アルバイト・パートの社会保険加入
2026年07月07日 12:52
パートさんやアルバイトさんを採用するとき、時給や勤務時間、仕事内容を決めることは多いと思います。
その一方で、意外と後回しになりやすいのが「社会保険に加入する働き方かどうか」の確認です。
社会保険は、正社員だけの制度ではありません。
パートさんやアルバイトさんでも、勤務時間や勤務日数、雇用期間などによっては、健康保険・厚生年金保険の
加入対象になることがあります。
採用してから慌てないためにも、最初に勤務条件を確認しておくことが大切です。
まず確認したいのは、「4分の3基準」です。
パートさんやアルバイトさんであっても、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、通常の労働者のおおむね
4分の3以上である場合は、社会保険の加入対象となります。
たとえば、正社員が週40時間・月20日勤務の会社であれば、4分の3基準は、週30時間以上・月15日以上です。
この場合、パートさんでも週30時間以上、かつ月15日以上働く契約であれば、社会保険加入を確認する必要があります。
ここで大切なのは、単に「パート」「アルバイト」という名称で判断しないことです。
雇用形態の名前ではなく、実際の勤務条件で判断します。
また、契約書では短い時間になっていても、実際には毎月かなり多く働いている場合があります。
このような場合は、直近の勤務実態も確認しておく必要があります。
たとえば、所定労働時間や所定労働日数では4分の3未満として契約していても、業務の都合などで実際の労働時間・
労働日数が4分の3以上の状態になっている場合です。
その状態が直近2か月連続しており、今後も同じような勤務が続くと見込まれる場合は、3か月目から社会保険加入を
検討する必要があります。
つまり、採用時の雇用契約書だけを見て終わりではなく、実際のシフトや勤怠も定期的に確認しておくことが大切です。
特に小さな会社では、
「人が足りないから、今月だけ多めに入ってもらった」
「忙しい時期だけのつもりが、毎月同じように入ってもらっている」
「扶養内のつもりだったが、実際にはかなり働いている」
ということがよくあります。
このような場合、最初は社会保険に加入しない働き方のつもりでも、途中から加入が必要になることがあります。
次に確認したいのが、4分の3基準に満たない短時間労働者の社会保険加入です。
現在は、厚生年金被保険者数51人以上の企業などで、次の要件を満たすパートさん・アルバイトさんは、社会保険の加入対象になります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2か月を超えて使用される見込みがある
・学生ではない
ここでいう「2か月を超えて使用される見込みがある」とは、契約期間が最初から2か月を超えている場合だけではありません。
たとえ契約期間が2か月以内であっても、契約更新の可能性がある場合や、実態として2か月を超えて働くことが見込まれる場合は、加入対象となることがあります。
そのため、短期のつもりで採用する場合でも、
・契約書に更新の可能性があるか
・同じような働き方が続く予定か
・繁忙期だけなのか、継続勤務なのか
を確認しておくことが大切です。
さらに、今後は社会保険の適用拡大が段階的に進む予定です。
今は対象外の小さな会社でも、将来的にはパートさんの社会保険加入について、より身近な問題になっていきます。
社会保険に加入すると、従業員さんにとっては将来の年金や健康保険の安心につながります。
一方で、会社にも保険料の負担が発生します。
そのため、採用時には次のような点を確認しておくと安心です。
・週に何時間働く予定か。
・月に何日くらい出勤する予定か。
・雇用期間はどれくらいを予定しているか。
・契約更新の可能性があるか。
・学生かどうか。
・扶養の範囲で働きたい希望があるか。
・実際のシフトが契約内容とズレていないか。
・直近2か月の勤務実態が大きく増えていないか。
特に、「扶養の範囲で働きたい」という希望がある場合は、勤務時間や収入の見込みを早めに確認しておくことが大切です。
本人は扶養内のつもりでも、会社の勤務シフトによっては社会保険加入の対象になることがあります。
また、会社としても、社会保険料の会社負担を見込まずに採用すると、後から人件費の計算が変わってしまうことがあります。
大切なのは、「入れる・入れない」を感覚で判断しないことです。
「パートだから社会保険は関係ない」
「本人が扶養内希望だから加入しない」
「契約書では短時間だから大丈夫」
このように考えるのではなく、勤務条件と実際の働き方をもとに確認することが大切です。
パートさんを採用するときは、時給や仕事内容だけでなく、社会保険の加入条件もあわせて確認しておきましょう。
最初にお互い確認しておくことで、従業員さんにも説明しやすくなり、会社としても安心して採用を進めることが
できます。
「この働き方なら社会保険はどうなる?」
「扶養内で働きたいと言われたけど、勤務時間はどう決めたらいい?」
「契約書と実際のシフトがズレている場合はどう考えればいい?」
「今後の制度改正に向けて、何を準備すればいい?」
このようなお悩みがあれば、採用前や勤務時間が増えてきた段階で、早めに確認しておくことをおすすめします。
お困りの会社様は秋山社会保険労務士事務所までご相談くださいませ。
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