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【労務】人が辞める会社は、給与が低いからとは限りません ―会社自身がルールを守っていますか?―

2026年08月23日 18:35

「最近、従業員がなかなか定着しない」「採用しても、しばらくすると辞めてしまう」

そんな相談を受けたとき、会社側からよく聞くのが、「うちは給与が低いからでしょうか」

「もっと福利厚生を充実させないとダメでしょうか」という話です。

もちろん、給与水準や待遇は人材定着にとって重要です。

しかし、人が辞める理由はそれだけではありません。

むしろ中小企業では、もっと基本的なところに問題が隠れていることがあります。

それが、「従業員にはルールを守るよう求めているのに、会社自身の労務管理ができていない」

という状態です。

従業員には厳しい。でも会社の管理はめちゃくちゃ

例えば会社では、従業員に対して、「遅刻するな」「期限を守れ」「会社のルールに従え」

「報告・連絡・相談をきちんとしろ」と求めます。これは組織を運営する以上、当然のことです。

ところが、その会社自身はどうでしょうか。

  • 雇用契約書や労働条件通知書の内容が曖昧

  • 社会保険や雇用保険の手続きが遅い

  • 給与計算を毎月のように間違える

  • 残業代の計算方法がよく分からない

  • 有給休暇の残日数が合っていない

  • 就業規則と実際の運用が違う

  • 給与明細を見ても手当の計算根拠が分からない

  • 昇給や手当の基準が担当者によって変わる

こんな状態になっていないでしょうか。

従業員からすれば、「私たちにはルールを守れと言うのに、会社は守らなくていいの?」という話になります。

給与計算や社会保険手続きは「会社への信用」に直結する

給与計算や社会保険の手続きは、単なる事務作業ではありません。

給与は従業員の生活そのものです。

社会保険の手続きも、健康保険や年金、各種給付など従業員の生活に直接関係します。

例えば、毎月のように給与計算を間違える会社。

社会保険に加入したはずなのに、いつまで経っても手続きされていない会社。

有給休暇の残日数を聞いても誰も分からない会社。

従業員はこうした小さな出来事をよく見ています。

一つ一つは小さなミスに見えても、それが積み重なると、「この会社、大丈夫なのか?」

という不信感につながります。

人が辞める前には、会社への信用が少しずつ減っている

従業員が退職すると、会社側は、「突然辞めた」「最近の若い人はすぐ辞める」と言うことがあります。

しかし、本当に突然だったのでしょうか。給与計算を間違えられた。社会保険の手続きが遅れた。

残業代について聞いても説明してもらえなかった。有給休暇を取得しようとすると嫌な顔をされた。

就業規則には書いてあるのに、実際の運用はまったく違った。上司によって言うことが変わる。

こうした出来事が少しずつ積み重なり、会社への信用残高が減っていく。

そしてある日、「もうこの会社で働き続けるのはやめよう」という判断につながります。

給与が数千円高い会社が見つかったから辞めるのではなく、その前にすでに会社に対する信頼が失われている

こともあります。

採用にお金をかける前に、足元の労務管理を見直す

人が辞めると、会社は求人を出します。

求人広告を出し、人材紹介会社を利用し、採用面接を行い、新しく入った従業員を教育します。

当然、時間もお金もかかります。それにもかかわらず、会社内部の労務管理が変わっていなければ、新しく

採用した人も同じ理由で辞める可能性があります。

穴の開いたバケツに水を入れ続けるようなものです。

採用活動を強化する前に、今いる従業員が安心して働ける会社になっているかを確認することも重要です。

福利厚生より先に整えるべきものがある

人材定着のために、「誕生日休暇を作ろう」「社員旅行をしよう」「福利厚生サービスを導入しよう」

と考える会社もあります。

もちろん、それらが悪いわけではありません。

しかし、その前に確認してほしいことがあります。毎月の給与は正しく計算されていますか。

社会保険・労働保険の手続きは適切に行われていますか。雇用契約書と就業規則の内容は整合していますか。

残業代や有給休暇について、会社がきちんと説明できますか。

こうした基本的な部分ができていない状態で福利厚生だけ充実させても、従業員の信頼は簡単には得られません。

人材定着の土台は、派手な制度ではなく、会社が当たり前のことを当たり前にやることだと考えます。

「うちの会社では昔からこうしている」が一番危ない

労務管理でよくあるのが、「昔からこの計算方法です」「前任者からこう引き継いでいます」

「今まで誰からも文句を言われませんでした」という説明です。

しかし、長年続いていることと、正しいことは別です。

むしろ何年も同じ運用を続けている会社ほど、就業規則、雇用契約書、給与計算、実際の勤務管理が

少しずつズレていることがあります。

問題が起きてから確認するのではなく、問題が起きる前にチェックしておくことが重要です。

人が辞める原因を「本人の問題」だけにしない

もちろん、すべての退職が会社の責任というわけではありません。

家庭の事情、転居、キャリアアップなど、会社ではどうすることもできない退職もあります。

しかし、人が何度も辞める会社には、何らかの共通した構造が隠れていることがあります。

給与計算・労働時間管理・就業規則・雇用契約・社会保険手続き・上司の対応・会社の説明不足。

こうした一つ一つを整理していくと、なぜ人が定着しないのかが見えてくることがあります。

人材定着は「労務管理の土台作り」から

従業員にルールを守ってもらいたいのであれば、まず会社自身もルールを守る。

これは非常にシンプルな話です。

正確な給与計算を行う。

必要な手続きを期限どおり行う。

労働条件を明確にする。

就業規則と実際の運用を合わせる。

従業員から質問されたときに、会社として説明できる状態にする。

こうした積み重ねが、「この会社なら安心して働ける」という信頼につながります。

人が辞める会社を変えるために必要なのは、必ずしも給与を大幅に上げることや、豪華な福利厚生を導入する

ことではありません。

まずは、会社の労務管理そのものを整えること。

そこから始めてみてはいかがでしょうか。

秋山社会保険労務士事務所では、給与計算、就業規則、雇用契約書、社会保険手続きなどを個別に見るだけ

ではなく、会社全体の労務管理が整合しているかという視点から確認しています。

「人を採用してもなかなか定着しない」「給与計算や就業規則に不安がある」

「自社の労務管理を一度まとめて点検したい」という事業所様は、お気軽にご相談ください。

人材定着対策は、採用活動の前に会社の足元を整えることから始まります。



対応地域:全国対応
主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
対応方法:チャットワーク、メール、オンライン面談、電話、訪問


秋山社会保険労務士事務所

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