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【社労士が解説】障害年金の初診日がなぜ重要なのか

2026年07月05日 09:10

障害年金の申請では、病気やケガの状態だけでなく、いくつかの要件を確認する必要があります。

その中でも重要なのが、初診日です。

障害年金のご相談では、

「初診日がいつか分からない」

「昔の病院が閉院している」

「最初は内科を受診して、その後に精神科へ行った」

「転院を繰り返していて、どこが初診になるのか分からない」

というご相談がよくあります。

障害年金では、この初診日が非常に大切です。

なぜなら、初診日によって、障害年金を受けられるかどうかや、どの制度で請求するのかが変わることがあるからです。


初診日とは

初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことをいいます。

ここで大切なのは、現在通っている病院に初めて行った日ではないという点です。


たとえば、現在は精神科に通院している場合でも、最初に不眠や体調不良で内科を受診していた場合、その内科の受診日が初診日になることがあります。

また、最初は腰痛で整形外科を受診し、その後に別の病院へ転院した場合でも、障害の原因となった傷病について最初に診療を受けた日が初診日になります。


つまり、初診日は「今の病院に初めて行った日」ではなく、その障害の原因となった病気やケガについて、最初に医療機関を受診した日です。


なぜ初診日が重要なのか

障害年金で初診日が重要になる理由は、大きく分けて3つあります。

1. 加入していた年金制度が決まる

初診日にどの年金制度に加入していたかによって、請求できる障害年金の種類が変わります。

初診日に国民年金に加入していた場合は、原則として障害基礎年金の対象になります。

初診日に厚生年金に加入していた場合は、障害厚生年金の対象になる可能性があります。

障害厚生年金は、障害基礎年金に比べて等級の範囲が広く、3級や障害手当金が対象になる場合もあります。

そのため、初診日に厚生年金に加入していたかどうかは、障害年金の申請において大きな意味を持ちます。


2. 保険料納付要件を確認する基準になる

障害年金では、原則として、初診日の前日時点で保険料納付要件を満たしているかを確認します。

つまり、現在の納付状況だけを見るのではなく、初診日の前日時点で、年金保険料を一定以上納めていたか、または免除されていたかを確認します。

初診日がいつになるかによって、保険料納付要件を満たすかどうかが変わることがあります。

そのため、初診日を正確に確認することはとても重要です。


3. 障害認定日が決まる

障害年金では、原則として初診日から1年6か月を経過した日が障害認定日になります。

障害認定日とは、その時点の障害の状態を確認する基準日です。

障害認定日に障害等級に該当する状態であれば、障害認定日請求ができる可能性があります。

一方で、障害認定日時点では障害の状態が軽かったものの、その後に悪化した場合は、事後重症請求を検討することになります。


このように、初診日は請求方法にも関わってきます。

初診日が分からない場合

障害年金の相談では、「初診日が分からない」というケースも少なくありません。

特に、精神疾患や発達障害、長期間にわたる病気の場合、最初の受診から何年も経っていることがあります。

その場合は、次のような資料を確認していきます。

・過去の診察券

・お薬手帳

・紹介状

・健康保険の受診履歴

・医療機関の診療録

・障害者手帳の申請資料

・自立支援医療の記録

・会社や学校に残っている記録

・家族のメモや日記

・当時の通院状況が分かる資料

初診日の証明には、原則として医療機関で作成される「受診状況等証明書」が必要になります。

ただし、昔の病院が閉院している場合や、カルテの保存期間が過ぎている場合など、受診状況等証明書を取得できないこともあります。

そのような場合でも、他の資料を組み合わせて初診日を確認していくことがあります。


最初の病院が閉院している場合

初診の病院が閉院している場合でも、すぐにあきらめる必要はありません。

閉院していても、医師が別の医療機関に移っている場合や、医療法人が記録を保管している場合があります。

また、紹介先の病院の診療録に「以前、〇〇医院を受診していた」と記載されていることもあります。

お薬手帳、紹介状、診断書、健康保険の記録などから、初診日を確認できる可能性もあります。

大切なのは、自己判断で「もう無理だ」と決めつけないことです。


精神疾患では初診日の確認が特に重要です

うつ病、統合失調症、双極性障害、発達障害などの精神疾患では、初診日の確認が難しくなることがあります。

たとえば、最初は不眠、頭痛、腹痛、動悸などの身体症状で内科を受診していたケースがあります。


その後、心療内科や精神科を受診し、うつ病や統合失調症と診断されることもあります。

この場合、精神科を初めて受診した日ではなく、症状との関連によっては、最初に内科を受診した日が初診日になる可能性があります。


また、発達障害の場合は、子どもの頃の受診歴、学校での支援記録、療育の記録などが関係することもあります。

初診日をどう整理するかによって、障害年金の申請方針が大きく変わることがあります。


初診日を間違えるとどうなるのか

初診日を間違えると、障害年金の申請に大きな影響が出ることがあります。

たとえば、本来の初診日より後の日を初診日として申請してしまうと、年金制度の種類や保険料納付要件の確認が変わってしまう可能性があります。

また、障害認定日も変わるため、本来請求できたはずの期間について請求できなくなることもあります。

逆に、初診日が正しく整理できないと、申請そのものが進めにくくなることもあります。

障害年金では、病状の重さだけでなく、初診日の証明が非常に重要です。


まとめ

障害年金の初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。現在通っている病院に初めて行った日とは限りません。


初診日は、どの年金制度で請求するのか、保険料納付要件を満たすか、障害認定日がいつになるかを判断するうえで、とても重要です。


初診日が分からない場合や、昔の病院が閉院している場合でも、診察券、お薬手帳、紹介状、健康保険の記録、障害者手帳の資料などから確認できる可能性があります。


障害年金の申請を考えている方は、まず初診日を確認することが大切です。

「初診日がいつか分からない」

「昔の病院が閉院している」

「転院が多くて、どこが初診になるのか不安」

「精神疾患で、最初は内科に通っていた」

このようなお悩みがある方は、自己判断であきらめず、早めにご相談ください。

尼崎市の秋山社会保険労務士事務所では、障害年金の申請に関するご相談をお受けしています。

初診日の確認から、申請書類の準備まで、状況に応じてサポートいたします。



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