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【労務】従業員50人未満の会社もストレスチェックが義務化されます

2026年08月01日 09:28

労働安全衛生法の改正により、2028年4月1日から、従業員50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が

義務づけられます。

従業員が10人、20人、30人程度の会社にも関係する改正です。

小規模な会社ほど、実施を担当できる人材や産業医とのつながりがないことも多いため、義務化の直前ではなく、

今から準備を始めることが大切です。

ストレスチェックとは

ストレスチェックとは、従業員が質問票に回答し、自分のストレス状態を確認する制度です。

主な目的は、従業員自身にストレスへの気づきを促し、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことです。

高いストレス状態にあり、一定の要件を満たす従業員が申し出た場合には、医師による面接指導につなげます。

単なる社内アンケートや満足度調査とは異なり、労働安全衛生法に基づいて実施する制度です。

会社全体ではなく「事業場単位」で判断します

50人未満かどうかを判断する際は、会社全体の人数だけを見るとは限りません。

原則として、本社、支店、営業所、店舗、工場など、場所的・組織的に独立した「事業場」

ごとに判断します。

例えば、会社全体では80人でも、本社30人、工場30人、店舗20人に分かれている場合、それぞれ50人未満の

事業場として扱われる可能性があります。

今回の義務化は、このような小規模事業場にも及びます。

「会社全体で何人いるか」だけで判断せず、自社の事業場をどの単位で数えるのか確認しておく必要があります。

社長が従業員の結果を自由に見られる制度ではありません

ストレスチェックの個人結果は、原則として従業員本人に直接通知されます。

本人の同意がなければ、会社が結果を自由に見ることはできません。

小規模な会社では、経営者と従業員の距離が近いため、

「誰が高ストレスだったのか知りたい」「結果を見て配置を考えたい」と思うかもしれません。

しかし、個人の検査結果は慎重に取り扱う必要があります。

ストレスチェックを受けなかったことや、結果の提供に同意しなかったことなどを理由に、不利益な

取扱いをしてはいけません。

特に少人数の職場では、個人が推測されやすいため、結果の管理方法や担当者の選定を事前に決めて

おくことが重要です。

高ストレス者への対応体制も必要です

ストレスチェックを実施して結果を返すだけでは、会社の対応は終わりません。

高ストレス者に該当し、医師による面接指導が必要と判断された従業員から申出があった場合、

会社は面接指導を実施する必要があります。

しかし、50人未満の会社では、日頃から相談できる産業医や医師がいないケースもあります。

そのため、義務化までに、

  • ストレスチェックを誰に実施してもらうか

  • 医師の面接指導をどこへ依頼するか

  • 従業員からの申出を誰が受け付けるか

  • 個人情報を誰が管理するか

  • 医師から意見が出た場合に誰が対応するか

を決めておく必要があります。

厚生労働省は、50人未満の事業場向けに実施マニュアルを公表しています。また、地域産業保健センターでは、

小規模事業場を対象に、高ストレス者などへの医師による面接指導を含む産業保健サービスが無料で提供されています。

ストレスチェックを実施すれば休職を防げる?

ストレスチェックを実施しただけで、メンタルヘルス不調や休職がなくなるわけではありません。

結果から職場の問題を把握し、必要な改善を行うことが重要です。

例えば、

  • 特定の従業員に仕事が集中している

  • 慢性的な長時間労働がある

  • 上司の指示が曖昧で頻繁に変わる

  • 人手不足を残業で補っている

  • 有給休暇を取得しにくい

  • ハラスメントの相談先が機能していない

  • 休職や復職のルールが整っていない

といった問題があれば、ストレスチェックを毎年行っても、職場の状況は改善しません。

ストレスチェックは、従業員がストレスに強いか弱いかを調べる制度ではありません。

会社の働かせ方や職場環境を見直す入口として活用することが大切です。

50人未満の会社が今から確認したいこと

2028年4月1日の義務化に向けて、次の点を確認しておきましょう。

  • 自社の従業員数を事業場単位で把握しているか

  • ストレスチェックの実施先を検討しているか

  • 制度を担当する社内担当者を決めているか

  • 個人結果を適切に管理できる体制があるか

  • 医師による面接指導の依頼先があるか

  • 従業員への説明方法を決めているか

  • 長時間労働やハラスメント対策も確認しているか

  • 休職・復職に関する就業規則が整備されているか

義務化まで時間があるように見えますが、実施先の選定、社内ルールの整備、従業員への説明まで考えると、

早めの準備が必要です。

義務化の前に労務管理を点検しませんか

ストレスチェックは、単独で実施すればよい制度ではありません。

長時間労働の管理、ハラスメント対策、相談窓口、休職・復職制度など、会社の労務管理全体と関係します。

ストレスチェックを実施して高ストレス者が見つかっても、就業規則に休職や復職のルールがなければ、

会社は対応に迷うことになります。

秋山社会保険労務士事務所の労務監査では、

  • 労働時間や残業時間

  • 年次有給休暇の取得状況

  • ハラスメント対策

  • 相談窓口

  • 休職・復職制度

  • 就業規則

  • 安全衛生管理体制

  • ストレスチェック義務化への準備状況

などを確認し、会社に潜む労務リスクと必要な改善点を整理します。

「50人未満なので、これまで何も準備していなかった」

「誰にストレスチェックを依頼すればよいか分からない」

「休職者が出た時の制度が整っていない」

このような会社は、義務化の直前になって慌てるのではなく、今のうちに労務管理を点検して

みてはいかがでしょうか。

2028年4月1日からは、従業員50人未満の事業場も無関係ではありません。

小規模な会社だからこそ、無理なく実施できる体制を早めに整えておくことが大切です。



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