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【労務】育児休業中の従業員に賞与を支給。保険料は免除なのに、なぜ賞与支払届が必要なの?

2026年08月26日 13:32

育児休業中の従業員に賞与を支給しました。育児休業中なので、賞与にかかる社会保険料は免除。

「保険料がかからないなら、賞与支払届も出さなくていいのでは?」

給与計算や社会保険手続き担当者様から、こんな相談があることがあります。

しかし、保険料が免除されていることと、賞与支払届を提出することは別の話です。

育児休業等による保険料免除期間中に支給した賞与についても、原則として賞与支払届の提出が必要です。

日本年金機構も、保険料免除期間中に支給された賞与について賞与支払届を提出し、標準賞与額として決定

するとしています。

なぜ保険料0円なのに届出するの?

賞与支払届は、単に「賞与から社会保険料をいくら徴収するか」を決めるためだけの届出ではありません。

会社から届け出た賞与額をもとに、標準賞与額が決定されます。

通常は、この標準賞与額に健康保険・厚生年金保険の保険料率を掛けて賞与にかかる保険料を計算します。

しかし育児休業等によって保険料が免除される場合は、標準賞与額そのものがなくなるわけではありません。

つまり、標準賞与額は決定する。ただし、要件を満たしていれば保険料は免除される。

という扱いになります。そのため、社会保険料を控除しない人だから、賞与支払届からも外しておこう。

としてしまうと間違いです。

標準賞与額は年金記録にも関係します

賞与支払届によって決定された標準賞与額は、厚生年金の年金額を計算する際の基礎にもなります。

日本年金機構も、賞与支払届の内容によって標準賞与額が決定され、被保険者が受給する年金額の計算の

基礎になるとしています。育児休業等による保険料免除期間については、本人負担分だけでなく事業主負担分も

免除されます。だからといって、単に「保険料を払っていない期間」として扱われる制度ではありません。

育児休業中の社会保険料免除は、将来の年金額にも配慮された仕組みになっています。

「保険料が0円だから届出も不要」と考えてしまうと、この制度の仕組みを取り違えてしまいます。

健康保険の標準賞与額の累計にも含まれます

もう一つ見落としたくないのが健康保険です。育児休業等による保険料免除期間中に支給された賞与についても、

標準賞与額として決定され、健康保険の年度の標準賞与額累計に含まれます。

つまり、「今回は保険料を取らないから、この賞与は社会保険上なかったことにする」という処理ではありません。

賞与を支給した事実そのものは、きちんと届け出る必要があります。

ただし「育休中なら賞与保険料は必ず免除」ではありません

ここは特に注意が必要です。

現在の制度では、育児休業中に賞与を支給したからといって、必ず賞与の社会保険料が免除されるわけでは

ありません。

令和4年10月1日以降に開始した育児休業等については、賞与を支給した月の末日を含み、連続して1か月を

超える育児休業等を取得していることが賞与保険料免除の要件となっています。

例えば、「月末に育休を取っているから賞与も免除」と機械的に判断すると間違えることがあります。

月額の社会保険料の免除要件と、賞与保険料の免除要件は同じではありません。

給与計算時には、育児休業中かどうかだけではなく、育児休業等の取得期間まで確認する必要があります。

「控除なし」に安心して、届出まで忘れていませんか?

実務では、給与計算ソフト上で育児休業者の社会保険料を0円にしたところで安心してしまい、その後の賞与

支払届まで確認できていないケースには注意が必要です。

賞与計算では、賞与支給額・社会保険料免除の要件・賞与支払届・標準賞与額・育児休業等取得者申出書

などを一連で確認する必要があります。

給与計算上の控除額が合っていることと、社会保険手続きが正しく完了していることは同じではありません。

「保険料免除=届出不要」ではありません

育児休業中の従業員に賞与を支給した場合、「社会保険料が0円だから処理完了」ではありません。

保険料免除の要件を確認したうえで、賞与支払届も適切に提出する必要があります。賞与支払届は原則として

賞与支給日から5日以内の提出です。

給与計算は数字を合わせるだけではなく、その後の社会保険手続きまでつながっています。

賞与計算の際には、「誰から社会保険料を控除するか」だけでなく、「誰について賞与支払届を提出する必要が

あるか」まで確認する。ここまで確認して、初めて賞与処理完了です。

秋山社会保険労務士事務所では、給与計算だけでなく、社会保険手続きや育児休業に関する実務まで含めて

労務管理を確認しています。

「給与計算はできている。でも社会保険の処理まで本当に合っているのか?」

気になる場合は、一度確認してみることをおすすめします。



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