【労務】御社の店や工場の求人の張り紙に「35歳くらいまでの男性募集」と書いていませんか?
2026年08月06日 08:21
人手不足のため、店や工場の前に手書きの求人募集を貼り出している会社もあると思います。
その張り紙に、次のような表現を使っていないでしょうか。
「35歳くらいまでの方を募集」「若い男性を募集」「男性スタッフ歓迎」「20代の女性パート募集」
昔から何となく使われてきた表現かもしれませんが、募集・採用では、原則として年齢や性別を
限定することはできません。
店頭の張り紙も求人募集です
「ハローワークや求人サイトに掲載するわけではなく、自社の前に張り紙を貼っているだけだから問題ない」
そう考える方もいるかもしれません。
しかし、年齢制限の禁止は、ハローワークや民間の求人媒体を利用する場合だけでなく、事業主が直接募集
する場合にも広く適用されます。
したがって、店や工場の前に貼り出す求人の張り紙も対象になります。
「35歳くらいまで」は原則として認められません
労働施策総合推進法では、事業主は、募集・採用において年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければ
ならないとされています。
そのため、一定の例外に該当する場合を除き、求人の年齢は原則として不問にしなければなりません。
「35歳以下」だけでなく、「35歳くらいまで」「若い方を希望」「35歳未満の方歓迎」
などの表現も、実質的に年齢を制限していると判断される可能性があります。
ただし、定年年齢を上限として無期雇用の労働者を募集する場合や、長期勤続によるキャリア形成を目的
として若年者を募集する場合など、法令上の例外事由に該当すれば、年齢制限が認められることがあります。
単に「若い人の方が動きやすいから」「以前から35歳までで募集しているから」という理由だけでは、
年齢を限定する根拠にはなりません。
「男性募集」「女性募集」も原則禁止です
男女雇用機会均等法では、事業主は労働者の募集・採用について、性別にかかわりなく均等な機会を
与えなければならないとされています。
そのため、
「営業職は男性のみ」「事務員は女性のみ」「男性歓迎」「女性向きの仕事です」
など、募集対象を一方の性別に限定したり、一方の性別を優遇したりする表現は原則として認められません。
実際に男性しか働いていない職場や、これまで女性しか応募してこなかった仕事であっても、
それだけで性別を限定してよいことにはなりません。
業務の性質上、一方の性別でなければならない特別な事情がある場合などには例外もありますが、
適用される場面は限定されています。
求人の張り紙を一度確認しましょう
店先や工場の前に求人を貼り出している会社は、次のような表現が残っていないか確認してみましょう。
「○歳まで」「若い方募集」「男性募集」「女性パート募集」
例えば、次のような記載であれば、年齢や性別ではなく仕事内容や職場環境を伝えられます。
「年齢・性別不問」「未経験者歓迎」「重量物を扱う作業があります」
「子育て中の方も働きやすい勤務時間です」「幅広い年代の方が活躍しています」
採用したい人物像がある場合でも、年齢や性別で限定するのではなく、必要な経験、資格、能力、
勤務条件などを具体的に記載することが大切です。
求人票と実際の労働条件のズレにも注意
求人の張り紙を見直す際は、年齢や性別だけでなく、次の内容も確認しておきましょう。
賃金額
勤務時間
休憩時間
休日
試用期間
残業の有無
固定残業代の内容
雇用期間
社会保険の加入条件
求人の内容と、採用時に交付する労働条件通知書の内容が違っていると、入社後のトラブルにつながります。
昔作った求人の張り紙をそのまま使い続けている会社は、現在の労働条件と一致しているかも併せて確認
しておきましょう。
まとめ
店や工場の前に貼り出す求人の張り紙であっても、募集・採用に関するルールは適用されます。
「35歳くらいまでの男性募集」といった表現は、年齢制限と性別限定の両方で問題となる可能性があります。
昔から使用している張り紙だからと安心せず、一度内容を見直してみてください。
秋山社会保険労務士事務所では、求人内容、労働条件通知書、雇用契約書などの確認・作成を行っています。
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