【障害年金】20歳から国民年金保険料を一度も払っていません。ずっと免除ですが、それでも障害年金を受給できる可能性はありますか?
2026年09月09日 08:23
20歳になってから国民年金保険料を一度も払ったことがありません
「収入が少なかったため、ずっと国民年金保険料の免除を受けています」
「こんな私でも、障害年金を受給できる可能性はあるのでしょうか?」
このような疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
「年金保険料を一度も払っていないのだから、障害年金なんてもらえない」
と思って、最初から申請を諦めてしまう方もいるかもしれません。
しかし、結論からいうと、20歳から国民年金保険料を一度も実際に支払っていなくても、
正式に保険料免除などの承認を受けていたのであれば、障害年金を受給できる可能性があります。
ここで非常に重要なのが、「免除」と「未納」はまったく違うということです。
「一度も払っていない」だけでは判断できません
障害年金のご相談では、「国民年金を払っていませんでした」という話を聞くことがあります。
しかし、その言葉だけで、「それなら障害年金は無理ですね」と判断することはできません。
確認しなければならないのは、本当に未納だったのか、それとも正式な免除・納付猶予などの承認を
受けていたのかということです。
国民年金には、所得が少ない場合などに保険料の納付を免除・猶予してもらえる制度があります。
正式に承認された全額免除期間や納付猶予期間などは、障害年金の保険料納付要件を確認するときに、
単なる未納期間とは異なる扱いになります。
ですから、「現金で保険料を払っていない=未納」ではありません。ここを勘違いしないことが大切です。
障害年金には「保険料納付要件」があります
障害基礎年金を受給するためには、障害の状態だけではなく、原則として一定の保険料納付要件を
満たす必要があります。
原則的な要件では、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、
保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上
あることが必要です。つまり、「実際にいくら払ったのか」だけを見るわけではありません。
正式な保険料免除期間も含めて判定されます。
例えば、20歳からずっと国民年金に加入し、その期間についてすべて全額免除の承認を受けていた方であれば、
「一度も現金で保険料を払ったことがない」ことだけを理由に、保険料納付要件を満たさないとはいえません。
「免除」と「未納」は全く違います
ここが今回一番お伝えしたいところです。
例えば、20歳から30歳まで国民年金保険料を一度も自分で納付していなかったAさんとBさんがいたとします。
Aさんは、毎年きちんと手続きを行い、全額免除の承認を受けていました。
一方、Bさんは何の手続きもせず、保険料を払わないまま放置していました。
二人とも、「国民年金保険料を一度も払っていない」という点だけを見れば同じです。
しかし、年金記録上の意味は大きく違います。Aさんは「免除」。Bさんは「未納」。
障害年金の保険料納付要件を考えるうえでは、この違いが非常に重要になります。
一部免除だった方は注意が必要です
国民年金保険料の免除には、全額免除だけではなく、一部免除もあります。
例えば、4分の3免除、半額免除、4分の1免除などです。
一部免除の場合は、免除されなかった残りの保険料を納付していることが重要です。
例えば半額免除の承認を受けたにもかかわらず、残りの半額を支払っていなければ、その期間は未納として
扱われることがあります。
ですから、「免除を受けていました」という場合でも、全額免除だったのか、一部免除だったのか
まで年金記録を確認する必要があります。
納付猶予や学生納付特例の期間は?
若い頃に、「学生だったので学生納付特例を利用していました」「収入が少なかったので納付猶予を受けて
いました」という方もいるでしょう。
こうした承認を受けていた期間についても、障害年金の保険料納付要件を確認する際には重要になります。
つまり障害年金の相談では、払った・払っていないだけで判断するのではなく、その払っていない期間が、
年金記録上どのように扱われているのかを見る必要があります。
病気になってから慌てて免除申請すればいいわけではありません
ここも注意が必要です。
障害年金の保険料納付要件は、原則として初診日の前日における年金記録を基準に確認します。
そのため、病気になった・障害年金を申請したい・そういえば国民年金が未納だった・今から過去の期間を
免除にしてもらおうと考えても、それですべて解決するとは限りません。
障害年金を考える場合には、初診日の前日時点で、どのような年金記録になっていたのか
を確認することが非常に重要です。
20歳前に初診日がある場合は、さらに話が違います
なお、障害の原因となった病気やけがの初診日が、20歳前の年金制度に加入していない期間にある場合には、
原則として保険料納付要件は問われません。
そのため、「20歳になってから国民年金保険料を払っていない」という話だけを聞いて、障害年金を受給
できるかどうかを判断することはできません。
まず、初診日はいつだったのかを確認する必要があります。
免除だと障害年金の金額も半分になるのでしょうか?
ここも誤解されやすいところです。
全額免除の期間があると、将来受給する老齢基礎年金については、全額納付した場合と比べて年金額への
反映が少なくなります。
そのため、「ずっと全額免除なら、障害基礎年金も半分になるのでは?」と思う方がいるかもしれません。
しかし、障害基礎年金はそのような計算ではありません。
障害基礎年金は、要件を満たして受給権が認められれば、障害等級に応じて年金額が決まります。
「国民年金保険料を全額免除されていたから、障害基礎年金も半額になる」という仕組みではありません。
老齢年金と障害年金を混同しないことが大切です。
「一度も払っていないから無理」と自己判断しないでください
障害年金の相談で重要なのは、「私は年金を払っていました」「私は払っていませんでした」
という本人の記憶だけではありません。
実際の年金記録を確認して、
保険料納付済期間
全額免除期間
一部免除期間
納付猶予期間
学生納付特例期間
未納期間
などを整理する必要があります。そして、その記録を初診日との関係で確認することが重要です。
「20歳から一度も国民年金保険料を払っていない」という方でも、ずっと正式な全額免除などの承認を
受けていたのであれば、障害年金を受給できる可能性があります。
反対に、「免除だったと思う」というだけでは判断できません。
実際の年金記録を確認する必要があります。
障害年金を諦める前に、年金記録を確認してみませんか?
「国民年金を一度も払ったことがないから、障害年金は無理だと思っていた」
「免除と未納の違いを知らなかった」「自分の年金記録がどうなっているのか分からない」
「保険料納付要件を満たしているのか確認してほしい」このような方もいらっしゃると思います。
秋山社会保険労務士事務所では、障害年金のご相談・請求手続きのサポートを行っています。
障害年金は、病気や障害の状態だけではなく、初診日や年金加入記録、保険料納付要件などを
確認して申請を進めます。
「一度も払っていない」という理由だけで、最初から障害年金を諦めないでください。
大切なのは、「払ったか、払っていないか」ではなく、「その期間が納付・免除・猶予・未納の
どれなのか」を確認することです。
秋山社会保険労務士事務所
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