【労務】会社のSNSやホームページに掲載した社員が退職。写真や動画、そのままで大丈夫?
2026年08月23日 18:43
会社のホームページやInstagram、Facebook、YouTube、採用ページなどに、従業員の写真や動画を
掲載している会社は珍しくありません。
では、その従業員が退職した場合、掲載している写真や動画はどうすればよいのでしょうか。
「もう退職したから、すぐ削除しないといけないの?」
「本人から何も言われていないから、そのままでいい?」こうした疑問を持つ会社もあるでしょう。
退職したからといって、一律にすべての写真や動画を直ちに削除しなければならない、と単純に判断できる
ものではありません。
大切なのは、掲載したときにどのような同意を得ていたのか、どのような目的で利用しているのか、
退職後の利用についてどのように取り扱うことになっているのかを確認することです。
従業員の写真も個人情報になり得ます
本人を判別できる写真画像は、一般的に個人情報に該当すると個人情報保護委員会も示しています。
写真を利用する場合には、その利用目的を本人へ通知したり、公表したりすることが必要になる場合があります。
さらに、会社のホームページやSNSは、社内掲示とは違い、不特定多数の人が閲覧する可能性があります。
採用活動や会社紹介のために従業員の顔写真や動画を公開する場合には、個人情報だけではなく、
肖像に関する本人の権利にも注意が必要です。
実際にハローワークでも、事業所のPR画像を公開する際には、第三者の肖像権などを侵害しないよう確認する
ことや、画像公開について承諾を得ることを案内しています。
まず確認したいのは「掲載時の同意」です
退職者の写真や動画が残っている場合、最初に確認したいのは、掲載するときにどのような同意を得ていたかです。
例えば、
・会社ホームページへの掲載
・InstagramなどSNSへの掲載
・YouTubeなど動画媒体への掲載
・採用ページや求人媒体への掲載
・会社案内やパンフレットへの掲載
など、どこまで利用することを本人に説明していたでしょうか。
単に、「会社の広報で写真を使っていいですか?」
という曖昧な確認だけでは、後になって認識の違いが生じる可能性があります。
できれば、掲載する媒体や利用目的、利用期間、退職後の取扱いなどについて、あらかじめ社内ルールを
決めておくことが望ましいでしょう。
退職したら掲載媒体を一度確認しましょう
退職手続きというと、
・社会保険の資格喪失
・雇用保険の資格喪失
・離職票
・給与や住民税の処理
・制服やパソコンなど貸与品の返却
などに目が向きがちです。
しかし現在では、ホームページやSNSなどの確認も退職時の重要なチェック項目になっています。
例えば、
・会社ホームページのスタッフ紹介
・採用ページ
・Instagram
・Facebook
・TikTok
・YouTube
・Googleビジネスプロフィール
・求人サイト
・会社案内や採用パンフレット
などに、退職した従業員の写真や動画が残っていないか確認してみましょう。
「まだ働いているように見える」問題もあります
法律上の問題だけではありません。
退職した従業員が、いつまでも会社ホームページの「スタッフ紹介」に掲載されていれば、閲覧者から見れば
現在も在籍しているように見えてしまいます。
採用ページで、「当社で活躍するスタッフです」として紹介している人がすでに退職している場合、会社の情報
としても正確とはいえません。
そのため、本人から削除依頼がなかったとしても、会社情報を最新の状態に保つという観点から、退職時に
掲載内容を見直すことには意味があります。
入社時からルールを決めておくとトラブルを防ぎやすい
一番困るのは、退職後になって初めて、「この写真、消してほしい」
「退職したのに、なぜまだ使っているのか」という話になることです。
そのため、従業員の写真や動画を会社の広報に利用する場合には、入社時や撮影時にルールを整理して
おくことをおすすめします。
例えば、
・どの媒体に掲載するのか
・何の目的で利用するのか
・退職後も利用する可能性があるのか
・本人から削除希望があった場合どう対応するのか
といった点を決めておけば、後のトラブルを減らしやすくなります。
退職時チェックリストに「HP・SNS確認」を加えましょう
従業員が退職するときは、行政手続きだけではなく、社内の情報管理も重要です。
メールアドレスや各種システムのアカウント停止と同じように、
「ホームページ・SNS・求人媒体に退職者が掲載されていないか」
という項目を退職時チェックリストに追加しておくとよいでしょう。
会社のSNSやホームページを積極的に活用する時代だからこそ、退職時の労務管理も従来の手続き
だけでは足りなくなっています。
従業員の写真や動画を広報に利用している会社は、一度社内ルールや退職時の運用を確認してみては
いかがでしょうか。
秋山社会保険労務士事務所では、就業規則、社内ルール、退職時の労務管理など、会社の実情に合わせた
労務管理のご相談を承っています。
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