【障害年金】病院を転々としていても、障害年金は請求できる?
2026年08月27日 08:40
障害年金のご相談では、
「これまでに何度も病院を変わっています」「最初に受診した病院と、現在の病院が違います」
「転院が多いので、障害年金は申請できないのでしょうか」という質問をよくいただきます。
結論から申し上げると、病院を何度も転院していても、それだけで障害年金を請求できなくなる
わけではありません。
ただし、転院歴が多い場合は、最初に受診した日や、その後の治療経過を正確に整理することが
重要になります。
転院していても障害年金は請求できる
障害年金の請求では、最初に受診した病院と、現在通院している病院が同じである必要はありません。
例えば、
最初は内科を受診した
その後、専門病院を紹介された
引っ越しによって別の病院へ転院した
主治医の退職や病院の閉院により転院した
といったケースでも、障害年金を請求できる可能性があります。
初診時の医療機関と、障害年金の診断書を作成する医療機関が異なる場合には、原則として初診日の
確認のために「受診状況等証明書」が必要になります。
障害年金では「初診日」が重要
障害年金における初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の
診療を受けた日のことです。
現在の病院を初めて受診した日ではありません。
例えば、うつ病で現在の精神科に通院している場合でも、それ以前に不眠、食欲不振、動悸などを訴えて
別の内科を受診していれば、その内科の受診日が初診日となる可能性があります。
初診日は、次のような事項を判断する基準になります。
障害基礎年金と障害厚生年金のどちらになるか
保険料の納付要件を満たしているか
障害認定日がいつになるか
そのため、単に「現在の症状が重い」というだけでなく、病気に関する最初の受診日を確認
しなければなりません。
最初の病院と現在の病院が違っても問題ない
初診日の証明を行う病院と、現在の障害状態について診断書を作成する病院は、別の医療機関でも構いません。
一般的には、
最初の病院から「受診状況等証明書」を取得する
現在の病院で障害年金用の診断書を作成してもらう
これまでの経過を「病歴・就労状況等申立書」に記載する
という流れで手続きを進めます。
日本年金機構も、初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合には、初診日を確認する
ための書類として受診状況等証明書を案内しています。
初診の病院が閉院している場合はどうする?
転院から長い年月が経過している場合、
「最初の病院がすでに閉院している」
「カルテの保存期間が過ぎている」
「受診状況等証明書を書いてもらえない」
ということがあります。
このような場合でも、すぐに障害年金の請求を諦める必要はありません。
受診状況等証明書を取得できないときは、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を提出し、
初診日を確認できる参考資料を添付する方法があります。
参考資料として検討されるものには、例えば次のようなものがあります。
診察券
お薬手帳
当時の処方箋
健康保険の給付記録
紹介状
健康診断の記録
身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の申請時の診断書
当時の受診状況を知る第三者の申立書
ただし、どの資料を提出すれば必ず初診日が認められる、というものではありません。資料の内容や
整合性を含めて個別に判断されます。
転院歴は時系列で整理する
病院を何度も変わっている場合は、記憶だけに頼って申請書を作成すると、受診歴に食い違いが
生じることがあります。
まずは、次の内容を時系列で書き出してみましょう。
いつ頃から症状が出たか
最初に受診した病院名
受診した時期
どのような症状を訴えたか
どのような治療や投薬を受けたか
転院した理由
次の病院を受診するまでに空白期間があったか
症状が生活や仕事にどのような影響を与えたか
病歴・就労状況等申立書は、障害状態や治療経過を確認するための補足資料です。病院ごとの受診期間
だけでなく、通院していなかった期間についても、当時の状態を整理して記載する必要があります。
通院を中断していた期間があっても諦めない
症状が改善したため通院をやめた人もいれば、症状が重くて外出できなかった人、経済的な理由で通院を
続けられなかった人もいます。
通院していない期間があるからといって、直ちに障害年金を請求できなくなるわけではありません。
ただし、その期間に、
症状が改善していたのか
症状は続いていたが受診できなかったのか
仕事や日常生活はどのような状態だったのか
を整理して説明することが大切です。
また、長期間にわたって症状がなく、通常の生活や就労ができていた場合には、その後の受診が別の傷病に
よる初診日と判断される可能性もあります。
病院を転々としている人ほど、早めの確認が重要
初診日の病院が古いほど、カルテや受診記録が残っていない可能性が高くなります。
「まだ障害年金を請求するか決めていない」という段階でも、初診の病院に記録が残っているかを確認
しておくことには意味があります。
時間が経過してから確認しようとしても、病院の閉院や記録の廃棄によって、証明が難しくなることが
あるためです。
まとめ
病院を何度も転院していても、障害年金を請求できる可能性はあります。
大切なのは、
障害の原因となった病気の初診日を確認する
病院ごとの受診歴を時系列で整理する
初診の病院から受診状況等証明書を取得する
証明書を取得できない場合は、参考資料を集める
診断書と申立書の内容に食い違いがないようにする
ことです。
転院歴が多いケースでは、どの受診日が初診日に当たるのか、どの病院にどの書類を依頼するのかを
判断するだけでも複雑になります。
「昔の病院を覚えていない」「最初の病院が閉院している」「診断名が途中で変わっている」
という場合でも、最初から諦めず、受診歴や手元の資料を一つずつ確認することが大切です。
秋山社会保険労務士事務所では、転院歴の整理、初診日の確認、医療機関へ依頼する書類のご案内、
病歴・就労状況等申立書の作成など、障害年金の請求をサポートしています。
病院を何度も転院しており、障害年金を請求できるか分からない方も、お気軽にご相談ください。
秋山社会保険労務士事務所
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