【労務】年次有給休暇取得日の給与計算間違っていませんか?
2026年09月27日 09:14
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年次有給休暇について、付与日数は合っています。年5日の取得義務も管理しています。
年次有給休暇管理簿も作っています。ここまで確認している会社は少なくありません。
しかし、給与計算をする立場からは、もう一つ確認したいことがあります。
年次有給休暇を取得した日の賃金、いくら支払っていますか?
ここまで聞くと、「いつも通り払っています」「パートさんは○時間分です」という回答に
なることがあります。問題は、その金額の根拠を説明できるかどうかです。
年次有給休暇は「休ませれば終わり」ではありません
年次有給休暇を取得した日は、単に欠勤控除をしなければよいという話ではありません。
労働基準法上、年休取得日の賃金については、大きく次の3つの方法があります。
① 平均賃金
② 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
③ 健康保険法上の標準報酬月額の30分の1に相当する額
③については労使協定も必要です。
そして、どの方法を採用するのかは、就業規則その他これに準ずるものに定めておく必要があります。
つまり、「有休だから適当に1日分を払っておけばいい」ではありません。
特に確認したいのが、パート・アルバイト・シフト勤務者です
例えば、時給1,200円。月曜日は4時間勤務・火曜日は6時間勤務・水曜日は8時間勤務。
このように曜日やシフトによって所定労働時間が違う従業員がいるとします。
会社が「通常の賃金」を支払う方式を採用しているのであれば、その従業員が年休を取得した日に、本来何時間
働く予定だったのかまで確認する必要があります。
時間単位年休についても、通常の賃金方式の場合には「通常の賃金の1時間当たりの額×取得した時間数」で計算する
考え方です。
ここで重要なのは、年次有給休暇残日数を見るだけでは給与計算できないということです。
雇用契約書・シフト・勤怠・就業規則・賃金形態。これらを確認して、初めてその日の年休賃金を判断できるケースが
あります。
給与計算で怖いのは「計算間違い」だけではありません
給与計算というと、足し算・引き算を間違えていないか、残業時間を入力し忘れていないか。
という確認を想像されるかもしれません。しかし、それだけではありません。
例えば年次有給休暇賃金が8,000円支給されていたとして、その8,000円という金額そのものは計算上合っている。
ところが、「なぜ8,000円なのか」を確認してみると、就業規則の定めと違う。
その日の所定労働時間と合わない。採用している賃金の方式と合わない。このようなことも考えられます。
つまり、給与計算は、電卓を叩いて答え合わせをするだけの仕事ではありません。
その計算方法自体が、就業規則や労働条件、労働基準法上の取扱いと合っているかまで見る必要があります。
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「昔からこの計算です」は、正しい根拠にはなりません
給与計算を確認するときに注意したい言葉があります。前任者からそう引き継いでいます。何年もこの方法です。
今まで従業員から何も言われていませんです。長年同じ方法で計算しているからといって、その方法が正しいとは
限りません。むしろ給与計算は毎月繰り返します。
仮に一つの取扱いが間違っていれば、同じ処理を毎月、複数人に対して繰り返している可能性があります。
年次有給休暇取得日の賃金は、その一例です。
年休賃金を確認したら、他の計算も気になりませんか?
ここが給与計算を点検するうえで非常に重要です。年次有給休暇取得日の賃金の計算根拠が曖昧だった場合、
欠勤控除はどうでしょうか。残業単価はどうでしょうか。固定残業代はどうでしょうか。
法定休日の35%割増は正しく判定できているでしょうか。
1か月単位の変形労働時間制の時間外労働は正しく計算できているでしょうか。
最低賃金を下回っている従業員はいないでしょうか。
給与計算は、それぞれが独立しているように見えて、実際には就業規則、雇用契約、労働時間、休日、賃金制度と
つながっています。だから、一つ疑義が見つかれば、「ほかの計算は本当に大丈夫か」まで確認した方がよい場合が
あります。
給与計算担当者を疑うための点検ではありません
ここは誤解していただきたくありません。給与計算担当者が一生懸命計算していても、労働基準法、就業規則、
変形労働時間制、割増賃金、年次有給休暇などの知識まで一人で網羅するのは簡単ではありません。
給与計算担当者の能力とは別に、社労士の目を一度入れて、現在の計算方法を確認する。
という方法があります。
これは健康診断と同じで、問題が起きてからではなく、問題がないかを確認するための点検です。
給与計算を外注しなくても、チェックだけ依頼できます
「給与計算は今までどおり自社で行いたい」「今の担当者に引き続き任せたい」それでも構いません。
秋山社会保険労務士事務所では、現在行われている給与計算について、給与計算セカンドオピニオンとして
確認することができます。給与明細だけを見るのではありません。必要に応じて、就業規則・賃金規程・雇用契約書・
勤怠データ・シフト・給与計算結果などを突き合わせ、現在行っている計算方法に問題がないかを確認します。
さらに、給与計算だけではなく、労働時間管理、休日、年休、雇用契約、就業規則など会社の労務管理全体を確認したい場合には、労務健康診断(労務監査)という方法もあります。
「有休の日はいくら払っていますか?」
まずは給与担当者に、この一言を聞いてみてください。
そして、「なぜ、その金額になるのですか?」まで聞いてみてください。
明確に説明できるでしょうか。
しかし、年次有給休暇を取得した日の賃金まで正しく計算できて、初めて年次有給休暇に関する給与計算が完了します。
給与計算は毎月行うものだからこそ、間違いが見つかってから直すのではなく、今の計算が正しいかを一度確認してみませんか。
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