【障害年金】一度不支給になった障害年金、もう二度と申請できない?
2026年09月27日 09:15
障害年金を請求したものの、不支給決定の通知が届いた。
時間をかけて診断書や申立書を準備した人ほど、
「もう障害年金は受け取れないのではないか」
「一度不支給になったら、二度と申請できないのではないか」
と考えてしまうかもしれません。
しかし、一度不支給になったからといって、今後一切、障害年金を
請求できなくなるわけではありません。
不支給となった理由や現在の症状、通知を受け取った時期などによっては、
次のような対応を検討できる場合があります。
不支給決定に対する審査請求
同一傷病・同一初診日による再請求
症状が悪化した後の事後重症請求
大切なのは、不支給通知を見てすぐに諦めるのではなく、なぜ不支給になったのかを確認することです。
不支給になった理由を確認しましょう
障害年金が不支給となる理由は一つではありません。
例えば、次のような理由が考えられます。
障害の状態が認定基準に該当しないと判断された
初診日を確認できなかった
保険料納付要件を満たしていなかった
診断書だけでは日常生活や就労上の支障が十分に伝わらなかった
病歴・就労状況等申立書と診断書の内容に食い違いがあった
障害認定日時点では障害等級に該当しないと判断された
不支給理由によって、その後の対応は変わります。
症状の程度が理由で不支給になった場合と、初診日の証明が理由で不支給になった場合では、
準備すべき書類や主張すべき内容が異なります。
まずは、不支給決定通知書や関係書類を確認し、処分の内容を整理する必要があります。
不支給決定に納得できない場合は「審査請求」
提出時点の診断書や資料から見ても障害等級に該当していたはずなのに、不支給決定となった。
そのように、不支給決定そのものに納得できない場合は、社会保険審査官へ審査請求を
行う方法があります。
審査請求とは、日本年金機構などが行った年金給付の決定について、改めて審査を求める
不服申立ての制度です。
原則として、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に行う必要があります。
審査請求では、単に、「生活が大変なので認めてほしい」「病気がつらいので納得できない」
と訴えるだけでは足りません。
不支給決定のどこに問題があるのか、提出済みの診断書や医療記録、日常生活状況、認定基準などを
踏まえて、具体的に整理する必要があります。
審査請求に対する決定にも不服がある場合は、決定書の謄本が送付された日の翌日から2か月以内に、
社会保険審査会へ再審査請求できる場合があります。
審査請求と再請求は同じではありません
審査請求と再請求は、似ているようで目的が異なります。
審査請求は、以前の不支給決定が間違っていたとして、その処分の見直しを求める手続きです。
一方、再請求は、改めて障害年金の請求書や診断書などを提出し、もう一度請求する手続きです。
つまり、
当時の資料でも認められるべきだったと考える場合は審査請求
現在の症状や新たな資料を基に改めて請求する場合は再請求
という違いがあります。
ただし、どちらを選択すべきかは、不支給理由や請求方法、現在の症状などによって変わります。
審査請求の期限が残っているから必ず審査請求を選ぶ、症状が悪化したから必ず再請求を選ぶ、
という単純なものではありません。
同じ傷病・同じ初診日でも再請求できる場合があります
過去に障害年金を請求して不支給となった場合でも、同じ傷病・同じ初診日で再請求すること
自体が直ちに禁止されるわけではありません。
日本年金機構にも、同一傷病かつ同一初診日で障害年金を再請求する場合に、以前提出した
初診日証明書類の利用を希望するための手続きが用意されています。
ただし、同じ内容の書類をそのまま提出し直しても、同じ結果になる可能性があります。
再請求を検討するときは、少なくとも次の点を確認する必要があります。
前回の不支給理由
前回の診断書の記載内容
現在の症状
日常生活能力の変化
就労状況の変化
通院状況や治療内容
新たに提出できる医療記録や資料
病歴・就労状況等申立書の内容
「前回より悪くなった気がする」という感覚だけでなく、どのような場面で、どの程度の支援や
配慮が必要になったのかを具体的に整理することが重要です。
症状が悪化した場合は「事後重症請求」を検討できることがあります
障害認定日時点では障害等級に該当しなかった場合でも、その後症状が悪化し、法令上の
障害状態に該当するようになったときは、事後重症による請求ができる場合があります。
事後重症請求によって認められた場合、原則として請求日の翌月分から障害年金を受給します。
また、請求書は原則として65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。
事後重症請求では、障害認定日時点の状態ではなく、基本的に請求時点に近い現在の障害状態が重要になります。
そのため、前回の請求後に症状が悪化した人や、生活上の援助が以前より必要になった人は、
改めて請求できる可能性があります。
ただし、請求が遅れるほど受給開始も遅くなるため、症状が障害等級に該当する可能性がある場合は、
早めに検討することが大切です。
働いていることだけで諦める必要はありません
前回の請求時に働いていたため、「仕事をしているから不支給になった」と思い込んでいる人もいます。
しかし、働いているという事実だけで、障害年金が必ず不支給になるわけではありません。
大切なのは、
一般雇用か障害者雇用か
勤務日数や勤務時間
欠勤、遅刻、早退の状況
業務内容
職場から受けている配慮
周囲の援助
帰宅後や休日の状態
就労を継続することで生じている負担
など、実際の就労状況です。
表面上は働けていても、家族や職場の支援によって何とか継続できている場合があります。
再請求では、単に「働いている」「働いていない」だけでなく、どのような条件で就労が成り立っているかを
具体的に整理する必要があります。
初診日の問題で不支給になった場合
障害年金では、初診日が非常に重要です。
初診日によって、
障害基礎年金か障害厚生年金か
保険料納付要件を満たしているか
障害認定日がいつになるか
などが決まります。
初診日の証明が不十分で不支給となった場合、症状が悪化したからといって、初診日の
問題が自動的に解消するわけではありません。
再請求をする場合も、初診日の証明方法を改めて検討する必要があります。
当時の医療機関にカルテが残っていない場合でも、
紹介状
診療情報提供書
健康保険の給付記録
お薬手帳
診察券
健康診断記録
第三者証明
他の医療機関のカルテに記載された過去の受診歴
などを確認できる場合があります。
何が証拠として利用できるかは個別に異なるため、早い段階で資料を探すことが大切です。
保険料納付要件で不支給になった場合
保険料納付要件を満たしていないことを理由に不支給となった場合は、再請求すれば必ず
解決するというものではありません。
保険料納付要件は、原則として初診日の前日時点の納付状況によって判断されます。
そのため、初診日後に保険料を納めても、原則としてその初診日に関する納付要件の
判定を後から変えることはできません。
一方で、
初診日そのものに誤りがないか
納付記録に誤りがないか
免除期間や猶予期間が正しく反映されているか
別の傷病として初診日を整理できる事情がないか
など、確認すべき点が残っている場合もあります。
不支給理由を十分に確認せず、同じ内容で再請求することは避けた方がよいでしょう。
不支給通知が届いたら確認したいこと
障害年金の不支給通知が届いた場合は、次の点を確認しましょう。
不支給理由は何か
障害状態が軽いと判断されたのか
初診日の証明に問題があったのか
保険料納付要件に問題があったのか
障害認定日請求か事後重症請求か
診断書に現在の状態が正しく反映されているか
病歴・就労状況等申立書と診断書に矛盾がないか
不支給決定を知った日の翌日から3か月以内か
前回の請求後に症状や生活状況が変化しているか
不支給通知を受け取った直後は、精神的にも大きな負担がかかります。
しかし、審査請求には期限があります。
すぐに再請求するかどうかを決められなくても、まずは書類一式を確認し、選択肢を整理することが重要です。
一度の不支給だけで諦めないでください
障害年金は、病名だけで決まる制度ではありません。
初診日、保険料納付要件、診断書、申立書、日常生活状況、就労状況など、複数の要素を基に判断されます。
一度不支給になったとしても、
当時の不支給決定に問題がある
前回より症状が悪化している
新しい資料を提出できる
前回の書類では生活上の支障が十分に伝わっていなかった
といった場合には、審査請求や再請求を検討できる可能性があります。
ただし、どの方法が適しているかは、一人ひとり異なります。
秋山社会保険労務士事務所
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