題が大きくなってから証拠を作ることはできません。

日頃の記録が重要です。

社長が知らないところで、職場が崩れていることがあります

従業員が30人、50人、100人と増えてくると、社長が現場のすべてを把握することは難しくなります。

管理職が問題を報告していない。

総務担当者が一人で抱え込んでいる。

社員が相談しても、部署内で止まっている。

問題社員に関する苦情が、単なる人間関係の話として処理されている。

このような状態では、社長が問題を知ったときには、すでに退職者が続いていることもあります。

「最近、人が定着しない」「採用してもすぐ辞める」「部署の雰囲気が悪い」

その原因が待遇や採用のミスマッチではなく、特定の社員を放置していることにある場合もあります。

問題社員対応は、採用より先に取り組むべき離職防止策です

人が辞めるたびに採用広告を出しても、職場環境が変わらなければ、また辞めます。

採用費を増やす前に、今いる社員がなぜ疲弊しているのかを確認する必要があります。

会社が適切に問題社員へ対応すれば、周囲の社員に次のメッセージを示すことができます。

「会社は、真面目に働く社員を守る」「相談を放置しない」「ルール違反には適切に対応する」

「声の大きい人だけが得をする会社にはしない」この安心感は、給与を少し上げるだけでは得られません。

問題社員への適切な対応は、職場秩序を守り、優秀な社員の離職を防ぐための重要な経営施策です。

次の状態がある会社は、すでに危険信号です

次のうち一つでも当てはまる場合、問題を先送りしない方がよいでしょう。

  • 同じ社員について何度も苦情が出ている

  • 問題社員の仕事を周囲が補っている

  • 上司が本人への注意を避けている

  • 指導内容を記録していない

  • 真面目な社員の残業が増えている

  • 特定の部署だけ退職者が多い

  • ハラスメントの相談が放置されている

  • 就業規則の懲戒規定が古い

  • 問題社員に対して何をすればよいか分からない

  • 社員から「どうせ会社は何もしてくれない」と言われた

  • 退職理由を詳しく確認していない

  • 管理職によって注意指導の方法が違う

問題社員への対応を先送りするほど、会社の選択肢は少なくなります。

早い段階であれば、注意や指導によって改善できる可能性があります。

しかし、周囲の社員が何人も辞めた後では、失った人材と信頼を簡単に取り戻すことはできません。

会社が守るべきなのは、声の大きい社員ではありません

問題社員への対応は、面倒で、時間もかかります。

本人が強く反発することもあります。

だからこそ、会社が対応を避けたくなる気持ちは分かります。

しかし、その間も、真面目な社員は会社の姿勢を見ています。

会社が守るべきなのは、問題を起こして周囲を振り回す社員だけではありません。

ルールを守り、責任を果たし、黙って職場を支えている社員です。

その社員が辞表を出してからでは遅いのです。

秋山社会保険労務士事務所では、問題社員の行動整理、注意指導書の作成、面談記録の整備、就業規則や

懲戒規定の確認、処分手続きの検討など、問題社員対応を支援しています。

また、職場環境の健康診断として労務監査を行い、問題社員対応を含む労務管理上の課題を確認することも

可能です。

監査後は労務監査報告書を作成し、早急に対応すべき事項と、計画的に改善すべき事項に分けて、優先順位を

ご説明します。

「まだ大きなトラブルにはなっていない」そう思っている今が、最も対応しやすい時期です。

問題社員を放置し、まともな社員が辞める前に、会社の対応方法を一度見直してみませんか。



対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問