【障害年金】医師から「障害者手帳の診断書と同じように書いておくね」と言われたら?
2026年08月03日 08:14
障害年金の診断書を医師へ依頼した際に、
「以前書いた障害者手帳の診断書と、同じように書いておきますね」
と言われることがあります。
このようなとき、そのままお願いしてよいのでしょうか。
障害者手帳と障害年金は、どちらも障害に関する制度ですが、審査の目的や基準は
同じではありません。
そのため、障害者手帳の診断書とまったく同じ感覚で作成されると、障害年金の審査に
必要な生活状況が十分に伝わらない可能性があります。
障害者手帳と障害年金は別の制度
障害者手帳は、障害のある方が福祉サービスや各種支援を利用するための制度です。
一方、障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事に一定の制限がある場合に
支給される公的年金です。
障害年金には傷病に応じた専用の診断書があり、使用する様式や記載すべき時点を確認した
うえで作成する必要があります。日本年金機構も、診断書を作成する前に年金事務所などへ
相談するよう案内しています。
したがって、障害者手帳の等級や診断書の内容が、そのまま障害年金の審査結果につながる
わけではありません。
医師にはどのように伝えればよい?
医師から「手帳のときと同じように書く」と言われても、強い口調で否定したり、希望する等級や
表現を指定したりすることは避けましょう。
次のように、丁寧に伝える方法があります。
今回は障害年金専用の診断書で、障害者手帳とは別の審査になると聞いています。
現在の日常生活や仕事で困っていることについて、改めて確認していただけますでしょうか。
大切なのは、医師に結論を求めることではなく、現在の状態を正確に把握してもらうことです。
診察室で伝えておきたいこと
診察時間が短いと、家庭での困りごとまでは医師に十分伝わっていないことがあります。
例えば、次のような状況があれば具体的に説明しましょう。
食事を用意できず、家族に準備してもらっている
掃除や洗濯を一人では続けられない
金銭管理や服薬管理に援助が必要
一人で外出することが難しい
欠勤、遅刻、早退が多い
短時間勤務や業務軽減などの配慮を受けている
家族の声かけがなければ通院できない
調子の悪い日は一日中横になっている
単に「できます」「働いています」と伝えるだけではなく、誰かの援助を受けているのか、
無理をして行っているのか、どの程度安定してできるのかまで伝えることが重要です。
手帳の診断書を参考にすること自体が悪いわけではない
過去に作成された障害者手帳の診断書を、病歴や症状を確認するための参考資料にすること
自体は問題ではありません。
ただし、障害年金には障害年金専用の診断書があり、傷病ごとに確認される項目も異なります。
精神の障害用をはじめ、眼、聴覚、肢体、呼吸器、循環器、腎疾患など、複数の専用様式が用意されています。
そのため、
「前回と同じ内容を書けばよい」
と考えるのではなく、障害年金の診断書で求められている事項を、現在の状態に基づいて記載してもらう
必要があります。
完成した診断書も確認しましょう
診断書を受け取ったら、封を開けてはいけないと案内されている場合を除き、提出前に内容を
確認しましょう。
医師の医学的判断を書き換えてもらうことはできませんが、次のような点は確認が必要です。
氏名や生年月日が間違っていないか
現症日が必要な期間に入っているか
記載漏れがないか
通院歴や就労状況に明らかな事実誤認がないか
医師に伝えた生活状況が反映されているか
障害年金は、診断書だけでなく、初診日や保険料納付要件なども含めて審査されます。障害厚生年金では、
初診日、納付要件、障害等級への該当が受給要件となります。
内容に疑問がある場合は、自分の判断だけで提出せず、年金事務所や障害年金を扱う専門家へ相談する方法も
あります。
まとめ
医師から、「障害者手帳の診断書と同じように書いておくね」
と言われても、医師を責めたり、希望する内容を指示したりする必要はありません。
障害者手帳と障害年金は別の制度であることを丁寧に伝え、障害年金用の診断書として、現在の日常生活や
就労状況を改めて確認してもらいましょう。
障害年金では、病名だけでなく、病気や障害によって日常生活や仕事にどの程度の支障が生じているか
を正確に伝えることが大切です。
秋山社会保険労務士事務所では、診断書を医師へ依頼する際のポイントや、病歴・就労状況等申立書の
作成を含め、障害年金の請求手続きをサポートしています。
診断書の依頼方法に不安がある方は、お気軽にご相談ください。