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【労務】若手が採れない会社へ|ハローワークのシニア人材を活用して業務を効率化しませんか?

2026年08月08日 08:15

「求人を出しても若い人から応募が来ない」「人手不足で社員が雑務に追われている」

「人を増やしたいが、人件費の負担が心配」

このような悩みを抱えている中小企業は少なくありません。

しかし、人材確保は、若い正社員を1人採用することだけが正解ではありません。

会社の業務を見直し、定型業務やルーティン業務を切り出して、中高年・シニア人材に任せることで、

正社員が本来の仕事に集中できるようになる可能性があります。

さらに、60歳以上の方をハローワーク等の紹介により採用する場合、一定の要件を満たせば「

特定求職者雇用開発助成金」の対象になることもあります。

若手採用だけにこだわっていませんか?

人材を募集するとき、多くの会社が次のような人物を希望します。

  • 若くて体力がある

  • パソコン操作が得意

  • フルタイムで勤務できる

  • 幅広い仕事に対応できる

  • 将来の幹部候補になる

もちろん、そのような人材を採用できれば理想的です。

しかし、求める条件を増やすほど、採用できる可能性は低くなります。

本当に必要なのは、「何でもできる若い社員」でしょうか。

それとも、現在社員が抱えている定型業務を、安定して処理してくれる人材でしょうか。

まずは仕事を分解してみましょう

人手不足の会社では、正社員や管理職が次のような仕事まで抱えていることがあります。

  • 書類の整理やファイリング

  • データ入力

  • 郵便物の発送

  • 伝票の整理

  • 備品の補充

  • 商品の検品や梱包

  • 工場内の清掃

  • 電話の一次対応

  • 定型的な集計作業

  • 決められた手順による軽作業

これらの業務も会社にとって必要ですが、必ずしも経験豊富な正社員が行う必要はありません。

業務を細かく分解し、手順を標準化すれば、短時間勤務の中高年・シニア人材に任せられる仕事は

意外と多くあります。

シニア人材を活用するメリット

中高年・シニア人材の活用には、次のようなメリットがあります。

定型業務を安定して任せられる

毎日または毎週繰り返す業務は、仕事の範囲と手順が明確であれば、経験を積むほど安定して

処理できるようになります。

「作業内容が毎日変わる仕事」よりも、「決められた手順で行う仕事」を希望する求職者もいます。

正社員が付加価値の高い仕事に集中できる

正社員が書類整理、発送、検品などに追われていると、営業、顧客対応、技術開発、管理業務などに

使える時間が減ってしまいます。

定型業務を別の人材へ移すことで、正社員が本来担当すべき業務に集中でき、会社全体の生産性向上に

つながります。

短時間勤務と相性がよい

シニア層の中には、フルタイム勤務ではなく、週3日や1日4時間程度の勤務を希望する方もいます。

会社側も、業務量に応じて短時間の求人を設計することで、必要以上に人件費を増やさずに人手を

補うことができます。

豊富な職業経験を生かせる

シニア人材には、過去に経理、営業、製造、運送、接客、管理職などを経験してきた方もいます。

単純作業だけでなく、若手社員への助言、技術伝承、取引先対応などで力を発揮する場合もあります。

ハローワークを活用して人材を探しましょう

ハローワークには、幅広い年齢層の求職者が登録しています。

民間求人サイトでは若年層からの応募が中心になりやすい一方、ハローワークでは中高年・シニア層の

求職者と出会える可能性があります。

求人を出すときは、単に「軽作業」「一般事務」と書くのではなく、具体的な業務内容を記載しましょう。

たとえば、

「書類整理、スキャン、簡単なデータ入力、郵便物の発送を担当していただきます」

「完成品の目視確認、箱詰め、ラベル貼りを担当していただきます」

など、仕事の範囲を明確にすることで、応募者も入社後の働き方をイメージしやすくなります。

60歳以上の採用では特開金の対象になることがあります

60歳以上の高年齢者を、ハローワーク等の職業紹介により、継続して雇用する労働者として採用した場合、

一定の要件を満たせば「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の対象になる可能性があります。

令和8年度の中小企業に対する支給額は、高年齢者を短時間労働者以外として採用した場合は合計60万円、

週20時間以上30時間未満の短時間労働者として採用した場合は合計40万円です。原則として6カ月ごとに

2回に分けて支給されます。

ただし、助成金を受けるためには、単に60歳以上の方を採用すればよいわけではありません。

主に次のような要件があります。

  • ハローワーク等の紹介により採用すること

  • 雇用保険の被保険者として雇い入れること

  • 継続して雇用することが確実であること

  • 採用前に会社が独自に選考を開始していないこと

  • 労働保険料の滞納がないこと

  • 一定期間内に事業主都合の解雇等をしていないこと

  • 支給申請期限までに必要書類を提出すること

対象となる雇用形態は、正規雇用や無期雇用に限らず、有期雇用であっても、本人が希望する限り

更新できる契約であれば対象となる場合があります。

令和8年5月から高年齢者の要件が変わっています

令和8年5月1日以降の職業紹介については、60歳以上というだけでは、特定求職者雇用開発助成金の対象に

ならない場合があります。

原則として、紹介日においてハローワーク等で就労に向けた個別支援を受けており、

「助成金の対象労働者であること」を明示した職業紹介を受けることが必要です。

そのため、採用後に、

「60歳以上だから助成金が使えるはずだった」

と気づいても、紹介方法や対象者確認ができていなければ、助成金を受けられない可能性があります。

特開金を活用したい場合は、求人を提出する段階で、ハローワークへ対象要件を確認しておくことが重要です。

助成金を理由に採用してはいけません

助成金が受けられるからといって、会社に必要のない人材を採用してはいけません。

助成金は、あくまで採用後に発生する賃金負担の一部を補う制度です。

大切なのは、先に会社の業務を整理し、

  • どの業務を任せるのか

  • 週何日、何時間必要なのか

  • どの程度の経験や能力が必要なのか

  • 誰が仕事を教えるのか

  • 長く働いてもらえる環境があるか

を明確にすることです。

そのうえで、条件に合う中高年・シニア人材をハローワークで探し、結果として助成金も活用できる

のであれば、会社にとって有効な採用方法になります。

採用前に雇用条件を整えましょう

シニア人材を採用するときも、労働条件を曖昧にしてはいけません。

特に次の項目は、求人票、労働条件通知書、雇用契約書で内容を一致させる必要があります。

  • 雇用期間

  • 契約更新の有無と判断基準

  • 仕事内容

  • 就業場所

  • 勤務日数

  • 始業・終業時刻

  • 休憩時間

  • 賃金

  • 社会保険、雇用保険の加入

  • 定年と継続雇用

  • 業務上の安全配慮

助成金を申請する場合には、雇用契約書、賃金台帳、出勤簿なども確認されます。

令和8年4月以降の申請では、賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給となる取扱いが示されています。

採用時から正確な労務管理を行うことが重要です。

まとめ

若手社員が採用できないからといって、人材確保を諦める必要はありません。

まずは社内の仕事を分解し、定型業務やルーティン業務を切り出してみましょう。

中高年・シニア人材にその業務を任せることで、

  • 正社員が本来業務に集中できる

  • 長時間労働を減らせる

  • 業務処理を安定させられる

  • 必要な時間だけ人材を配置できる

  • 条件次第で特定求職者雇用開発助成金を活用できる

といった効果が期待できます。

人手不足対策は、若い正社員を1人採用することだけではありません。

仕事を分解し、その仕事に合った人材を配置することが、採用と業務効率化の第一歩です。

ハローワークで中高年・シニア人材を採用する場合は、求人内容の設計と併せて、特定求職者雇用開発助成金の

対象になるかを採用前に確認しておきましょう。


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