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【障害年金】障害年金を受給したら、国民年金保険料は払わなくていい?法定免除を解説

2026年07月31日 08:31

障害年金を受給することになった方から、よく聞かれる質問があります。

「障害年金を受給したら、国民年金保険料は払わなくてもよいのでしょうか?」

障害基礎年金や障害厚生年金の1級または2級を受給している方は、一定の要件を満たすと、

国民年金保険料の法定免除を受けることができます。

ただし、障害年金を受給している人が全員、自動的に国民年金保険料を払わなくてよくなる

わけではありません。

障害年金の等級、国民年金の加入区分、手続きの有無などによって取扱いが異なります。

今回は、障害年金受給者の国民年金保険料の法定免除について解説します。

国民年金保険料の法定免除とは

国民年金保険料の法定免除とは、法律で定められた一定の要件に該当する方について、届出を行う

ことで国民年金保険料の納付が免除される制度です。

所得が少ないことなどを理由に申請する「申請免除」とは異なり、法律に定められた免除事由に

該当することで適用されます。

日本年金機構によると、障害基礎年金または被用者年金の障害年金のうち、障害等級1級または2級を

受給している方は、国民年金保険料の法定免除の対象となります。

法定免除の対象になる障害年金

法定免除の対象になるのは、主に次の障害年金を受給している方です。

  • 障害基礎年金1級

  • 障害基礎年金2級

  • 障害厚生年金1級

  • 障害厚生年金2級

  • 障害共済年金1級または2級など

ここで注意したいのが、障害厚生年金3級は法定免除の対象にならないという点です。

「障害年金を受給しているから国民年金保険料はすべて免除になる」と考えるのではなく、受給している

障害年金の等級を確認する必要があります。

また、障害手当金は一時金であり、法定免除の対象にはなりません。

法定免除になるのは国民年金第1号被保険者

法定免除が問題になるのは、原則として国民年金の第1号被保険者です。

例えば、次のような方が該当します。

  • 自営業者

  • フリーランス

  • 農業や漁業に従事している方

  • 会社を退職して厚生年金に加入していない方

  • 配偶者の扶養に入っていない無職の方

会社員として厚生年金に加入している方は、給与から厚生年金保険料が控除されます。

障害年金1級または2級を受給していても、厚生年金に加入して働いている期間について、厚生年金保険料が

免除される制度ではありません。

つまり、障害年金の法定免除は、厚生年金保険料を免除する制度ではなく、第1号被保険者が支払う

国民年金保険料を免除する制度です。

障害年金を受給すれば自動的に免除される?

障害年金の受給が決定したからといって、何もしなくても必ず法定免除の処理が完了するとは限りません。

国民年金第1号被保険者の方は、障害年金の年金証書が届いた後、市区町村役場の国民年金窓口や

年金事務所で確認し、必要な届出を行いましょう。

いつの保険料から免除される?

障害年金による法定免除は、原則として、障害年金の受給権が発生した日を含む月の前月分から

対象になります。

日本年金機構では、障害基礎年金や障害厚生年金2級以上について、認定された日を含む月の前月の

保険料から免除されると案内しています。

例えば、障害認定日が4月15日で、その日を受給権発生日として障害年金が認められた場合は、

原則として3月分の国民年金保険料から法定免除の対象となります。

障害認定日による請求が遡って認められた場合には、過去の期間まで法定免除に該当することがあります。

すでに国民年金保険料を納付していた期間がある場合は、納付済み保険料の取扱いについて、市区町村や

年金事務所へ確認しましょう。

法定免除の期間は未納になる?

法定免除を受けた期間は、国民年金保険料の「未納期間」にはなりません。

法定免除期間は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格期間に算入されます。

そのため、保険料を払っていないからといって、単純な未納と同じ取扱いになるわけではありません。

ただし、老齢基礎年金の金額を計算するときは、保険料を全額納付した期間と同じ金額が反映されるわけ

ではありません。

将来の老齢基礎年金は減る?

法定免除を受けた期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には含まれます。

しかし、老齢基礎年金の金額には、原則として保険料を全額納付した場合の2分の1として反映されます。

例えば、国民年金保険料を40年間すべて納付した場合と、40年間すべて全額免除であった場合では、

将来受け取る老齢基礎年金の額に差が生じます。

日本年金機構が公表している令和8年度の例では、40年間保険料を納付した場合の老齢基礎年金額は年額847,300円、

40年間すべて全額免除であった場合は年額423,650円とされています。

したがって、「法定免除になったから、将来の年金には一切影響しない」というわけではありません。

障害年金を受給していても保険料を払える?

法定免除に該当していても、将来の老齢基礎年金額を増やすため、本人が希望して国民年金保険料を

納付する制度があります。

現在は、法定免除に該当した後でも、所定の申出を行うことで保険料を納付したり、前納したり

することができます。

また、すでに法定免除となった過去の期間については、原則として10年以内であれば追納できる場合が

あります。

ただし、追納や任意の納付をすれば、現在受給している障害基礎年金の金額が増えるわけではありません。

増額の対象となるのは、原則として将来受け取る老齢基礎年金です。

すでに口座振替や前納をしている場合は注意

障害年金の受給が決定する前から、国民年金保険料を口座振替やクレジットカードで納付している方もいます。

また、6か月前納、1年前納、2年前納を利用している場合もあります。

法定免除に該当した後も、免除の届出や納付方法の確認をしなければ、口座振替に関する案内や納付書が

届くことがあります。

障害年金の受給が決定した場合は、次の点を確認しましょう。

  • 法定免除の届出が処理されているか

  • 免除期間の始期はいつか

  • すでに納付した保険料はどうなるか

  • 口座振替やクレジットカード納付は停止されているか

  • 前納した保険料の取扱いはどうなるか

  • 今後も保険料を納付する意思があるか

年金証書が届いた後は、そのままにせず、市区町村の国民年金窓口や年金事務所で確認することをおすすめします。

障害年金が支給停止になったらどうなる?

障害年金1級または2級を受給している間は、法定免除の対象となります。

その後、障害の程度が軽くなり、障害年金が支給停止になった場合でも、直ちに法定免除が終了するとは

限りません。

障害年金に関する法定免除には、障害状態が軽くなった後も一定期間継続する取扱いがあります。

一方で、法定免除の事由が消滅した場合には、免除事由の消滅に関する届出が必要になることがあります。

支給停止や等級変更があった場合は、自分で判断せず、年金事務所などへ確認しましょう。

まとめ

障害基礎年金または障害厚生年金の1級・2級を受給している国民年金第1号被保険者は、国民年金保険料の法定免除を受けられることがあります。

ただし、次の点には注意が必要です。

  • 障害厚生年金3級は法定免除の対象外

  • 厚生年金に加入して働く方の厚生年金保険料が免除される制度ではない

  • 障害年金の決定後は法定免除の届出状況を確認する

  • 法定免除期間は未納にはならない

  • 老齢基礎年金額には全額納付期間の2分の1として反映される

  • 希望すれば納付や追納ができる場合がある

  • 追納しても現在の障害年金額が増えるわけではない

  • 追納が有利かどうかは、将来の年金受給方法によって異なる

障害年金を受給した後も、国民年金保険料について何も考えなくてよいわけではありません。

法定免除を利用するのか、将来の老齢基礎年金を増やすために納付するのかは、現在の生活状況や将来の年金見込額を踏まえて検討する必要があります。