【障害年金】障害年金の1級・2級・3級とは?障害等級の違いをわかりやすく解説
2026年08月04日 08:21
障害年金には、障害の程度に応じて「1級」「2級」「3級」という障害等級があります。
しかし、
「2級なら、どのくらい重い状態なのか」「働いていたら3級にしかならないのか」
「障害者手帳の2級なら、障害年金も2級になるのか」
など、等級の違いが分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
障害年金の等級は、単に病名や診断名だけで決まるものではありません。
病気やけがによって、日常生活や仕事にどの程度の支障が生じているかを確認し、診断書などの
提出書類をもとに総合的に判断されます。
今回は、障害年金の1級・2級・3級の違いについて、できるだけ分かりやすく解説します。
障害年金の等級は「病気の重さ」だけでは決まらない
障害年金の等級を考えるうえで大切なのは、病名そのものではなく、病気やけがによって
生じている障害の状態です。
同じ病名であっても、症状の程度、治療の経過、日常生活の状況、家族から受けている援助、
仕事上の配慮などは人によって異なります。
例えば、同じうつ病と診断されていても、
一人では外出できない
食事や服薬の管理を家族に任せている
入浴や着替えが十分にできない
欠勤や早退を繰り返している
短時間勤務や単純作業に変更してもらっている
など、生活や仕事への影響には大きな違いがあります。
そのため、「この病名なら必ず何級になる」と一律に決めることはできません。
障害年金1級とは
障害年金1級は、障害年金のなかで最も重い障害状態です。
障害認定基準では、身体機能の障害や長期にわたる安静が必要な病状により、日常生活の用を自分で
行うことができない程度の状態が基本とされています。
分かりやすく表現すると、日常生活の多くの場面で、常時またはそれに近い援助が必要な状態です。
例えば、
一人で食事を取ることが難しい
着替えや入浴、排せつに援助が必要
一人で外出することがほとんどできない
症状のため、自分で安全を確保することが難しい
日常生活のほぼ全般について家族などの援助を受けている
といった状態が考えられます。
ただし、実際の認定は、障害の種類ごとに定められた障害認定基準に基づいて行われます。
単に「家族と同居している」「仕事をしていない」という事情だけで、1級になるわけでは
ありません。
障害年金2級とは
障害年金2級は、日常生活が著しい制限を受ける程度の障害状態です。
必ずしも、生活のすべてについて常時援助が必要という状態ではありませんが、日常生活を一人で安定
して送ることが難しく、さまざまな場面で援助や配慮が必要となる状態が基本です。
例えば、
食事の準備や掃除、洗濯を一人で継続できない
服薬や金銭の管理を家族に任せている
一人での外出や通院が難しい
入浴や着替えが何日もできないことがある
周囲から声をかけられなければ行動できない
日常生活の多くの場面で家族の援助を受けている
といった状態が考えられます。
2級についてよくある誤解が、「働いていたら2級にはならない」というものです。
障害年金は、働いているという事実だけで直ちに不支給になる制度ではありません。
働いている場合でも、
短時間勤務である
業務内容を大幅に軽減してもらっている
頻繁に欠勤や早退をしている
上司や同僚の継続的な援助を受けている
一般の従業員と同じ勤務ができていない
障害者雇用や就労継続支援などを利用している
といった事情を含めて、実際の就労状況が確認されます。
働いているかどうかだけでなく、どのような援助や配慮を受けて働いているのかが重要です。
障害年金3級とは
障害年金3級は、労働に著しい制限を受ける、または労働に著しい制限を加える必要が
ある程度の障害状態です。
日常生活はある程度自分で行えていても、病気やけがの影響により、一般的な条件で働く
ことが難しい状態などが想定されています。
例えば、
フルタイム勤務が難しい
重い物を持つ仕事や長時間の立ち仕事ができない
担当業務を限定してもらっている
通院や体調不良による欠勤が多い
短時間勤務でなければ働けない
職場から継続的な配慮を受けている
といった状態が考えられます。
ただし、障害年金3級があるのは、原則として障害厚生年金だけです。
初診日に国民年金へ加入していた方などが対象となる障害基礎年金には、1級と2級しかありません。
一方、初診日に厚生年金へ加入していた方は、障害厚生年金の1級から3級に該当する可能性があります。
1級・2級・3級の違い
大まかな違いを整理すると、次のようになります。
1級
日常生活を自分だけで行うことが難しく、生活の多くの場面で常時の援助が必要となる程度。
2級
日常生活に著しい制限があり、一人で安定した生活を送ることが難しく、日常的な援助や配慮
が必要となる程度。
3級
日常生活はある程度送ることができても、労働に著しい制限がある、または仕事上の大きな配慮
が必要となる程度。ただし、これはあくまで全体像を理解するための目安です。
実際には、視覚、聴覚、肢体、内臓疾患、精神疾患など、障害の種類ごとに認定基準が定められており、
検査数値や具体的な症状、生活状況などから総合的に判断されます。
障害基礎年金と障害厚生年金では対象となる等級が違う
障害年金には、大きく分けて障害基礎年金と障害厚生年金があります。
どちらが対象になるかは、原則として、障害の原因となった病気やけがについて初めて医師などの
診療を受けた「初診日」に、どの年金制度へ加入していたかによって決まります。
障害基礎年金の対象となるのは1級と2級です。
障害厚生年金の対象となるのは1級、2級、3級です。
つまり、現在会社員として厚生年金に加入しているかどうかではなく、原則として初診日時点の加入制度が
重要になります。
等級は診断書だけで決まるとは限らない
障害年金の審査では、医師が作成する診断書が非常に重要です。
しかし、診断書だけで本人の日常生活や仕事の状況がすべて伝わるとは限りません。
特に精神疾患などの場合、短い診察時間のなかでは、
家族が食事を用意している
服薬を家族に管理してもらっている
一人では通院できない
仕事から帰ると何もできない
休日はほとんど寝て過ごしている
職場で特別な配慮を受けている
といった生活上の困難が、十分に医師へ伝わっていないことがあります。
また、病歴・就労状況等申立書の内容と診断書の内容が大きく食い違っていると、本人の障害状態が
正確に伝わらない可能性があります。
申請にあたっては、診断書、病歴・就労状況等申立書、その他の提出書類を通じて、障害の状態を一貫して
伝えることが大切です。
まとめ
障害年金の1級・2級・3級は、病名だけで決まるものではありません。
日常生活や仕事にどの程度の支障があり、どのような援助や配慮を必要としているかなどをもとに、
総合的に判断されます。
大まかには、
1級は、日常生活の多くで常時の援助が必要となる程度
2級は、日常生活に著しい制限があり、日常的な援助が必要となる程度
3級は、労働に著しい制限がある程度
と考えることができます。
ただし、実際の認定は、障害の種類や症状、検査結果、治療経過、生活状況、就労状況などに
よって異なります。
「自分は何級に該当する可能性があるのか分からない」
「働いているため申請できないと思っている」
「診断書や病歴・就労状況等申立書の準備に不安がある」
という方は、一人で判断して申請を諦める前に、障害年金に詳しい社会保険労務士へ相談することを
ご検討ください。
秋山社会保険労務士事務所では、初診日の確認、保険料納付要件の確認、診断書の内容確認、病歴・
就労状況等申立書の作成支援など、障害年金の請求をサポートしています。
ご本人だけでなく、ご家族からのご相談にも対応しています。お気軽にお問い合わせください。
※本記事は障害年金制度の一般的な内容を解説したものです。実際の等級認定や受給の可否は、
個別の傷病、初診日、加入制度、保険料納付状況、診断書などによって異なります。