【労務】正社員とパートの時間単価を比較したことがありますか?
2026年09月28日 08:43
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給与計算をしていて、たまに「ん?」となることがあります。
正社員の月給を時間単価に直してみたら、パートさんの時給より低かった。
こんなケースです。
もちろん、これだけで問題があるとは言えません。正社員とパートでは、仕事内容も責任も働き方も違います。
ただ、社長や総務担当者に、「この差って、どういう理由ですか?」と聞いたとき、
「いや、昔からこの金額なので……」となる会社があります。私は、むしろそこが気になります。
月給だけ見ていると気づきにくい
たとえば、正社員 月給25万円パート 時給1,600円こう書くと、正社員の方が高そうに見えます。
でも、正社員の所定労働時間から時間単価を出したら1,500円だった。
そうすると、正社員 1,500円 パート 1,600円になります。
別に、パートの方が高いからダメという話ではありません。
問題は、「なぜそうなっているのか」です。これを説明できるかどうかです。
職務内容が違うのか、責任が違うのか、資格や経験を評価しているのか、採用難で、どうしても時給を上げない
と人が来なかったのか。理由があるならいいんです。
ところが、実際にはそうではなく、「求人出したけど人が来ないから時給を上げた」
「また来ないから、さらに上げた」「正社員はしばらく昇給していない」という積み重ねで、いつの間にか逆転して
いる会社があります。これ、珍しい話ではありません。
新しく入った人の方が高くなっていませんか?
最近は、本当に採用が難しいです。
求人を出しても来ない。時給を上げる。また来ない。さらに上げる。その結果、新しく入った人の給料だけ上がっ
ていく。
一方で、昔からいる社員の給料は数年前のまま。そうすると、「新人よりベテランの方が安い」
「一般社員より役職者の時間単価が低い」「勤続10年のパートより、先月入ったパートの方が時給が高い」
こんなことが起きます。これも、必ずしもおかしいとは限りません。
でも、何の基準もなくこうなっているのであれば、一度見直した方がいいと思います。
従業員は意外と見ています。給与明細を見せ合わなくても、「あの人はいくららしい」「新人募集の時給、私より
高いやん」という話は出ます。そこで会社が、「いや、それはこういう理由で」と説明できればいい。
でも説明できない。そうなると、不満だけが残ります。
私なら時間単価だけでは終わりません
正社員とパートの時間単価を比較して終わり、ではありません。
そこで違和感が出たら、もう少し見ます。
たとえば、その人の雇用契約書はどうなっているのか。賃金規程と実際の給与が合っているのか。
何のためか分からない手当が付いていないか。残業単価は正しいのか。最低賃金は大丈夫か。
昇給したのに残業単価が昔のままになっていないか。固定残業代の計算は今の基本給に合っているのか。
役職手当は、本当に役職に見合った設計になっているのか。こういうところまで見ていきます。
給与計算って、単に足し算と引き算をする仕事ではないんです。
数字を見ていると、会社の労務管理の癖が出ます。
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「給与計算は合っています」で安心していいのか
給与計算を外注している会社でも、「毎月ちゃんと給与が出ているから大丈夫」と思っている会社があります。
でも、計算が合っていることと、制度が合っていることは別です。たとえば、基本給24万円役職手当1万円合計25万円。
計算は合っています。でも、新入社員が基本給26万円だったらどうでしょう。
これも別に違法とは限りません。
ただ、「役職者より新人の方が時間単価高いですね」となったとき、その理由を会社が説明できるか。そこが大事です。
「求人出したら人が来なかったから」だけで何年も賃金を積み上げていると、どこかでバランスが崩れます。
給与計算は間違っていなくても、賃金設計がちぐはぐになっていることはあります。
総務担当者に全部背負わせるのも違うと思います
こういう話をすると、「じゃあ総務がちゃんと確認しないと」となりがちですが、私はそうは思いません。
総務担当者からすると、「社長が決めた給与です」「前任者からそう引き継ぎました」「昔からこの手当があります」
と言われたら、勝手には変えられません。
むしろ、一度会社全体の給与を横に並べてみることが必要です。正社員・パート・契約社員・管理職・一般社員。
新人・ベテラン。月給だけではなく、時間単価に直して並べてみる。
すると、「なんでこの人だけこんなに低いんやろ」「この手当、何のために付いてるんやろ」
「この役職者、責任重いのに新人と変わらんな」みたいなことが出てきます。
そこからが見直しのスタートです。
給与計算のセカンドオピニオンで見るのは、数字だけではありません
弊所では、給与計算のセカンドオピニオンを行う際、単に計算結果だけを見るわけではありません。
雇用契約書・就業規則・賃金規程・勤怠・給与台帳・各種手当・残業単価・社会保険。
こういったものを見ながら、「この会社の給与計算、本当にこのままで大丈夫か」を確認します。
給与計算ソフトは、入力された数字を計算してくれます。
でも、「この人の給与、社内で逆転していませんか」「この手当、賃金規程に書いてありませんよ」
「この残業単価、昇給前のままですよ」というところまでは、ソフトはなかなか教えてくれません。
ここは、人が見ないと分からない部分です。
毎月見てもらう意味もここにあります
給与って、毎月同じように見えて結構動きます。
入社・退職・昇給・降給・手当追加・手当廃止・欠勤・残業・社会保険料変更・育児休業。
こういう変化が毎月あります。
だから月次顧問の場合、何か問題が起きてから相談するのではなく、「この昇給の仕方で大丈夫ですか」
「この手当を新しく作ろうと思うんですが」「採用時給を上げたいんですが、既存社員とのバランスどうしましょう」
という段階から相談できます。後から直すより、最初に整えた方が圧倒的に楽です。
給与だけではなく会社全体を見たいなら労務監査
時間単価を比べてみたら違和感が出た。
そこから、雇用契約書も気になる。勤怠も気になる。就業規則も古い。有給休暇の管理も自信がない。
36協定もちゃんとできているか分からない。こうなれば、給与計算だけではなく、会社全体を一度点検した方が
早い場合もあります。労務監査では、給与だけでなく、雇用契約・就業規則・賃金規程・勤怠管理・残業管理・年次有給休暇・社会保険。こうしたものをまとめて確認します。
給与の時間単価を比べることは、単なる賃金比較ではありません。
会社の労務管理を見直すきっかけになることがあります。
一回だけ、やってみてください
御社の正社員の月給を時間単価に直してみてください。
その横に、パートさんの時給を並べてみてください。さらに、新人・ベテラン・役職者・一般社員。
これも並べてみてください。そこで、「ん?」と思う数字が出たら、その感覚は結構大事です。
給与計算は、数字が合っていれば終わりではありません。
その数字が、「なぜその金額なのか」まで説明できて、初めてきちんと管理できていると言えるのではないでしょうか。
給与計算は社内でやっているけど、一度外部に見てもらいたい。今の給与計算が本当に合っているか不安。
正社員とパートの賃金バランスを一度見直したい。給与だけではなく、就業規則や雇用契約まで見てほしい。
そういう場合は、給与計算セカンドオピニオン・月次顧問・労務監査・こういった形で対応できます。
給与計算を作業で終わらせず、会社の労務管理を見直す材料にする。
私は、そこまで見ることに意味があると思っています。
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