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【障害年金】63歳、老齢年金を繰上げ受給中。病気が悪化したら障害年金を事後重症請求できますか?

2026年09月06日 07:21

「現在63歳です。老齢年金を繰上げして受給しています。最近、以前から治療していた病気が悪化しました。

まだ65歳になっていないので、障害年金を事後重症請求できますか?」

このようなケースでは注意が必要です。

結論から申し上げると、老齢年金を繰上げ請求した後は、原則として事後重症による障害基礎年金・

障害厚生年金を請求することはできません。

「まだ63歳だから、65歳までなら障害年金を請求できるのでは?」

と思われるかもしれませんが、老齢年金の繰上げ請求をしている場合は話が変わります。

そもそも「事後重症請求」とは?

障害年金では、原則として初診日から1年6か月を経過した日などが「障害認定日」となります。

障害認定日の時点では障害年金の等級に該当するほど重くなかったものの、その後病気やケガが悪化し、

障害等級に該当する状態になった場合に行う請求が「事後重症による請求」です。

通常、事後重症による請求は、65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。

また、認められた場合は請求した日の翌月分から障害年金が支給されます。

そのため、「現在63歳だからまだ間に合う」と考えてしまいそうです。

しかし、ここに老齢年金の繰上げ受給という大きな注意点があります。

老齢年金を繰上げした後は事後重症請求ができない

老齢基礎年金・老齢厚生年金は、原則65歳から受給しますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に

繰上げて受給することができます。ところが、日本年金機構は繰上げ受給の注意点として、

繰上げ請求をした日以後は、事後重症などによる障害基礎年金・障害厚生年金を請求することができない

と明示しています。

つまり、63歳であることだけを見て判断してはいけません。

例えば、

  • 61歳から老齢年金を繰上げ受給

  • 現在63歳

  • 以前から治療していた病気が最近悪化

  • 現在の状態で障害年金を事後重症請求したい

というケースでは、すでに老齢年金の繰上げ請求をしているため、原則として事後重症請求をすることはできません。

「65歳になる前だから大丈夫」というわけではないのです。

老齢年金の繰上げは、単に年金額が減るだけではありません

老齢年金の繰上げ受給について、「早く年金を受け取れる代わりに、毎月の年金額が少し減る制度」

というイメージを持っている方も多いかもしれません。

もちろん、繰上げ請求をすると、その時期に応じて老齢年金が減額され、その減額率は生涯変わりません。

しかし、注意点はそれだけではありません。日本年金機構では、繰上げ受給について、

  • 繰上げ請求後は取り消すことができない

  • 老齢年金の減額率は生涯変わらない

  • 事後重症などによる障害年金を請求できなくなる

といった注意点を案内しています。

特に、現在治療中の病気がある方や持病を抱えている方は、将来病状が悪化する可能性も考えておかなければ

なりません。日本年金機構も、事後重症による障害年金を請求できなくなる点について、治療中の病気や持病が

ある方は注意するよう案内しています。

では、障害年金はすべて請求できないのでしょうか?

ここも重要です。「老齢年金を繰上げている=障害年金について何を調べても絶対に無理」

と単純に判断するのも適切ではありません。

障害年金には、今回取り上げている「事後重症請求」とは別に、障害認定日による請求があります。

障害認定日の時点ですでに障害等級に該当する状態であった場合には、障害認定日による請求を検討することに

なります。障害認定日請求の場合、請求自体は障害認定日以降に行うことができますが、実際に遡って支給される

年金には原則5年の時効があります。

ただし、

  • 初診日はいつか

  • 障害認定日はいつか

  • 老齢年金を繰上げ請求した日はいつか

  • 障害認定日時点でどの程度の障害状態だったのか

などによって検討内容が変わります。

したがって、「繰上げしているから全部ダメ」と自己判断するのではなく、まず初診日や障害認定日、

繰上げ請求日を整理することが重要です。

「病気が悪くなってから考えればいい」では遅いことがあります

老齢年金の繰上げ請求は、一度行うと原則として取り消すことができません。

そのため、「生活費が必要だから、とりあえず早く老齢年金をもらおう」と考える場合でも、

現在治療している病気や持病があるのであれば、障害年金への影響も含めて慎重に検討した方がよいでしょう。

例えば、繰上げ請求をした数年後に病状が悪化してから、

「障害年金を請求しようと思ったら、事後重症請求ができなかった」

ということになっても、繰上げ請求を取り消して元に戻すことはできません。

老齢年金と障害年金は別々の制度に見えますが、実際には一方の手続きがもう一方の請求に影響する場合があります。

63歳だから請求できる、とは限りません

障害年金の事後重症請求は65歳前まで可能です。

しかし、「65歳前かどうか」だけで判断してはいけません。

老齢年金を繰上げ請求している場合には、事後重症による障害年金を請求できないという重要な制限があります。

一方で、障害認定日による請求を検討できるケースなどもあるため、「繰上げ受給中だから障害年金は絶対に無理」

と最初から諦めるのも早い場合があります。

障害年金は、初診日、障害認定日、現在の障害状態、年金加入歴、保険料納付要件、老齢年金の繰上げ請求日

などを一つずつ確認して判断する必要があります。

秋山社会保険労務士事務所では、障害年金の請求について個別の状況を確認しながらサポートしています。


秋山社会保険労務士事務所
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