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育休の相談を受けてから慌てる会社がやりがちな失敗

2026年07月09日 18:26

「従業員から育休を取りたいと言われた。初めてのことで、何をすればよいか分からない」
「人手不足なのに、長期間育児休業で休まれると現場が回らない」

顧問先様から相談を受け、育児休業の相談を受けてから、慌てて対応を考えるケースが少なくありません。

しかし、育児休業や育児との両立支援は、申出を受けてから慌てて対応すると、会社も従業員も大変になります。

制度の説明が不十分だったり、就業規則が古かったり、代替要員の準備ができていなかったりすると、現場の

混乱や労務トラブルにつながることがあります。

今回は、育休の相談を受けてから慌てる会社がやりがちな失敗について解説します。

失敗1 就業規則や育児介護休業規程を見直していない

まず多いのが、就業規則や育児介護休業規程が古いままになっているケースです。

育児・介護休業法は、ここ数年で何度も改正されています。

そのため、何年も前に作った規程をそのまま使っていると、今の法律に合っていない可能性があります。

たとえば、

・育児休業の申出方法が古い
・子の看護等休暇の内容が古い
・出生時育児休業に対応していない
・短時間勤務制度の対象者や内容が整理されていない
・個別周知や意向確認のルールが入っていない
・介護休業や介護両立支援の改正に対応していない

このような状態だと、従業員から相談を受けたときに、会社側が正しい説明をできません。

「昔作った規程があるから大丈夫」と思っていても、実際には法改正に追いついていないことがあります。

育休の相談が出てから規程を探すのではなく、事前に今の法律に合っているか確認しておくことが大切です。

失敗2 個別周知・意向確認を軽く考えている

育児休業では、従業員から妊娠・出産等の申出があった場合、会社は制度の内容を個別に知らせ、育休を取得する

意向があるか確認する必要があります。

つまり、従業員から「育休を取りたい」と言われるのを待つだけでは不十分です。

会社側から、制度の内容を説明し、取得の意向を確認することが求められます。

ここで注意したいのは、単に口頭で「育休取るの?」と聞けばよいわけではないということです。

説明すべき内容を整理し、記録を残しておくことが重要です。

たとえば、

・育児休業制度の内容
・出生時育児休業の内容
・申出先
・育児休業給付に関すること
・社会保険料免除に関すること
・休業中や復帰後の働き方

このような内容をきちんと説明できるようにしておく必要があります。

会社が制度説明をしないまま、従業員任せにしていると、後から「説明を受けていない」

「制度を知らなかった」と言われる可能性があります。

失敗3 現場の人員体制を考えていない

特に大きな問題になるのが、人員体制です。

育児休業は、数日で終わる休みではありません。
一定期間、従業員が職場を離れることになります。

そのため、会社は次のような点を考えておく必要があります。

・誰が業務を引き継ぐのか
・代替要員を採用するのか
・既存社員で分担するのか
・業務量を減らすのか
・外注できる業務はないか
・復帰後はどの部署・業務に戻るのか

ここを考えないまま育休に入ると、残った社員に負担が集中します。

すると、育休を取る本人だけでなく、周囲の社員にも不満が出やすくなります。

「なぜ自分たちだけ負担が増えるのか」
「会社は何も準備していない」
「復帰後のことも決まっていない」

このような不満が積み重なると、職場全体の雰囲気が悪くなることがあります。

育休対応は、本人だけの問題ではありません。
現場全体の業務設計の問題でもあります。

失敗4 育休取得を遠回しに嫌がる

人手不足の会社では、従業員から育休の相談を受けたときに、つい本音が出てしまうことがあります。

「今休まれると困る」「本当にそんなに長く休むの?」「復帰する気はあるの?」「他の社員に迷惑がかかる」

このような言い方は非常に危険です。

育児休業の取得を理由に、不利益な取扱いをすることはできません。

また、直接「取るな」と言っていなくても、従業員が育休を取りにくい雰囲気を感じるような対応は

トラブルの原因になります。

会社としては、育休を取得できる制度であることを前提に、業務体制をどう整えるかを考えるべきです。

「休まれると困る」ではなく、「休業中の業務をどう回すか」「復帰後にどう働いてもらうか」
という視点で対応することが大切です。

失敗5 復帰後の働き方を考えていない

育休対応で見落とされやすいのが、復帰後の働き方です。

育休から復帰した従業員は、すぐに以前と同じ働き方ができるとは限りません。

保育園の送迎、子どもの体調不良、時短勤務、残業の制限、子の看護等休暇など、育児と仕事を両立する

ための対応が必要になることがあります。

会社が復帰後の働き方を考えていないと、次のようなトラブルが起こりやすくなります。

・復帰後の勤務時間が決まっていない
・短時間勤務の取扱いが曖昧
・残業をどこまで依頼できるか分からない
・子どもの体調不良による休みに現場が対応できない
・本人だけ特別扱いしているように見えて、周囲に不満が出る

育休は、休業に入るまでの対応だけではありません。
復帰後の働き方まで含めて考える必要があります。

失敗6 書類や手続きのスケジュールを把握していない

育休に関する手続きには、会社が関わるものが多くあります。

たとえば、

・育児休業申出書
・出生時育児休業申出書
・社会保険料免除の手続き
・育児休業給付金に関する手続き
・復帰時の届出
・勤務時間変更に関する書類
・雇用契約書や労働条件通知書の変更

これらをその場その場で対応していると、漏れや遅れが出やすくなります。

特に、給与計算や社会保険の手続きと関係する部分は注意が必要です。

休業開始日、終了予定日、実際の復帰日、給与の有無、賞与の支給、社会保険料免除の対象などを

確認しておかないと、給与計算ミスや手続き漏れにつながることがあります。

失敗7 男性育休を想定していない

最近は、男性従業員から育休の相談を受けるケースも増えています。

しかし、会社では、まだ男性育休を想定していないことがあります。

「男性も育休を取れるのか」「数日だけでも対象になるのか」「出生時育児休業とは何か」
「分割取得はどう扱うのか」

このような点を会社側が把握していないと、相談を受けたときに慌てることになります。

男性従業員であっても、要件を満たせば育児休業の対象になります。

会社としては、女性従業員だけでなく、男性従業員からの相談にも対応できるように準備しておくことが必要です。

失敗8 「うちは対象者がいない」と思い込んでいる

「うちは若い社員がいないから関係ない」「今まで育休を取った人がいないから大丈夫」
「パートしかいないから関係ない」

このように考えている会社もあります。

しかし、育児や介護に関する相談は、いつ発生するか分かりません。

また、パートや有期契約の従業員であっても、要件を満たせば育児休業の対象になる場合があります。

対象者が出てから慌てるのではなく、あらかじめルールと書類を整えておくことが大切です。

会社が事前に準備しておきたいこと

育休の相談を受けてから慌てないためには、次のような準備をしておくと安心です。

・就業規則、育児介護休業規程を最新の内容に見直す
・育休相談を受けたときの対応手順を決める
・個別周知、意向確認の書式を用意する
・育児休業申出書などの書類を整備する
・給与計算、社会保険、雇用保険の手続きを整理する
・休業中の業務引継ぎ方法を決める
・復帰後の短時間勤務や残業制限への対応を確認する
・男性育休にも対応できるようにする
・管理職や現場責任者に基本的な対応を共有する

育休対応は、担当者だけが知っていればよいものではありません。

現場責任者が不用意な発言をしてしまうと、それだけでトラブルになることもあります。

会社として、誰が相談を受けても一定の対応ができるようにしておくことが重要です。

まとめ

育休の相談は、ある日突然やってくることがあります。

そのときに、就業規則が古い、制度説明の準備がない、人員体制を考えていない、復帰後の働き方も

決まっていない、という状態では、会社も従業員も困ってしまいます。

育児休業は、単に「休ませるかどうか」の話ではありません。

制度説明、意向確認、書類、手続き、給与計算、社会保険、雇用保険、業務引継ぎ、復帰後の働き方まで

関係します。


人手不足の時代だからこそ、従業員が安心して働き続けられる体制づくりが大切です。

「育休の相談が来てから考える」のではなく、相談を受ける前に、会社のルールと対応手順を整えておきましょう。


・育休の相談を受けたが、何から対応すればよいか分からない
・育児介護休業規程が古いままになっている
・復帰後の短時間勤務や人員体制を整理したい

このようなお悩みがある場合は、早めに秋山社会保険労務士事務所までご相談ください。



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主な対応地域:尼崎市、西宮市、大阪市、伊丹市、兵庫県、大阪府
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