【労務】労働基準法改正で盛り上がっていますが、まだ改正されていませんよ
2026年09月03日 12:43
労働基準法の改正についての記事やSNS投稿をよく見かけるようになりました。
14日以上の連続勤務が禁止される、勤務間インターバルが義務化される。
勤務時間外は連絡してはいけなくなる、つながらない権利が法律で定められる。
このような話を見て、「うちも就業規則を変えないといけないのでは?」
来年からシフトを組めなくなるのでは?と心配されている会社もあるかもしれません。
しかし、ここは一度整理しておきたいところです。
労基法改正について議論されていることと、法律が改正されたことは同じではありません。
2026年9月現在、連続勤務規制や勤務間インターバル制度の法的位置付け、いわゆる
「つながらない権利」などについては、労働政策審議会で引き続き検討が行われている段階です。
厚生労働省の2026年7月の労働条件分科会でも、これらについて「検討を進める必要がある」とされています。
「14日連続勤務禁止」がもう始まったわけではありません
特に最近目にするのが、「14日以上の連続勤務が禁止される」という話です。
長期間の連続勤務を制限する方向については、実際に議論されています。厚生労働省の審議会でも、
14日以上連続して勤務している労働者が一定数存在することを踏まえ、連続勤務規制をどうするか検討されています。
しかし、「現在すでに14日連続勤務が一律禁止されている」という話ではありません。
現在の労働基準法では、原則として毎週少なくとも1日の休日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えることなどが
基本となっています。将来の法改正の議論と、現在適用されている法律を混同しないことが大切です。
勤務間インターバルも、現在は一律の義務ではありません
勤務終了後から翌日の勤務開始まで、一定の休息時間を確保する勤務間インターバル制度についても、義務化を求める
議論があります。例えば、夜11時まで勤務した従業員を、翌朝8時から勤務させる。
こうした働き方を見直し、十分な休息時間を確保しようという考え方です。
現在、勤務間インターバル制度の導入については努力義務が設けられていますが、「すべての会社で11時間空けなければ労基法違反」という制度になったわけではありません。
審議会では11時間を念頭に置いた義務化を求める意見も出ていますが、企業の業務への影響や例外措置なども含めて議論されています。
「つながらない権利」も検討段階です
勤務時間外に上司からLINE。休日にも会社から電話。夜になってもメールへの返信を求められる。
こうした問題から、勤務時間外には仕事上の連絡から離れることができる、いわゆる「つながらない権利」についても
議論されています。これについても、現時点で日本の労働基準法に「勤務時間外の連絡を一律禁止する」という規定が
できたわけではありません。厚生労働省でも、労働者が勤務時間外に安心して休めるようにする観点から、どのような
制度とするべきか検討が続いています。
「まだ改正されていないから何もしなくていい」でもありません
ここも重要です。「まだ法律になってないんやったら、放っといたらええやん」
という話でもありません。例えば、14日連続勤務禁止という新しいルールがまだ施行されていなくても、
そもそも現在の休日ルールを守れているか
36協定の範囲を超えて働かせていないか
長時間労働が常態化していないか
勤怠管理が正しくできているか
夜遅くまで働いた翌朝に早朝勤務をさせていないか
休日にも頻繁に業務連絡をしていないか
こうした点は、今でも確認しておいた方がよいでしょう。
法改正が決まってから初めて自社の勤務体系を見るのではなく、今のうちに現在の労務管理に無理がないか確認して
おく。これが現実的な対応です。
ネットの記事を見て、慌てて就業規則を変更しないでください
法改正の話題が出ると、「2027年からこうなります」「全企業が対応必須です」「就業規則を今すぐ変更してください」
といった情報が一気に増えます。もちろん、将来の改正を知っておくことは大切です。しかし、審議会で検討されている
段階なのか。法律が成立したのか。公布されたのか。施行日はいつなのか。自社が実際に対象になるのか。
ここまで確認してから動いても遅くありません。
まだ決まっていない制度を前提に就業規則や勤務体系を変更して、後から内容が変われば、また修正することになります。
法改正情報は「確定したこと」と「検討中のこと」を分けて考えましょう
労働法改正は会社経営にも大きく影響します。
特にシフト勤務の会社や、介護・医療・飲食・運送など、勤務時間の調整が簡単ではない業種では、連続勤務規制や勤務間インターバル制度が今後どうなるかは重要な問題です。
だからこそ、必要以上に慌てるのではなく、現在の法律を守れているか確認する。今後の改正議論を把握する。
正式に決まった段階で自社に必要な対応をする。この順番で考えてください。
秋山社会保険労務士事務所では、就業規則、36協定、労働時間制度、勤務シフトなどの確認・見直しについてご相談をお受けしています。「ネットで労基法改正の記事を見たけれど、うちの会社は何をすればいいのか分からない」
そんな場合は、改正前の今の制度も含めて一度確認してみてはいかがでしょうか。
対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問
秋山社会保険労務士事務所
秋山社会保険労務士事務所の給与計算セカンドオピニオン
https://akiyamasr55.com/kyuuyokeisan
秋山社会保険労務士事務所の労務健康診断