【労務】助成金申請しすぎて、就業規則がぐちゃぐちゃになっていませんか?
2026年08月23日 18:43
助成金を申請する際、「この制度を就業規則に追加してください」「この手当について規定してください」
「この休暇制度を新設してください」といった形で、就業規則の変更が必要になることがあります。
一つひとつの変更自体には理由があります。
しかし、何年にもわたって助成金を申請するたびに条文を追加し続けた結果、
就業規則全体が分かりにくくなってしまっている会社もあります。
助成金のたびに条文を「継ぎ足し」していませんか?
例えば、
・過去に作った正社員転換制度
・別の助成金申請時に追加した転換制度
・育児や介護に関する独自制度
・助成金申請のために新設した手当
・現在は利用していない休暇制度
などが、そのまま就業規則に残っているケースです。
その結果、「似たような制度が別々の条文に書かれている」「どちらの条文を適用すればよいか分からない」
といった状態になることがあります。
給与規程や雇用契約書とズレていることも
就業規則だけを変更していると、別の問題も起こります。
例えば就業規則では手当を支給すると規定しているのに、給与規程にはその手当が
記載されていない。
あるいは就業規則にある雇用区分と、実際に使用している労働条件通知書の雇用区分が
一致していない。このように、就業規則・給与規程・雇用契約書・実際の運用がバラバラに
なってしまうことがあります。
「助成金をもらえたから終わり」ではありません
助成金の支給決定を受けることはもちろん重要です。
しかし、そのために作った制度や規程は、助成金の申請が終わった後も会社のルールとして残ります。
つまり、就業規則に書いた以上、「助成金申請のときだけ必要だったから」
では済まない可能性があります。
従業員から制度の利用を申し出られたり、労務トラブルが起きたりした際には、会社自身が作った
就業規則の内容が問題になることがあります。
実際の運用と合っているか確認しましょう
就業規則は、助成金を受給するためだけの書類ではありません。
会社と従業員の労働条件や職場のルールを定める重要なものです。
そのため、
・現在使っていない制度が残っていないか
・同じような条文が重複していないか
・条文同士で矛盾していないか
・給与規程との整合性が取れているか
・雇用契約書と内容が一致しているか
・実際の会社運用と合っているか
などを定期的に確認することが大切です。
過去に何度も助成金を申請した会社こそ「棚卸し」を
特に注意したいのが、これまで複数の助成金を利用してきた会社です。
その都度、別々の担当者や専門家が就業規則を変更している場合、全体の整合性まで確認
されていないこともあります。
就業規則を一条ずつ追加していった結果、数年後には誰も全体像を把握できなくなっていた、
ということにならないよう注意しましょう。
一度、「今の会社の実態に、この就業規則は本当に合っているのか?」
という視点で見直してみることをおすすめします。
まとめ
助成金を活用すること自体は、会社にとって有効な選択肢の一つです。
しかし、助成金申請のたびに就業規則へ条文を追加し続けるだけでは、規程そのものが複雑になり、
かえって労務管理上のリスクを生むことがあります。
助成金のための就業規則ではなく、会社が実際に運用できる就業規則にすることが大切です。
過去に何度も助成金を申請している会社は、この機会に就業規則や給与規程、雇用契約書などを
まとめて確認してみてはいかがでしょうか。
秋山社会保険労務士事務所では、就業規則の作成・変更、各種規程の整備、助成金申請などに
ついてご相談を承っております。
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